薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
リファブチン [16.7.2参照] | 治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き、リファブチンとの併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、真菌症の発症の有無、全血球数の推移及びリファブチンの血漿中濃度上昇に伴う副作用(ぶどう膜炎等)を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。 | リファブチンの併用により、ポサコナゾールのクリアランスが亢進し、ポサコナゾールの血漿中濃度が低下する。ポサコナゾールが基質となるUGT1A4及び/又はP-gpに対するリファブチンの誘導作用が関与している可能性がある。 ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、リファブチンの血漿中濃度が上昇する。 |
フェニトイン [16.7.2参照] | 治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き、フェニトインとの併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、真菌症の発症の有無を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。 | フェニトインの併用により、ポサコナゾールのクリアランスが亢進し、ポサコナゾールの血漿中濃度が低下する。ポサコナゾールが基質となるUGT1A4及び/又はP-gpに対するフェニトインの誘導作用が関与している可能性がある。 |
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤 ビンクリスチン ビンブラスチン等 | 神経毒性、痙攣発作、末梢性ニューロパチー、抗利尿ホルモン不適合分泌症候群、麻痺性イレウス等の重篤な副作用を引き起こすおそれがある。ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤の投与を受けている患者は、他の抗真菌剤を使用できない場合を除き、ポサコナゾールを含むアゾール系抗真菌剤の併用を避けること。 | ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。 |
ベネトクラクス[再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病] | 併用する場合は、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、ベネトクラクスに関連した副作用発現に十分に注意すること。 | ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。 |
免疫抑制剤 シクロスポリン タクロリムス シロリムス [16.7.2参照] | 併用する場合は、これらの薬剤を減量することを考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分に注意すること。併用中及び中止時には、これらの薬剤の血中濃度をモニタリングし、これらの薬剤の用量を調節すること。 | ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血中濃度が上昇する。 |
CYP3A4によって代謝されるベンゾジアゼピン系薬剤 ミダゾラム アルプラゾラム等 [16.7.2参照] | 鎮静の延長や呼吸抑制のおそれがあるため、CYP3A4によって代謝されるベンゾジアゼピン系薬剤(ミダゾラム、アルプラゾラム等)とポサコナゾールとの併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き避けること。併用する場合には、これらの薬剤の用量を調節すること。 | ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。 |
CYP3A4によって代謝されるカルシウム拮抗剤 ベラパミル ジルチアゼム ニフェジピン等 | 併用する場合は、これらの薬剤に関連した副作用発現に十分に注意すること。また、必要に応じてこれらの薬剤の用量を調節すること。 | ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。 |
CYP3A4によって代謝される抗HIV剤 アタザナビル等 [16.7.2参照] | 併用する場合は、これらの薬剤に関連した副作用発現に十分に注意すること。 | ポサコナゾールの併用により、CYP3A4が阻害され、これらの薬剤の血漿中濃度が上昇すると予測される。 |
抗HIV剤 エファビレンツ ホスアンプレナビル [16.7.2参照] | 治療上の有益性が危険性を上回る場合を除き、これらの薬剤との併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、真菌症の発症の有無を注意深くモニタリングするなど患者の状態を慎重に観察すること。 | これらの薬剤の併用により、ポサコナゾールのクリアランスが亢進し、ポサコナゾールの血漿中濃度が低下する。ポサコナゾールが基質となるUGT1A4及び/又はP-gpに対するこれらの薬剤の誘導作用が関与している可能性がある。 |
ジゴキシン | 併用する場合は、併用開始時及び中止時にジゴキシンの血漿中濃度をモニタリングすること。 | ポサコナゾールの併用により、ジゴキシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある。ポサコナゾールによるP-gpの阻害作用が関与している可能性がある。 |
ワルファリン [8.3参照] | ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇があらわれることがある。 | アゾール系抗真菌剤でINR上昇が報告されている。 |