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ベレキシブル錠80mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫
  • ○原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫

用法・用量

  • 通常、成人にはチラブルチニブとして1日1回480mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される患者についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症を合併している患者
骨髄抑制等により、感染症が悪化するおそれがある。[8.2、11.1.2参照]
9.1.2 骨髄機能低下のある患者
血球減少を悪化させるおそれがある。[8.3、11.1.4参照]
9.1.3 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.2、11.1.2参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤は、主として肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇するおそれがある。なお、肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後2日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットを用いた動物試験において臨床曝露量の10倍に相当する用量で分娩障害及びそれに伴う母動物の死亡が認められた。また、臨床曝露量の13倍に相当する用量で胎児死亡率の高値及び催奇形性(胸骨及び肋軟骨の異常)、5.9倍に相当する用量で出生児の生存率の低値が認められ、16倍に相当する用量で出生児の約半数が死亡した。ウサギを用いた動物試験において臨床曝露量の7.8倍に相当する用量で胎児死亡率の高値が認められた。[9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ラットを用いた動物試験で本剤の乳汁への移行が確認されており、雌ラットに着床から離乳までの期間本剤を経口投与した試験において、臨床曝露量の5.9倍に相当する用量で出生児の体重増加抑制が認められた。乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5、15.2参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 出血があらわれることがあり、外科的処置に伴って大量出血が生じる可能性があることから、本剤投与中に手術や侵襲的手技を実施する患者に対しては本剤の投与中断を考慮すること。
8.2 感染症(日和見感染症を含む)の発現若しくは悪化、又はB型肝炎ウイルス、帯状疱疹等の再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス等の感染の有無を確認すること。本剤投与前に適切な処置を行い、本剤投与中は感染症の発現又は悪化に十分注意すること。[9.1.1、9.1.3、11.1.2参照]
8.3 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与に際しては定期的に血液検査を行うこと。[9.1.2、11.1.4参照]
8.4 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、臨床症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認、胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。[11.1.6参照]
8.5 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与に際しては定期的に肝機能検査を行うこと。[11.1.7参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが上昇するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。[16.2.1参照]
7.3 本剤の投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。
本剤の減量段階
段階用量
通常投与量480mg
1段階減量320mg
2段階減量160mg
副作用発現時の休薬、減量、中止の目安
副作用処置
Grade4の好中球減少症Grade3以下に回復するまで休薬する。
回復後は、休薬前の用量で再開することができる。再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後1段階減量して投与を再開することができる。
出血を伴うGrade3の血小板減少症Grade2以下に回復するまで休薬する。
回復後は、休薬前の用量で再開することができる。再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後1段階減量して投与を再開することができる。
Grade4の血小板減少症
Grade3以上の血液毒性(血小板減少症及び好中球減少症を除く)
Grade3以上の非血液毒性(間質性肺疾患及び皮膚障害を除く)
間質性肺疾患Grade2又は3Grade1以下に回復するまで休薬する。
回復後は、休薬前の用量で再開することができる。再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後1段階減量して投与を再開することができる。
Grade4中止する。
皮膚障害Grade2抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン等を投与し、回復した場合には、投与を継続する。
回復しない場合には、1段階減量して投与継続又は休薬する。
Grade3以上抗ヒスタミン剤、副腎皮質ホルモン等を投与するとともに、Grade2以下に回復するまで休薬する。
回復後1段階減量して投与を再開することができる。
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)又は中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)中止する。
*:GradeはNCI-CTCAE v4.0に準じる。

5.効能又は効果に関連する注意

<再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫>
「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人の再発又は難治性の中枢神経系原発リンパ腫患者に本剤480mgを1日1回反復空腹時経口投与したときのチラブルチニブの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を以下に示した。
投与日Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC24hr(ng・hr/mL)T1/2(hr)
1(n=6)1760(929)2.49(1.93-6.20)9830(2650)5.21(1.49)
28(n=5)2690(1120)2.87(2.05-3.98)13400(3910)3.55(0.841)
平均値(標準偏差)、Tmaxは中央値(最小値-最大値)※:投与28日目のAUC24hrのうちAUC12-24hrは予測値を用いた。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
日本人の健康成人12例に本剤320mgを食後(標準食)及び空腹時単回経口投与注)したときのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(食後/空腹)は、1.74及び1.29であった。[7.2参照]
16.3 分布
チラブルチニブのヒト血清中蛋白結合率は92%、ヒト血液/血漿中濃度比は0.71~0.83であった(in vitro)。
16.4 代謝
チラブルチニブの主代謝酵素はCYP3A4であった(in vitro)。健康成人8例に14C-チラブルチニブ75mgを空腹時に単回経口投与注)したとき、投与24時間後までの血漿中には主にM33(水酸化体の硫酸抱合体)、M12(水酸化体のグルクロン酸抱合体)及び未変化体が検出された(血漿中総放射能に対する割合はそれぞれ33.1、28.6及び17.3%)。
16.5 排泄
健康成人8例に14C-チラブルチニブ75mgを空腹時に単回経口投与注)したとき、投与360時間後までに投与放射能量の52.2%が糞中に、42.1%が尿中に排泄された。投与96時間後までの尿中に未変化体は確認されなかった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
日本人の健康成人12例にイトラコナゾール(CYP3A阻害剤)200mgとチラブルチニブ20mgを食後に併用投与注)、及びチラブルチニブを食後に単独投与したときのチラブルチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(併用/非併用)は、1.24及び1.49であった。[10.2参照]
16.7.2 リファンピシン
健康成人15例に有機アニオン輸送ポリペプチド(OATP)1B1/1B3の阻害剤として単回投与時のリファンピシン600mgとチラブルチニブ100mgを空腹時に併用投与注)、及びチラブルチニブを空腹時に単独投与したときのチラブルチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(単回併用/非併用)は、1.30及び1.11であった。また、CYP3A誘導剤としてリファンピシン600mgを反復投与後にチラブルチニブ100mgを空腹時に併用投与注)、及びチラブルチニブを空腹時に単独投与したときのチラブルチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(反復併用/非併用)は、0.30及び0.29であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション
チラブルチニブ480mgとCYP3A阻害作用を有するエリスロマイシン、クラリスロマイシン及びジルチアゼムを併用投与、及びチラブルチニブを単独投与したときのチラブルチニブのAUCの幾何平均値の比(併用/非併用)は、それぞれ1.51、1.58及び1.48と推定された。また、CYP3A誘導作用を有するカルバマゼピン及びエファビレンツを併用投与、及びチラブルチニブを単独投与したときのチラブルチニブのAUCの幾何平均値の比(併用/非併用)は、それぞれ0.48及び0.46と推定された。[10.2参照]
16.7.4 その他
(1)健康成人12例にオメプラゾール(胃酸分泌抑制剤)20mgとチラブルチニブ100mgを空腹時に併用投与注)、及びチラブルチニブを空腹時に単独投与したときのチラブルチニブのCmax及びAUCinfの最小二乗幾何平均値の比(併用/非併用)は、0.92及び1.05であった(外国人データ)。
(2)日本人の健康成人12例にチラブルチニブ320mgを食後に反復投与後注)、ミダゾラム(CYP3A4基質)2mgと併用投与、及びミダゾラムを単独投与したときのミダゾラムのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(併用/非併用)は、それぞれ0.74及び0.79であった。
(3)チラブルチニブはP-糖タンパク(P-gp)の基質であり、P-gp、OATP1B1及び多剤・毒性化合物排出タンパク(MATE)1を阻害し、そのヒト主代謝物M33(水酸化体の硫酸抱合体)はOATP1B1及びMATE1を阻害した(in vitro)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人にはチラブルチニブとして1日1回480mgを空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強い又は中程度のCYP3A阻害剤
イトラコナゾール
クラリスロマイシン
ボリコナゾール等
[16.7.1、16.7.3参照]
本剤の副作用の発現が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。これらの薬剤との併用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
リファンピシン
カルバマゼピン
フェニトイン等
[16.7.2、16.7.3参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤との併用により、本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
抗凝固剤
抗血小板剤
出血のおそれがある。出血のリスクを増強させるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 出血(頻度不明)
11.1.2 感染症
肺炎(ニューモシスチス肺炎を含む)(4.5%)、アスペルギルス感染症(2.3%)等の感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルス、帯状疱疹等が再活性化することがある。[8.2、9.1.1、9.1.3参照]
11.1.3 重度の皮膚障害
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(2.3%)、中毒性皮疹(頻度不明)等の重度の皮膚障害があらわれることがある。
11.1.4 骨髄抑制
発熱性好中球減少症(頻度不明)、好中球減少(22.7%)、白血球減少(15.9%)、リンパ球減少(9.1%)、血小板減少(9.1%)、貧血(2.3%)等の骨髄抑制があらわれることがある。[8.3、9.1.2参照]
11.1.5 過敏症
アナフィラキシー等の過敏症(頻度不明)があらわれることがある。
11.1.6 間質性肺疾患
間質性肺炎(頻度不明)、肺臓炎(頻度不明)等の間質性肺疾患があらわれることがある。異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.4参照]
11.1.7 肝機能障害
AST(2.3%)、ALT(2.3%)、γ-GTP(頻度不明)、Al-P(2.3%)、ビリルビン(2.3%)等の上昇を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.5参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
血液及びリンパ系障害リンパ球増加免疫性血小板減少性紫斑病、骨髄浮腫、リンパ球浸潤
心臓障害心電図2相性T波
耳及び迷路障害回転性めまい
眼障害眼脂、眼出血、眼刺激、眼充血、眼のそう痒、結膜出血
胃腸障害悪心、口内炎、便秘嘔吐、下痢、口腔内出血腹痛、十二指腸炎、胃炎、胃食道逆流性疾患、マロリー・ワイス症候群、口腔内潰瘍、心窩部不快感、腹部膨満、舌苔
全身障害胸痛、発熱無力症、悪寒、顔面浮腫、浮腫(末梢性等)、疲労、倦怠感、口渇
感染症及び寄生虫症ヘルペス、帯状疱疹、真菌感染、尿路感染、気道感染、非定型マイコバクテリア感染気管支炎、結膜炎、膀胱炎、毛包炎、インフルエンザ、喉頭炎、咽頭炎、鼻炎、副鼻腔炎、敗血症、カンジダ症、腹部膿瘍
代謝及び栄養障害高カリウム血症リパーゼ増加、高トリグリセリド血症、低ナトリウム血症、食欲減退、アミラーゼ増加HDL減少、低カリウム血症、低リン酸血症、脂質異常症
筋骨格系及び結合組織障害筋痙縮骨折、関節痛、関節炎、関節硬直、筋力低下、筋肉痛、腱痛、筋骨格痛
精神・神経系障害味覚異常、感覚消失、不眠症健忘、反射消失、異常感覚、伸展性足底反応、知覚過敏、嗜眠、末梢性ニューロパチー、錯感覚、痙攣発作、失神、振戦、平衡障害、下肢静止不能症候群、浮動性めまい、頭痛、譫妄
腎及び尿路障害血尿、蛋白尿血中クレアチニン増加
呼吸器、胸郭及び縦隔障害鼻出血咳嗽、呼吸困難、気道の炎症、気管支反応性亢進、しゃっくり
皮膚及び皮膚組織障害発疹(36.4%)、斑状丘疹状皮疹紫斑、薬疹、そう痒症、皮膚炎、皮膚乾燥、紅斑性皮疹、皮膚色素過剰蕁麻疹、毛髪変色、斑、点状出血、光線過敏症、乾癬、全身性皮疹、皮膚障害(変色、剥脱等)、顔面腫脹、紅斑
血管障害高血圧血腫、起立性低血圧
その他体重減少挫傷、CRP増加、INR増加、体重増加、前立腺炎
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