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ラスビック錠75mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • <適応菌種>

    • 本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス、クレブシエラ属、エンテロバクター属、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、プレボテラ属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
  • <適応症>

    • 咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、中耳炎、副鼻腔炎

用法・用量

  • 通常、成人には、ラスクフロキサシンとして1回75mgを1日1回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又は他のキノロン系抗菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]
  • 2.3 小児等[9.7参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
痙攣を起こすおそれがある。[11.1.10参照]
9.1.2 重篤な心疾患(不整脈、虚血性心疾患等)のある患者
QT延長を起こすおそれがある。[11.1.4参照]
9.1.3 重症筋無力症の患者
症状を悪化させるおそれがある。[11.1.12参照]
9.1.4 大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者
必要に応じて画像検査の実施を考慮すること。海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌剤投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。[8.2、11.1.13参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者
血漿中濃度上昇のおそれがある。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されており、器官形成期に本剤を経口投与した群の胎児に発育遅延及び骨格異常(肋骨の短小)が認められている。[2.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。
9.7 小児等
投与しないこと。動物実験(若齢イヌ)で関節軟骨障害が認められている。[2.3参照]
9.8 高齢者
9.8.1 腱障害があらわれやすいとの報告がある。[11.1.7参照]
9.8.2 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。本剤の臨床試験成績では、高齢者(65~88歳)において認められた副作用の種類及びその発現率は、非高齢者(16~64歳)と同様であった。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.2 大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。[9.1.4、11.1.13参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

5.効能又は効果に関連する注意

<咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍を含む)、急性気管支炎、副鼻腔炎>
「抗微生物薬適正使用の手引き」を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人24例にラスクフロキサシン75mgを空腹時単回経口投与したときの、血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは図1及び表1のとおりであった。
図1 単回経口投与後の血漿中ラスクフロキサシン濃度推移
表1 単回経口投与後のラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
投与量Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUCinf(μg・hr/mL)
75mg0.592±0.1622.48±1.0913.9±1.3510.2±2.02
(24例 平均値±標準偏差)
16.1.2 反復投与
(1)健康成人
健康成人6例にラスクフロキサシン75mgを1日1回7日間空腹時反復経口投与したときの薬物動態パラメータは表2のとおりであった。
表2 反復経口投与後のラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
投与量投与日Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUCt(μg・hr/mL)
75mg1日目0.609±0.1251.67±1.2111.3±0.9936.63±0.560
7日目0.998±0.1741.50±0.54816.2±1.0213.0±1.73
(6例 平均値±標準偏差)
(2)患者血中濃度
母集団薬物動態モデルから予測した、感染症患者にラスクフロキサシン75mgを1日1回反復投与したときの投与終了時の薬物動態パラメータは表3のとおりであった。
表3 ラスクフロキサシン最終投与時の患者での薬物動態パラメータ
疾患名例数Ctrough(μg/mL)Cmax(μg/mL)AUC0-24(μg・hr/mL)
呼吸器感染症2500.303±0.1131.056±0.30315.12±4.58
耳鼻咽喉科領域感染症2090.295±0.1080.859±0.23913.11±3.87
(平均値±標準偏差)
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
ラスクフロキサシン1~10μg/mLのin vitroでのヒト血漿蛋白結合率は71.2%~74.0%であった。
16.3.2 組織移行性
健康成人30例(各時間6例)にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与後1~24時間での対血漿中濃度比は、肺胞上皮被覆液で平均15.0~22.4、肺胞マクロファージで平均18.5~56.4であった。
呼吸器感染症患者36例にラスクフロキサシン75mgを経口投与後1~3時間での対血漿中濃度比は喀痰で0.613±0.289(平均値±標準偏差)であった。
耳鼻咽喉組織摘出術施行患者(各組織5例)にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与後1~2時間での対血漿中濃度比(平均値±標準偏差)は、副鼻腔粘膜2.12±1.11、中耳粘膜2.04±1.83、口蓋扁桃組織2.76±0.784であった。
16.4 代謝
In vitroにおいてラスクフロキサシンはCYP3A4により脱シクロプロピル体に代謝された。
健康成人にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、血漿中には主に未変化体が検出され、その他に脱シクロプロピル体が検出された。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、投与後144時間までの未変化体の排泄率は、尿中に8.38%、糞中に16.0%であった。未変化体と脱シクロプロピル体の排泄率の合計は、尿中に39.9%、糞中に24.9%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害者にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表4のとおりであった。
表4 腎機能障害者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
腎機能障害の程度
(Ccr:mL/min)
例数Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUCinf(μg・hr/mL)
正常
(90≦Ccr)
60.868±0.2091.17±0.40816.8±2.5414.7±2.65
軽度
(60≦Ccr<90)
60.918±0.1781.17±0.40816.0±2.2616.8±2.22
中等度
(30≦Ccr<60)
40.615±0.1172.25±1.2617.2±1.8412.3±2.03
高度
(15≦Ccr<30)
60.615±0.06811.00±017.9±2.6411.8±1.61
(平均値±標準偏差)
16.6.2 肝機能障害者
肝機能障害が軽度及び中等度の被験者にラスクフロキサシン75mgを単回経口投与したとき、血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表5のとおりであった。[9.3.1参照]
表5 肝機能障害者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
肝機能障害の程度
(Child-Pugh分類スコア)
例数Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUCinf(μg・hr/mL)
軽度
(5~6)
110.862±0.1901.31±0.52215.5±3.4314.4±5.23
中等度
(7~9)
20.734,1.320.967,1.0319.6,23.412.4,25.3
(軽度:平均値±標準偏差、中等度:個別値)
16.6.3 高齢者
高齢者(6例:66~79歳)及び非高齢者(6例:32~36歳)にラスクフロキサシン200mgを単回経口投与したときの血漿中ラスクフロキサシンの薬物動態パラメータは表6のとおりであった。
表6 高齢者でのラスクフロキサシンの薬物動態パラメータ
例数Cmax(μg/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)AUCinf(μg・hr/mL)
高齢者62.16±0.4381.75±0.75816.6±2.6733.8±5.11
非高齢者61.50±0.2472.50±1.0515.6±2.3930.2±4.23
(平均値±標準偏差)
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験成績
ヒト肝ミクロソームを用いてCYP分子種の代謝活性に対するラスクフロキサシンの阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはCYP3A4及びCYP2C8を時間依存的に阻害した。ヒト凍結肝細胞を用いてCYP分子種に対するラスクフロキサシンの誘導能を検討したところ、CYP1A2及びCYP3A4に対する誘導作用が認められた。
また、各種トランスポータ発現細胞を用いてラスクフロキサシンの基質性を検討したところ、ラスクフロキサシンはP-糖タンパクの基質であった。同様にラスクフロキサシンの各種トランスポータに対する阻害効果を検討したところ、ラスクフロキサシンはMATE1及びMATE2-K発現細胞の基質輸送を阻害した。[10.参照]
16.7.2 臨床試験成績
(1)制酸剤との併用
健康成人9例に乾燥水酸化アルミニウムゲル(1075.2mg)・水酸化マグネシウム(960mg)の配合剤とラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastはそれぞれ0.513倍及び0.681倍に減少した。[10.2参照]
(2)ファモチジンとの併用
健康成人9例にファモチジン20mgとラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
(3)イトラコナゾールとの併用
健康成人5例にイトラコナゾール200mgとラスクフロキサシン75mgを併用投与したとき、ラスクフロキサシンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.16倍及び1.46倍に増加した。
(4)フェロジピンとの併用
健康成人12例にフェロジピン2.5mgとラスクフロキサシン200mgを併用投与したとき、フェロジピンのCmax及びAUClastはそれぞれ1.15倍及び1.62倍に増加した。
(5)テオフィリンとの併用
健康成人6例にテオフィリン200mgとラスクフロキサシン150mgを併用投与したとき、テオフィリンのCmax及びAUC0-10はそれぞれ1.17倍及び1.18倍に増加した。[10.2参照]
(6)モンテルカストとの併用
健康成人10例にモンテルカスト5mgとラスクフロキサシン150mgを併用投与したとき、モンテルカストのCmax及びAUClastはそれぞれ1.41倍及び1.94倍に増加した。
(7)メトホルミンとの併用
健康成人8例にメトホルミン250mgとラスクフロキサシン150mgを併用投与したとき、メトホルミンのCmax及びAUClastに変化はなかった。
※承認された用量は75mgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アルミニウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜鉛を含有する製剤
制酸剤
ミネラル入りビタミン剤等
[16.7.2参照]
本剤の効果が減弱されるおそれがあるので、本剤と同時に服用させないこと。これらの金属イオンを含む薬剤と難溶性のキレートを形成し、本剤の吸収が阻害されると考えられている。
フェニル酢酸系、プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤
フルルビプロフェン等
痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている。
リファンピシン
フェニトイン
カルバマゼピン
本剤の作用が減弱する可能性がある。CYP3A4を誘導する薬物と併用することにより本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
テオフィリン
アミノフィリン水和物
[16.7.2参照]
テオフィリンの作用を増強させるおそれがあるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行うこと。機序は不明であるが、本剤との併用によりテオフィリンの血中濃度が上昇する。
クラスIA抗不整脈薬
キニジン、プロカインアミド等
クラスIII抗不整脈薬
アミオダロン、ソタロール等
QT延長を起こすおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤)
プレドニゾロン
ヒドロコルチゾン等
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。機序不明。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
呼吸困難、血圧低下、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 白血球減少症(0.2%)
11.1.3 間質性肺炎(0.2%)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.4 QT延長、心室頻拍(Torsade de pointesを含む)(いずれも頻度不明)[9.1.2参照]
11.1.5 低血糖(頻度不明)
11.1.6 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
腹痛、頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.7 アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明)
腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.8.1参照]
11.1.8 肝機能障害(頻度不明)
肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)があらわれるおそれがある。
11.1.9 横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれるおそれがある。
11.1.10 痙攣(頻度不明)[9.1.1参照]
11.1.11 錯乱、せん妄等の精神症状(頻度不明)
11.1.12 重症筋無力症の悪化(頻度不明)[9.1.3参照]
11.1.13 大動脈瘤、大動脈解離(いずれも頻度不明)[8.2、9.1.4参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

0.5~2%未満0.5%未満
消化器下痢悪心
血液好酸球数増加、白血球数減少
皮膚そう痒症、発疹
肝臓ALT上昇、γ-GTP上昇AST上昇
その他頭痛、血中インスリン増加、尿中蛋白陽性
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