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ブリニューラ脳室内注射液150mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • セロイドリポフスチン症2型

用法・用量

  • 通常、セルリポナーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、300mgを2週間に1回、脳室内投与する。なお、患者の状態、年齢に応じて適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 アナフィラキシーが発現することがあるので、緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。[11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 脳室腹腔シャント又は脳室心房シャントを実施中の患者[脳内における本剤の曝露量が減少し有効性が期待できない。医療機器関連合併症が生じるリスクがある。]
  • 2.2 脳室アクセスデバイスからの漏出、医療機器不具合、医療機器関連感染症の急性徴候が認められる患者[有効性の低下と感染合併症が生じるリスクがある。][8.1、14.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 徐脈、伝導障害、器質的心疾患の既往がある患者
伝導障害や器質的心疾患の発現に注意すること。[8.3参照]
9.5 妊婦
治療上の有益性が危険性を上回ると判断する場合にのみ投与する。妊娠女性は臨床試験では除外されている。本剤を使用した動物による生殖発生毒性試験は実施されていない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
2歳未満の患者では、投与量を減量し慎重に投与すること。1歳未満の患者の投与経験はない。[7.1参照]

8.重要な基本的注意

8.1 医療機器関連の合併症として、髄膜炎を含む感染症、脳室アクセスデバイスからの漏出、医療機器の不具合等がおこることがあるので、以下の点に注意すること。
・脳室アクセスデバイスからの漏出、医療機器の不具合等に対する適切な対応をとれるよう体制を整えておくこと。
・感染リスクを低減するため、本剤の投与は無菌的操作により行うこと。
・本剤の投与前に、毎回、脳室アクセスデバイスからの漏出、医療機器の不具合又は感染症の兆候の有無を確認するために、植込み部分の皮膚に異常がないか確認すること。なお、脳室アクセスデバイスからの漏出又医療機器の不具合の一般的な徴候として、頭皮の腫脹・紅斑、体液溢出、頭皮周囲や脳室アクセスデバイス上部の膨隆などがある。[2.2、14.2参照]
・本剤の投与前に、毎回、脳脊髄液を吸引し、脳室アクセスデバイスの開存性を確認すること。医療機器関連感染症は無症候性の場合があるため、定期的に脳脊髄液検体を検査すること。[2.2、14.4.2参照]
・医療機器関連合併症が認められた場合は本剤の投与は行わず、適切な処置を行うこと。医療機器の不具合等については、各医療機器の添付文書も参照すること。[2.2参照]
・髄膜炎が認められた場合は、抗生物質の投与、脳室アクセスデバイスの交換を検討すること。
・脳室アクセスデバイスは長期間の使用によって材質劣化を起こすことが繰返し穿刺試験や臨床試験で確認されているため、本剤投与が4年間継続される前に脳室アクセスデバイスの交換を検討すること。
8.2 アナフィラキシーを含む過敏症反応が発現する可能性があるため、以下の点に注意すること。[11.1.1参照]
・適切な薬物治療や緊急処置が行えるよう準備しておくこと。
・投与中及び投与後は、観察を十分に行うこと。
・アナフィラキシーが発現した場合は、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
・アナフィラキシーを含む過敏症反応が発現した後の本剤の再投与については、有益性と危険性を考慮して決定すること。再投与が必要な場合は、投与速度を約半分に下げて、忍容性を確認しながら投与すること。
8.3 本剤との関連性は明らかではないが、本剤投与時に徐脈、低血圧等が認められているため、以下の点に注意すること。[9.1.1参照]
・本剤の各投与にあたっては、投与の前後、また投与中は定期的に、バイタルサイン(血圧、心拍数)を確認すること。特に、徐脈、伝導障害、器質的心疾患の既往がある患者では、投与中はバイタルサインに加えて心電図の確認も行うこと。
また、投与後には、患者の状態も確認し、異常が認められた場合、観察を継続するなど適切な処置を行うこと。
・本剤による治療中は、6カ月を目安に12誘導心電図による評価を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 全般的な注意
本剤の詳細な使用方法は、投与ガイドを確認すること。
14.2 薬剤適用に関する注意
脳室アクセスデバイスからの漏出、医療機器の不具合又は感染症の兆候がないか頭皮を確認すること。これらの兆候が認められる場合には、本剤を投与しないこと。[2.2、8.1参照]
14.3 薬剤調製時の注意
14.3.1 本剤及びフラッシュ溶液の解凍
(1)本剤及びフラッシュ溶液は、室温で約60分かけて解凍する。バイアルを振盪しないこと。
(2)解凍後の本剤及びフラッシュ溶液は、直ちに使用すること。直ちに使用できない場合は、未開封バイアルを2~8℃で保管し、24時間以内に使用すること。
14.3.2 解凍した本剤バイアル及びフラッシュ溶液バイアルの確認
完全に解凍した本剤バイアル及びフラッシュ溶液バイアルの状態を確認し、溶液に変色や異物粒子の混入が認められる場合は、使用しないこと。なお、本剤は、無色~微黄色、澄明~僅かに乳白色である。セルリポナーゼ アルファが凝集した半透明の細い繊維や不透明の粒子を含む場合があるが、0.2μmフィルターで除去され、本剤の品質に影響はない。フラッシュ溶液は、無色澄明である。
14.4 薬剤投与時の注意
14.4.1 全般的な注意
(1)本剤及びフラッシュ溶液の投与は無菌的操作により行うこと。
(2)本剤及びフラッシュ溶液は外科的に留置した脳室アクセスデバイス(リザーバー及びカテーテル)を含む脳室内投与システムを用いて投与する(図1)。脳室アクセスデバイス、注入ポンプ及びチューブ等の医療機器の添付文書、取扱説明書等を熟読し、これらの注意に適切に対応すること。
図1 脳室内投与システムの例
(3)脳室内投与システムに用いる医療機器は、本剤及びフラッシュ溶液との適合性の確認されたものを用いること。
(4)誤投与防止のために、本剤投与用シリンジ、フラッシュ溶液投与用シリンジ及び投与セット又は延長ラインに、「ブリニューラ脳室内注射液150mg」、「フラッシュ溶液」及び「脳室内投与のみ」と記載されたラベルをそれぞれ貼付すること。
(5)本剤及びフラッシュ溶液は希釈や他の医薬品との混合はしないこと。
(6)本剤及びフラッシュ溶液は注入ポンプで投与し、ボーラス又は手動で投与しないこと。
(7)注入ポンプは、閉塞を検知するために、アラーム音(閉塞アラーム)を設定して用いること。
(8)本剤を投与中は定期的に、漏出又は投与不具合の徴候がないか、脳室内投与システムを確認すること。
14.4.2 本剤の投与
(1)シリンジに本剤を必要量(1回投与量が300mgの場合10mL、200mgの場合6.7mL、150mgの場合5mL、100mgの場合3.3mL)抜き取る。
(2)本剤を充填したシリンジを0.2μmフィルター付き投与セットに接続し、本剤で充填する。また、投与セットは延長ラインと接続することも可能である。
(3)ポート針を脳室アクセスデバイスに挿入する。
(4)空のシリンジ(3mL以下)をポート針に接続し、脳脊髄液を0.5~1mL吸引し、脳室アクセスデバイスの開存性の確認及び感染症に関する検査を行うこと。なお、吸引した脳脊髄液を脳室アクセスデバイスに戻さないこと。[8.1参照]
(5)投与セットをポート針に取り付ける。
(6)本剤を充填したシリンジを注入ポンプに設置し、本剤を2.5mL/時間の速度で投与する。
14.4.3 フラッシュ溶液の投与[7.6参照]
(1)脳室アクセスデバイスを含む全投与機器の充填量を合算して、脳室へ本剤を完全に投与するのに必要なフラッシュ溶液量を決定する。
(2)本剤の投与完了後、フラッシュ溶液バイアルから必要量をシリンジにとる。0.2μmフィルター付き投与セット又は投与セットにつないだ延長ラインに、シリンジを接続する。
(3)フラッシュ溶液を充填したシリンジを注入ポンプに設置し、フラッシュ溶液を2.5mL/時間の速度で投与する。
(4)投与完了後、空になったシリンジを投与セット(又は延長ライン)から外す。
(5)ポート針を外す。投与部位を適切に処置する。

7.用法・用量に関連する注意

7.1 2歳未満の患者では、下表を参考に減量すること。[9.7参照]
年齢1回投与量
出生~生後6カ月未満100mg
生後6カ月~1歳未満150mg
1歳~2歳未満初めの4回目までの投与量:200mg
5回目以降の投与量:300mg
7.2 通常、注入ポンプを用いて2.5mL/時間の速度で投与するが、患者の状態に応じて、投与速度を下げて投与すること。
7.3 本剤は、脳室内投与の知識、経験がある医師が投与すること。
7.4 本剤の投与によりアナフィラキシーを含む過敏症反応が発現することがある。症状を軽減させるため、患者の状態を考慮した上で、抗ヒスタミン剤を単独又は解熱鎮痛剤との併用で本剤投与開始30~60分前に前投与すること。[11.1.1参照]
7.5 本剤投与中に、頭痛、悪心、嘔吐、精神状態の変化等の症状により投与中の頭蓋内圧が上昇していると判断される場合、投与の中断、投与速度を下げる等の適切な処置を行うこと。
7.6 本剤投与後、脳室アクセスデバイスを含む投与機器内の残存薬液を投与して脳室アクセスデバイスの開存性を維持するため、必要量を計算したフラッシュ溶液で脳室アクセスデバイスを含む投与機器内をフラッシュすること。[14.4.3参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
セロイドリポフスチン症2型患者を対象に、本剤300mgを2.5mL/時間の速度で2週間に1回反復脳室内投与したときの脳脊髄液及び血漿における薬物動態パラメータは以下のとおりであり、反復投与による明らかな蓄積性は認められなかった(外国人データ)。
測定対象測定時点例数Cmax(μg/mL)AUC0-t(μg・h/mL)tmax(h)t1/2(h)CL(mL/h)Vz(mL)
脳脊髄液1日目131430±10409450±46304.50[4.25,5.75]7.74±3.0240.8±22.2480±460
4週目注1)141770±98013000±51704.25[3.83,4.50]7.10±1.6926.8±12.7261±106
13週目注2)131500±38211700±36404.25[4.00,4.50]7.34±1.6827.8±8.13289±92.2
血漿1日目121.43±1.0825.9±23.212.0[4.25,24.5]
4週目注1)122.40±1.3040.9±24.312.0[7.50,24.2]
13週目注2)91.08±0.96417.0±17.512.3[4.25,75.9]
平均値±標準偏差、tmax:中央値[範囲]、本剤投与開始時からの最高濃度到達時間注1)投与3回目、注2)投与7回目
16.3 分布
サルに本薬14mgを単回脳室内投与したときの中枢神経系における本薬の活性体の半減期は、ほとんどの組織部位で3~15日の範囲であった。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(頻度不明)[1.1、7.4、8.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上0.1%以上10%未満
免疫系障害過敏症(38%)
神経系障害痙攣(38%)
てんかん
全身性強直性間代性発作
頭痛
ミオクローヌス
髄液細胞増加症
胃腸障害嘔吐(25%)
全身障害及び投与部位の状態発熱(46%)びくびく感
その他医療機器の問題
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