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ビクタルビ配合錠

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • HIV-1感染症

用法・用量

  • 通常、成人には1回1錠(ビクテグラビルとして50mg、エムトリシタビンとして200mg及びテノホビル アラフェナミドとして25mgを含有)を1日1回経口投与する。

禁忌 

【警告】

  • B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 次の薬剤を投与中の患者

    • リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、ホスフェニトイン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品[10.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 病的骨折の既往のある患者又はその他の慢性骨疾患を有する患者
十分な観察を行い、異常が認められた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと。テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含有する製剤の非臨床試験及び臨床試験において、骨密度の低下と骨代謝の生化学マーカーの上昇が認められ、骨代謝の亢進が示唆された。また、抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染症患者に対し、テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を含有する製剤が投与された臨床試験において、骨密度が低下した症例が認められた。
9.1.2 B型肝炎ウイルス感染を合併している患者
本剤の投与を中断する場合には十分注意すること。B型慢性肝炎を合併している患者では、本剤の投与中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがある。特に非代償性の場合、重症化するおそれがある。
9.1.3 腎機能障害のリスクを有する患者
クレアチニンクリアランス及び血清リンの検査を実施すること。
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害のある患者
エムトリシタビンの血中濃度が上昇する。[7.2、8.3、11.1.1、16.6.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害患者
重度の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[11.1.2、16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。他のインテグラーゼ阻害薬であるドルテグラビルでは、海外で進行中の観察研究において、無脳症や二分脊椎などの神経管閉鎖障害が報告されている。動物試験(サル)においてテノホビルの胎児への移行が報告されている。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。動物試験(ラット)でビクテグラビルは乳汁中に分泌され、胎児に移行することが報告されている。テノホビル及びエムトリシタビンはヒト乳汁への移行が報告されている。なお、女性のHIV感染症患者は、乳児のHIV感染を避けるため、乳児に母乳を与えないことが望ましい。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、合併症や他の薬剤の併用が多い。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又はそれに代わる適切な者に次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
8.1.1 本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化についてはすべて担当医に報告すること。
8.1.2 本剤の長期投与による影響については現在のところ不明であること。
8.1.3 担当医の指示なしに用量を変更したり、服用を中止したりしないこと。
8.1.4 本剤は併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告すること。また、本剤で治療中に新たに他の薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談すること。[10.参照]
8.2 抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築炎症反応症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
8.3 本剤投与前は、クレアチニンクリアランス等の腎機能検査を実施し、クレアチニンクリアランスが30mL/分以上であることを確認すること。また、本剤投与後も定期的な検査等により、患者の状態を注意深く観察すること。[7.2、9.2.1、11.1.1、16.6.2参照]
8.4 アジア系人種におけるエムトリシタビンの薬物動態は十分に検討されていないが、少数例の健康成人及びB型慢性肝炎のアジア系人種において、Cmaxの上昇を示唆する成績が得られているので、HBV感染症合併患者を含め、副作用の発現に注意すること。
8.5 エムトリシタビン製剤の試験において皮膚変色が発現し、その発現頻度は有色人種に高いことが示唆されている。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤はビクテグラビルナトリウム、エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドフマル酸塩の3成分を含有した配合錠である。これらの成分を含む製剤と併用しないこと。また、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含む製剤についても併用しないこと。
7.2 本剤投与後、クレアチニンクリアランスが30mL/分未満に低下した場合は、投与の中止を考慮すること。[8.3、9.2.1、11.1.1、16.6.2参照]
7.3 本剤はHIV-1感染症に対して1剤で治療を行うものであるため、他の抗HIV薬と併用しないこと。
7.4 エムトリシタビンと類似の薬剤耐性、ウイルス学的特性を有しているラミブジンを含む製剤と併用しないこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 以下のいずれかのHIV-1感染症患者に使用すること。
5.1.1 抗HIV薬による治療経験がない患者
5.1.2 ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前3ヵ月間以上においてウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50copies/mL未満)が得られており、ビクテグラビル、エムトリシタビン又はテノホビルに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療患者
5.2 本剤による治療に当たっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人における薬物動態
健康成人に本剤を空腹時に単回経口投与した時の、ビクテグラビル、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータを表16-1に示す。
表16-1 ビクタルビ配合錠単回経口投与時のビクテグラビル、エムトリシタビン、テノホビル アラフェナミド及びテノホビルの薬物動態パラメータ
ビクテグラビルエムトリシタビンテノホビル アラフェナミドテノホビル
Cmax(μg/mL)6.56(17.9)2.68(39.9)0.30(58.3)0.01(30.3)
AUCinf(μg・hr/mL)115(21.2)11.2(18.2)0.17(51.6)0.33(24.0)
t1/2(hr)17.0(11.8,23.4)18.0(10.7,39.1)0.35(0.25,1.15)46.2(36.1,106)
Cmax及びAUCinf:平均値(CV%)t1/2:中央値(最小値、最大値)被験者数:25例(テノホビル アラフェナミドのt1/2及びAUCinfは24例)
16.1.2 成人HIV感染症患者における薬物動態
成人HIV感染症患者に本剤を反復経口投与した時の、ビクテグラビル、エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータを表16-2に示す(外国人のデータ)。
表16-2 ビクタルビ配合錠反復経口投与時のビクテグラビル、エムトリシタビン及びテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータa)
ビクテグラビルエムトリシタビンテノホビル アラフェナミド
Cmax(μg/mL)6.80(30.1)2.13(34.7)0.277(62.4)
AUCtau(μg・hr/mL)94.2(34.7)12.3(29.2)0.229(63.0)
Ctrough(μg/mL)2.26(47.3)b)0.096(37.4)c)NA
t1/2(hr)16.11(6.76,28.32)6.82(2.33,9.40)0.39(0.17,1.14)
Cmax、AUCtau及びCtrough:平均値(CV%)t1/2:中央値(最小値、最大値)NA:該当なしa)GS-US-380-1489、1490、1844及び1878試験で得られた77例のデータを用いた薬物動態解析(ビクテグラビル及びエムトリシタビンのCtroughを除く)b)GS-US-380-1489、1490、1844及び1878試験で得られた75例のデータを用いた薬物動態解析c)GS-US-380-1489、1490、1844及び1878試験で得られた74例のデータを用いた薬物動態解析
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
ビクテグラビルを高脂肪食摂取時に投与した場合、空腹時と比べて、AUCinf及びCmaxはそれぞれ約24%及び約13%上昇した。同様に、中脂肪食摂取時のビクテグラビルのAUCinf及びCmaxは、空腹時と比べて上昇した。
食事はエムトリシタビンのAUCinfに影響を及ぼさなかったが、高脂肪食摂取時に投与した場合、Cmaxは空腹時に比べて14%減少した。
テノホビル アラフェナミドを高脂肪食摂取時に投与した場合のAUCinfは、空腹時と比べて約67%上昇した。中脂肪食摂取時のAUCinfは空腹時と比べて約48%上昇したが、Cmaxは影響を受けなかった(外国人のデータ)。
16.3 分布
ビクテグラビル
In vitro試験において、ヒト血漿蛋白に対する結合率は99%を超えていた(遊離型の割合は約0.25%)。In vitroヒト血液/血漿中濃度比は0.64であった。
エムトリシタビン
In vitro試験において、ヒト血漿蛋白に対する結合率は4%未満であり、0.02~200μg/mLの範囲で濃度の影響を受けなかった。
テノホビル アラフェナミド
臨床試験で採取した検体におけるex vivoでのヒト血漿蛋白に対する結合率は約80%であった。
テノホビル
In vitro試験において、ヒト血漿蛋白に対する結合率は0.7%未満であり、0.01~25μg/mLの範囲で濃度の影響を受けなかった(外国人のデータ)。
16.4 代謝
ビクテグラビル
ヒトでは、代謝が主な消失経路であり、経口投与されたビクテグラビルの90%超が代謝により消失した。In vitro代謝酵素同定試験において、ビクテグラビルは主にCYP3A及びUGT1A1により代謝されることが示された。
エムトリシタビン
ヒトでは、エムトリシタビンの代謝は、3'-スルホキシドジアステレオマーを生成(投与量の約9%)するチオール部分の酸化と、2'-O-グルクロニドを生成(投与量の約4%)するグルクロン酸抱合から成ることが示された。
テノホビル アラフェナミド
ヒトでは、代謝が主な消失経路であり、経口投与されたテノホビル アラフェナミドの80%超が代謝により消失した。In vitro試験において、PBMC(リンパ球及びその他のHIVの標的細胞を含む)及びマクロファージのカテプシンA及び肝細胞のカルボキシルエステラーゼ1によりテノホビルに代謝された。In vivo試験において、細胞内でテノホビル(主要代謝物)に加水分解された後、活性代謝物であるテノホビル二リン酸へとリン酸化された。CYP分子種発現系酵素を用いたin vitro試験において、テノホビル アラフェナミドはCYP3Aでわずかに代謝された(外国人のデータ)。
16.5 排泄
ビクテグラビル
主に肝代謝により消失し、腎臓からの未変化体のわずかな排泄(投与量の約1%)は主要な経路ではない。14C標識ビクテグラビルを単回経口投与したとき、投与量の約60%が未変化体、デスフルオロ-ヒドロキシ-ビクテグラビル-システイン抱合体及びその他の微量の酸化代謝物として糞中から回収された。尿中回収率は35%であり、主な代謝物はビクテグラビルのグルクロン酸抱合体及びその他の微量の酸化代謝物、並びにそれらの第2相反応の抱合体であった。
エムトリシタビン
腎クリアランスが推定クレアチニンクリアランスを上回ったことから、糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方による排泄が示唆された。14C標識エムトリシタビンを投与したときの尿中(約86%)及び糞中(約14%)からの総回収率は100%であった。投与量の13%が3種の推定代謝物として尿中に回収された。
テノホビル アラフェナミド
テノホビルに代謝された後、排泄される。腎臓からの未変化体のわずかな排泄(投与量の約1%)は主要な経路ではない。テノホビルは腎臓での糸球体ろ過と尿細管への能動輸送の両方により排泄された。健康被験者に14C標識テノホビル アラフェナミドフマル酸塩を単回投与したとき、投与量の47.2%が糞中に、36.2%が尿中に排泄された。その主要代謝物はテノホビルであり、糞中の99%、尿中の86%を占めた。また、投与量の1.4%がテノホビル アラフェナミドとして尿中に排泄された(外国人のデータ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者における薬物動態
ビクテグラビル
中等度の肝機能障害を有する被験者のAUCinf及びCmaxは、肝機能正常被験者と比べてそれぞれ41.3%及び36.5%低下した。しかし、中等度肝機能障害被験者のビクテグラビルの血漿蛋白非結合型分率は、肝機能正常被験者と比べて高いため、遊離型ビクテグラビルのAUCinf及びCmaxは両群で同程度であった(最小二乗幾何平均値の比は77~83%)。重度の肝機能障害を有する被験者における薬物動態は検討していない。
エムトリシタビン
肝機能障害を有する被験者における薬物動態は検討していない。
テノホビル アラフェナミド
肝機能正常被験者と比べて、テノホビル アラフェナミドのAUCinf及びCmaxは、軽度の肝機能障害を有する被験者ではそれぞれ7.5%及び11.0%低下し、中等度の肝機能障害を有する被験者ではそれぞれ12.7%及び18.7%上昇した。テノホビルのAUCinf及びCmaxは、軽度の肝機能障害を有する被験者ではそれぞれ10.8%及び3.0%低下し、中等度の肝機能障害を有する被験者ではそれぞれ2.8%及び12.4%低下した。重度の肝機能障害を有する被験者では、テノホビル アラフェナミドの結合型及び非結合型の総AUCinf及びCmaxはそれぞれ46.0%及び54.9%低下し、テノホビルのAUCinf及びCmaxはそれぞれ36.9%及び10.1%低下した。蛋白結合率(重度の肝機能障害を有する被験者で37.8%、肝機能正常被験者で20.4%)で補正したとき、重度の肝機能障害を有する被験者における遊離型(非結合型)テノホビル アラフェナミドのAUCinf及びCmaxは、肝機能正常被験者と比べてそれぞれ5.6%及び17.8%低下した(外国人のデータ)。[9.3.1参照]
16.6.2 腎機能障害患者における薬物動態
ビクテグラビル
重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:15mL/分以上30mL/分未満)を有する被験者の血漿中ビクテグラビルの結合型及び非結合型の総AUCinf及びCmaxは、腎機能正常被験者と比べてそれぞれ27%及び20%低下した。重度の腎機能障害を有する被験者のビクテグラビルの血漿蛋白非結合型分率は、腎機能正常被験者と比べて高いため、遊離型ビクテグラビルのAUCinf及びCmaxは両群間で同程度であった。
エムトリシタビン
重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:30mL/分未満)を有する被験者のAUC及びCmaxは、クレアチニンクリアランスが80mL/分超の被験者と比べて、それぞれ約200%及び約30%上昇した。
テノホビル アラフェナミド
腎機能正常被験者と比べて、重度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス:15mL/分以上30mL/分未満)を有する被験者では、テノホビル アラフェナミドのAUCinf及びCmaxはそれぞれ1.9倍及び1.8倍上昇し、テノホビルのAUCinf及びCmaxは、それぞれ5.7倍及び2.8倍上昇した(外国人のデータ)。[7.2、8.3、9.2.1、11.1.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 非臨床における薬物相互作用試験
ビクテグラビル
ビクテグラビルはP-gp及びBCRPの基質であり、OCT2及びMATE1に対する阻害作用を示した。
エムトリシタビン
In vitroではOAT3の基質である。
テノホビル アラフェナミド
テノホビル アラフェナミドは、P-gp及びBCRPの基質である。[10.参照]
16.7.2 臨床における薬物相互作用試験
薬物相互作用試験の結果を、表16-3から表16-7に示す(外国人のデータ)。[10.2参照]
表16-3 併用薬投与時のビクテグラビルの薬物動態パラメータ比a
併用薬併用薬の用量ビクテグラビル例数他剤併用時/非併用時のビクテグラビルの薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
アタザナビル(食後)300mg+コビシスタット150mg
1日1回
75mg単回151.31(1.23,1.40)4.06(3.76,4.37)NA
アタザナビル(食後)400mg
1日1回
75mg単回151.28(1.23,1.33)4.15(3.81,4.51)NA
ダルナビル(食後)800mg+コビシスタット150mg
1日1回
75mg1日1回131.52(1.40,1.64)1.74(1.62,1.87)2.11(1.95,2.29)
レジパスビル・ソホスブビル(食後)90/400mg
1日1回
75mg1日1回b300.98(0.94,1.03)1.00(0.97,1.03)1.04(0.99,1.09)
リファブチン(空腹時)300mg
1日1回
75mg1日1回130.80(0.67,0.97)0.62(0.53,0.72)0.44(0.37,0.52)
リファンピシン(食後)600mg
1日1回
75mg単回150.72(0.67,0.78)0.25(0.22,0.27)NA
ソホスブビル・ベルパタスビル/voxilaprevir(食後)400mg/100mg/100mg+100mg
voxilaprevirc
1日1回
50mg1日1回b300.98(0.94,1.01)1.07(1.03,1.10)1.10(1.05,1.17)
ボリコナゾール(空腹時)300mg
1日2回
75mg単回151.09(0.96,1.23)1.61(1.41,1.84)NA
高用量制酸剤(本剤と同時投与/空腹時)20mLd
単回(経口)
50mg単回b140.20(0.16,0.24)0.21(0.18,0.26)NA
高用量制酸剤(本剤投与の2時間後/空腹時)20mLd
単回(経口)
50mg単回b130.93(0.88,1.00)0.87(0.81,0.93)NA
高用量制酸剤(本剤投与の2時間前/空腹時)20mLd
単回(経口)
50mg単回b130.42(0.33,0.52)0.48(0.38,0.59)NA
高用量制酸剤(本剤と同時投与/食後e20mLd
単回(経口)
50mg単回b140.51(0.43,0.62)0.53(0.44,0.64)NA
炭酸カルシウム(本剤と同時投与/空腹時)1200mg
単回
50mg単回b140.58(0.51,0.67)0.67(0.57,0.78)NA
炭酸カルシウム(本剤と同時投与/食後e1200mg
単回
50mg単回b140.90(0.78,1.03)1.03(0.89,1.20)NA
フマル酸第一鉄(本剤と同時投与/空腹時)324mg
単回
50mg単回b140.29(0.26,0.33)0.37(0.33,0.42)NA
フマル酸第一鉄(本剤と同時投与/食後e324mg
単回
50mg単回b140.75(0.65,0.87)0.84(0.74,0.95)NA
NA=該当なしa. いずれの相互作用試験も健康被験者を対象として実施した。b. ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いて試験を実施した。c. HCV感染症患者で予測されるvoxilaprevirの曝露量を達成するため、voxilaprevir100mgを追加増量して試験を実施した。d. 高用量制酸剤は、1mL中に水酸化アルミニウム80mg、水酸化マグネシウム80mg及びシメチコン8mgを含有する。e. 比較対照の投与は空腹時に行った。
表16-4 併用薬投与時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータ比a
併用薬併用薬の用量エムトリシタビン例数他剤併用時/非併用時のエムトリシタビンの薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
レジパスビル・ソホスブビル(食後)90mg/400mg
1日1回
200mg1日1回b300.99(0.94,1.05)0.99(0.95,1.02)1.03(0.99,1.07)
ソホスブビル・ベルパタスビル/voxilaprevir(食後)400mg/100mg/100mg+100mg voxilaprevirc
1日1回
200mg1日1回b300.89(0.83,0.94)0.95(0.93,0.97)1.10(1.05,1.16)
a. いずれの相互作用試験も健康被験者を対象として実施した。b. ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いて試験を実施した。c. HCV感染症患者で予測されるvoxilaprevirの曝露量を達成するため、voxilaprevir100mgを追加増量して試験を実施した。
表16-5 併用薬投与時のテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ比a
併用薬併用薬の用量テノホビル アラフェナミド例数他剤併用時/非併用時のテノホビル アラフェナミドの薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
カルバマゼピン300mg
1日2回
25mg単回b220.43(0.36,0.51)0.46(0.40,0.54)NA
レジパスビル・ソホスブビル(食後)90mg/400mg
1日1回
25mg1日1回c301.17(1.00,1.38)1.27(1.19,1.34)NA
ソホスブビル・ベルパタスビル/voxilaprevir(食後)400mg/100mg/100mg+100mg voxilaprevird
1日1回
25mg1日1回c301.28(1.09,1.51)1.57(1.44,1.71)NA
NA=該当なしa. いずれの相互作用試験も健康被験者を対象として実施した。b. エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いて試験を実施した。c. ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いて試験を実施した。d. HCV感染症患者で予測されるvoxilaprevirの曝露量を達成するため、voxilaprevir100mgを追加増量して試験を実施した。
表16-6 併用薬投与時のテノホビルの薬物動態パラメータ比a
併用薬併用薬の用量テノホビル アラフェナミド例数他剤併用時/非併用時のテノホビルの薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCCmin
カルバマゼピン300mg
1日2回
25mg単回b220.70(0.65,0.74)0.77(0.74,0.81)NA
レジパスビル・ソホスブビル(食後)90mg/400mg
1日1回
25mg1日1回c301.43(1.37,1.50)1.67(1.60,1.74)1.81(1.73,1.90)
ソホスブビル・ベルパタスビル/voxilaprevir(食後)400mg/100mg/100mg+100mg voxilaprevird
1日1回
25mg1日1回c301.51(1.45,1.58)1.67(1.62,1.73)1.74(1.68,1.80)
NA=該当なしa. いずれの相互作用試験も健康被験者を対象として実施した。b. エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いて試験を実施した。c. ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いて試験を実施した。d. HCV感染症患者で予測されるvoxilaprevirの曝露量を達成するため、voxilaprevir100mgを追加増量して試験を実施した。
表16-7 本剤の成分を投与時の併用薬の薬物動態パラメータ比a
併用薬併用薬の用量ビクテグラビルテノホビル アラフェナミド例数併用薬の薬物動態パラメータ比(90%信頼区間CI)
CmaxAUCCmin
レジパスビル90mg/400mg
1日1回
75mg1日1回c25mg1日1回c300.85(0.81,0.90)0.87(0.83,0.92)0.90(0.84,0.96)
ソホスブビル1.11(1.00,1.24)1.07(1.01,1.13)NA
GS-331007b,1.10(1.07,1.13)1.11(1.08,1.14)1.02(0.99,1.06)
メトホルミン500mg
1日2回
50mg1日1回c25mg1日1回c301.28(1.21,1.36)1.39(1.31,1.48)1.36(1.21,1.53)
ミダゾラム2mg
単回
50mg1日1回c25mg1日1回c141.03(0.87,1.23)1.15(1.00,1.31)NA
Norelgestrominnorgestimate0.180mg/0.215mg/0.250mg
1日1回
エチニルエストラジオール0.025mg
1日1回
75mg1日1回151.23(1.14,1.32)1.08(1.05,1.10)1.10(1.05,1.15)
ノルゲストレル1.15(1.10,1.21)1.13(1.07,1.19)1.14(1.06,1.22)
エチニルエストラジオール1.15(1.03,1.27)1.04(0.99,1.10)1.05(0.95,1.14)
Norelgestrominnorgestimate0.180mg/0.215mg/0.250mg
1日1回
エチニルエストラジオール0.025mg
1日1回
25mg1日1回d141.17(1.07,1.26)1.12(1.07,1.17)1.16(1.08,1.24)
ノルゲストレル1.10(1.02,1.18)1.09(1.01,1.18)1.11(1.03,1.20)
エチニルエストラジオール1.22(1.15,1.29)1.11(1.07,1.16)1.02(0.92,1.12)
セルトラリン50mg
単回
10mg1日1回e191.14(0.94,1.38)0.93(0.77,1.13)NA
ソホスブビル400mg/100mg/100mg+100mgf
1日1回
50mg1日1回c25mg1日1回c301.14(1.04,1.25)1.09(1.02,1.15)NA
GS-331007b,1.03(0.99,1.06)1.03(1.00,1.06)1.01(0.98,1.05)
ベルパタスビル0.96(0.91,1.01)0.96(0.90,1.02)0.94(0.88,1.01)
Voxilaprevir0.90(0.76,1.06)0.91(0.80,1.03)0.97(0.88,1.06)
NA=該当なしa. いずれの相互作用試験も健康被験者を対象として実施した。b. 循環血液中のソホスブビルの主要ヌクレオシド代謝物c. ビクテグラビルナトリウム・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いて試験を実施した。d. エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いて試験を実施した。e. エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩配合剤を用いて試験を実施した。f. HCV感染症患者で予測されるvoxilaprevirの曝露量を達成するため、voxilaprevir100mgを追加増量して試験を実施した。

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リファンピシン
(リファジン)
[2.2参照]
ビクテグラビルの血漿中濃度が低下するため、本剤の効果が減弱し、本剤に対する耐性が発現する可能性があることから、併用しないこと。また、テノホビル アラフェナミドの血漿中濃度も低下する可能性がある。リファンピシンのCYP3A、UGT1A1及びP-gpの誘導作用によるため。
カルバマゼピン
(テグレトール)
フェノバルビタール
(フェノバール)
フェニトイン
(アレビアチン)
ホスフェニトイン
(ホストイン)
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[2.2参照]
ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血漿中濃度が低下するため、本剤の効果が減弱し、本剤に対する耐性が発現する可能性がある。これらの薬剤のCYP3A及びP-gpの誘導作用によるため。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ピルシカイニドピルシカイニドの血漿中濃度が上昇するため、ピルシカイニドの重大な副作用として報告された心室性頻脈、洞停止及び心室細動等が発現又は増悪する可能性がある。ビクテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用により、ピルシカイニドの排出が阻害される可能性がある。
ピルシカイニドの治療域が狭いため。
リファブチンビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血漿中濃度が低下するため、本剤の効果が減弱し、本剤に対する耐性が発現する可能性がある。これらの薬剤のCYP3A及びP-gpの誘導作用によるため。
アタザナビルビクテグラビルの血漿中濃度が上昇する。アタザナビルのCYP3A及びUGT1A1の阻害作用によるため。
制酸剤
マグネシウム
アルミニウム
[16.7.2参照]
ビクテグラビルの血漿中濃度が低下するため、本剤はこれらの製剤の投与2時間以上前の投与が推奨される。ビクテグラビルが多価陽イオンと錯体(キレート)を形成し吸収が抑制されるため。
鉄剤、カルシウム含有製剤(サプリメント等)
[16.7.2参照]
ビクテグラビルの血漿中濃度が低下するため、これらの製剤を併用する場合は、食後に本剤を投与することが推奨される。ビクテグラビルが多価陽イオンと錯体(キレート)を形成し吸収が抑制されるため。
メトホルミン
[16.7.2参照]
メトホルミンの血漿中濃度が上昇する。注意深く観察し、必要に応じてメトホルミンを減量する等慎重に投与すること。ビクテグラビルのOCT2及びMATE1の阻害作用によるため。
アシクロビル
バラシクロビル塩酸塩
バルガンシクロビル塩酸塩
これらの薬剤、テノホビル又はエムトリシタビンの血漿中濃度が上昇し、これらの薬剤又は本剤による有害事象を増強する可能性がある。排泄経路の競合によるため。
腎毒性を有する薬剤
[8.3、11.1.1参照]
これらの薬剤との併用は避けることが望ましい。テノホビル及びエムトリシタビンは主に腎臓での糸球体ろ過と尿細管への能動輸送により排泄されるため。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 腎不全又は重度の腎機能障害(頻度不明)
腎機能不全、腎不全、急性腎障害、近位腎尿細管機能障害、ファンコニー症候群、急性腎尿細管壊死、腎性尿崩症又は腎炎等の重度の腎機能障害があらわれることがあるので、臨床検査値に異常が認められた場合には、投与を中止する等、適切な処置を行うこと。特に腎機能障害の既往がある患者や腎毒性のある薬剤が投与されている患者では注意すること。[7.2、8.3、9.2.1、10.2、16.6.2参照]
11.1.2 乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)(頻度不明)
乳酸アシドーシス又は肝細胞毒性が疑われる臨床症状又は検査値異常(アミノトランスフェラーゼの急激な上昇等)が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。特に肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。エムトリシタビン又はテノホビルを含む核酸系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス及び脂肪沈着による重度の肝腫大(脂肪肝)が多く報告されている。[9.3.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2%以上0.3%以上2%未満頻度不明
心臓障害動悸
神経系障害頭痛、浮動性めまい傾眠
胃腸障害悪心、下痢便秘、腹部膨満、嘔吐、腹痛、鼓腸、消化不良、腹部不快感、軟便
腎及び尿路障害頻尿
皮膚及び皮下組織障害寝汗、脱毛症、そう痒症、発疹血管性浮腫、蕁麻疹
筋骨格系及び結合組織障害関節痛
代謝及び栄養障害食欲減退体脂肪の再分布/蓄積
血管障害ほてり
一般・全身障害及び投与部位の状態疲労倦怠感
免疫系障害免疫再構築炎症反応症候群
精神障害不眠症、異常な夢、睡眠障害、抑うつ気分、悪夢、リビドー減退
臨床検査腎クレアチニンクリアランス減少
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