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ジアゾキシドカプセル25mg「OP」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 高インスリン血性低血糖症

用法・用量

対象1日投与量(ジアゾキシドとして)用法
投与開始時1日投与量
1歳未満の乳児5~10mg/kg8~15mg/kg2、3回に分割し、8あるいは12時間ごとに経口投与する。
1歳以上の幼小児及び成人3~5mg/kg3~8mg/kg
  • なお、いずれの場合も、血糖値に応じて適宜増減するが、1日最大投与量は20mg/kgまでとする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分又はチアジド系利尿剤に対して過敏症の既往のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 心予備能が低下している患者
うっ血性心不全があらわれることがある。[11.1.1参照]
9.1.2 高尿酸血症・痛風又はその既往歴のある患者
血中尿酸値の上昇により症状が悪化するおそれがある。
9.2 腎機能障害患者
投与量の減量を考慮するとともに、血清電解質をモニタリングすること。本剤の血漿中半減期が延長する可能性があり、副作用が強くあらわれることがある。また本剤は抗利尿作用がある。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
動物実験(ラット及びウサギ)で、分娩遅延、吸収胚数の増加及び奇形が報告されている。また、動物実験において、本剤が胎盤を通過し、胎児の膵臓β細胞で変性を認めたとの報告がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
非臨床試験等のデータがなく、ヒトで哺乳中の児における影響は不明である。
9.7 小児等
観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。心嚢液貯留及び肺高血圧症があらわれることがある。また、新生児で壊死性腸炎があらわれることがある。[11.1.1、11.1.5、11.1.6参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤による治療の開始にあたっては患者を臨床的に注意深く観察し、投与開始後は患者の状態が十分に安定するまで、臨床症状及び血糖値を慎重にモニタリングすること。通常は投与開始後数日で血中濃度が定常状態となり血糖値が安定する。[16.1.1参照]
8.2 2~3週間治療を続けても効果が認められない場合には、投与を中止すること。
8.3 本剤による治療により低血糖症が改善し、その後再燃を認めない場合は、一過性高インスリン血性低血糖症の可能性があるので、本剤による治療の中止を考慮すること。
8.4 本剤を長期的に投与する場合は、血糖、尿糖及び尿ケトン値を定期的に検査すること。
8.5 血小板減少等の報告があるため、本剤を投与する場合は、造血系に及ぼす影響に留意すること。また血液検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の用量は、患者の低血糖状態の重症度、血糖値及び臨床症状に基づき、最も少ない用量で効果が認められるよう、個別に調整すること。
7.2 乳幼児においては、正確な用量を投与するよう特に注意すること。[16.6.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は、日本小児内分泌学会の診断と治療ガイドライン等を参考に、高インスリン血性低血糖症と確定診断が行われた場合にのみ投与すること。
5.2 重症低血糖によって引き起こされる中枢神経症状に対する有効性は認められていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性(4例)にそれぞれ本剤300~320mg(溶液・カプセル)を単回経口投与したときのTmaxは3~6時間、消失半減期は23~36時間であった(外国人データ)。[8.1参照]
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
吸収に及ぼす食事の影響を直接検討したデータはない。
16.3 分布
健康成人10例の血漿蛋白結合率は91.9±0.91%、新生児臍帯血9例の血漿蛋白結合率は87.7±1.58であった(外国人データ)。
16.4 代謝
ジアゾキシドは代謝を受けて、3位メチル基の水酸化体(M-1)とそれに続く硫酸抱合体または3位カルボン酸体(M-2)を生成すると推定された。
16.5 排泄
本薬及び代謝物のヒトにおける主排泄経路は尿中排泄である。
健康成人男性1例に[14C]ジアゾキシド320mg(溶液)を単回投与したとき、投与後9日間における累積尿中放射能排泄率は92%であり、投与後5日間における糞中放射能排泄率は2%に過ぎなかった。一方、別の健康成人男性1例に[14C]ジアゾキシド300mg(カプセル)を単回投与したとき、投与後6日間における累積尿中放射能排泄率は85%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
半減期が延長する可能性がある。[9.2参照]
16.6.2 小児等
小児低血糖症患者(4例、4ヵ月齢~6歳)に長期経口投与したときの消失半減期は9.5~24時間であった(外国人データ)。
小児患者の有効血漿中濃度は15~50μg/mLと推定され、このレベルを維持するための1日あたりの投与量は5~19mg/kgであると考えられる(外国人データ)。[7.2参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フェニトインフェニトインの痙攣抑制効果を減弱させるとの報告があるので、併用する場合はフェニトインの血中濃度を測定し、適宜増減すること。機序不明。
チアジド系利尿剤
トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等
ループ利尿剤
フロセミド等
本剤の血糖上昇作用及び血中尿酸上昇作用が増強するおそれがある。機序は明確ではないが、チアジド系利尿剤によるカリウム喪失により膵臓のβ細胞のインスリン放出が低下すると考えられている。また、これらの薬剤は尿酸排泄抑制作用を有する。
インスリン本剤の血糖上昇作用が減弱することがある。これらの薬剤は血糖降下作用を有する。
α遮断薬
ドキサゾシンメシル酸塩、ウラピジル、ブナゾシン塩酸塩等
ノルアドレナリン
本剤の血糖上昇作用が減弱することがある。機序不明。
降圧剤
ロサルタンカリウム、カプトプリル、アムロジピンベシル酸塩等
降圧剤の降圧作用が増強することがある。本剤は降圧作用を有する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な体液貯留、うっ血性心不全、心嚢液貯留(いずれも頻度不明)
重篤なナトリウム貯留、体液貯留、うっ血性心不全及び心嚢液貯留があらわれることがある。異常が認められた場合には投与を中止し、利尿剤を投与するなど、適切な処置を行うこと。[9.1.1、9.7参照]
11.1.2 ケトアシドーシス、高浸透圧性昏睡(頻度不明)
高血糖、尿糖等の異常が認められた場合は減量すること。[13.1参照]
11.1.3 急性膵炎、膵壊死(頻度不明)
腹痛、血清アミラーゼ値の上昇等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.4 血小板減少(頻度不明)[8.5参照]
11.1.5 肺高血圧症(頻度不明)
肺高血圧症があらわれることがあり、新生児から小児で発症した例が報告されている。呼吸困難、チアノーゼ、易疲労感、失神、末梢性浮腫、胸痛等の症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.7参照]
11.1.6 壊死性腸炎(頻度不明)
新生児で壊死性腸炎があらわれることがある。嘔吐、腹部膨満、下痢、血便等の症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[9.7参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

頻度不明
全身症状発熱、倦怠感
精神神経系頭痛、不安、めまい、不眠
血液白血球数減少、好中球減少、好酸球増多、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、出血傾向、リンパ節症
肝臓AST上昇、ALP上昇
腎臓BUN上昇、クレアチニンクリアランス低下、ネフローゼ症候群、尿量減少、血尿、アルブミン尿
循環器頻脈、動悸、低血圧、高血圧、胸痛
消化器食欲不振、悪心、嘔吐、腹痛、イレウス、下痢、味覚消失
皮膚多毛症、発疹、そう痒、皮膚カンジダ症、脱毛
神経・筋脱力、多発性神経炎、錯感覚、錐体外路症状
白内障、結膜下出血、視覚異常、霧視、複視、流涙
その他尿酸増加、IgG減少、単純疱疹、骨年齢促進、痛風、乳汁漏出、乳房腫瘤増大
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