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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • von Willebrand病患者における出血傾向の抑制

用法・用量

  • 本剤を添付の溶解液10mLで溶解し、4mL/分を超えない速度で緩徐に静脈内に注射する。
  • 通常、18歳以上の患者には、体重1kg当たり40~80国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。

禁忌 

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分、マウス又はハムスタータンパク質に対し過敏症の既往歴のある患者[11.1.1参照]
9.1.2 血栓塞栓性事象のリスクのある患者
ADAMTS13注)低値の患者、手術予定患者等では、本剤投与により、血栓塞栓症が起こる可能性がある。[11.1.2、18.2参照]
注)ADAMTS13(A disintegrin and metalloproteinase with a thrombospondin type 1 motif,number 13)
トロンボスポンジン1型モチーフ第13番を有するディスインテグリン及びメタロプロテイナーゼ
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験成績は得られていない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与は、止血障害の治療経験をもつ医師のもとで開始すること。
8.2 患者の血中にVWF又はFVIIIに対するインヒビターが発生するおそれがある。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビターの発生を疑い、上昇回収率やインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
8.3 インヒビターはアナフィラキシー反応に伴って発生することがある。アナフィラキシー反応の既往歴を有する患者においては、可能な限りインヒビターの有無を評価すること。[11.1.1参照]
8.4 血栓塞栓症が疑われる場合などには必要に応じ血液凝固系検査(D-ダイマー等)のモニタリングを行うこと。[11.1.2参照]
8.5 本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合にのみ適用すること。本剤を処方する際には、使用方法等の患者教育を十分に実施した後、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、患者又はその家族に対し、本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分に説明し、在宅自己注射後に何らかの異常が認められた場合や注射後の止血効果が不十分な場合には、速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。適用後、在宅自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 添付の溶解液以外は使用しないこと。
14.1.2 他の製剤と混合しないこと。
14.1.3 冷蔵庫で保管した場合は、溶解前に本剤及び注射用水(溶解液)を室温に戻しておくこと。
14.1.4 溶解した液を注射器に吸引する際は、必ず付属の溶解器(ボンベンディ溶解器)を用いること。
14.1.5 溶解後及びボンベンディ溶解器によるろ過前に粒子が認められることがある。それらの粒子はボンベンディ溶解器に装着されたフィルターにより除去される。
14.1.6 本剤の1回の投与で複数バイアルを要する場合は、各バイアルを個別に新たなボンベンディ溶解器を使用して溶解すること。前回使用したボンベンディ溶解器は再使用せずに廃棄すること。
14.1.7 溶解後は3時間以内に使用すること。また、溶解後3時間以内に使用しなかった場合は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 投与時のシリンジ内に沈殿や粒子が認められるもの又は混濁しているものは使用しないこと。
14.3 薬剤交付時の注意
14.3.1 光の影響を避けるため、個装箱のまま室温(30℃以下)で保存し、使用期限を超えない範囲で使用すること。冷蔵保管する場合、凍結させないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 患者の血漿第VIII因子活性(FVIII:C)を測定し、必要に応じて、本剤と血液凝固第VIII因子(FVIII)製剤を併用投与すること。血液由来のFVIII(乾燥濃縮人血液凝固第VIII因子)製剤を併用する場合は、当該製剤のvon Willebrand因子(VWF)含有量に留意して本剤の用量を調整すること。[7.4.2参照]
7.2 出血時の止血治療と管理
7.2.1 軽度出血及び大出血治療時の推奨用量を以下に示す。
軽度出血及び大出血治療時の推奨用量
出血の種類初回投与量初回以降の投与量(又は、臨床的に必要とされる期間)
軽度出血(鼻出血、口腔出血、月経過多など)40~50IU/kg40~50IU/kgを8~24時間ごと
大出血(重度又は難治性の鼻出血、月経過多、消化管出血、中枢神経系の外傷、関節出血、外傷性出血など)50~80IU/kg40~60IU/kgを約2~3日間、8~24時間ごと
7.2.2 出血事象に対し、FVIII:Cが40%未満あるいは不明の場合は、本剤を初回投与後、10分以内にFVIII製剤を投与すること。[7.4.2参照]
7.2.3 初回投与後のvon Willebrand因子リストセチンコファクター活性(VWF:RCo)及びFVIII:Cの補充レベルは、それぞれ、60%超及び40%超を達成するようにすること。大出血事象の場合、臨床的に必要とされる期間、VWF:RCoのトラフ値50%超を維持すること。
7.3 周術期の止血管理
7.3.1 手術前に本剤及び必要に応じFVIII製剤を投与すること。用量は、術中及び術後の過度な出血を予防するための、血漿中VWF:RCo及びFVIII:Cの推奨目標値から算出する。手術の種類ごとの推奨目標ピーク値は以下のとおり。
手術の種類血漿中目標ピーク値
VWF:RCo(%)FVIII:C(%)
小手術50~6040~50
大手術10080~100
7.3.2 手術1時間前の本剤の投与量は以下の式で算出すること。
必要量[IU]=[(VWF:RCoの目標血漿レベル)-(VWF:RCoのベースライン血漿レベル)]×体重(kg)/IR
上昇回収率(IR)
患者の既存の薬物動態(PK)データより算出する。もしPKデータ不明な場合あるいは緊急手術の場合には本剤のIRを2.0(IU/dL)/(IU/kg)として算出すること。
7.3.3 FVIII:Cを目標値まで上昇させるために、FVIII製剤の追加投与が必要となることがある。用量の算出は、FVIII製剤のIR及び電子添文に基づくこと。
7.3.4 手術開始後も、VWF:RCo及びFVIII:Cをモニタリングすること。術中及び術後の投与量と投与頻度は、患者のPKの測定結果、必要とされる止血効果とその期間、及び治療施設の標準治療に基づいて個別に考慮すること。
7.3.5 待期的手術の場合
(1)本剤の単回投与により、内因性のFVIII:Cが24時間後まで経時的に安定して上昇することが示されている。したがって、FVIII:Cを術前に推奨目標値(小手術の場合:30%、大手術の場合:60%)以上に上昇させるため、手術を開始する12~24時間前に本剤を40~60IU/kgの用量で投与してもよい。[16.8.1参照]
(2)手術開始前の3時間以内に血漿中FVIII:Cを測定することが推奨される。FVIII:Cが推奨目標値以上の場合は、手術開始1時間前までに本剤を単剤で投与し、VWF:RCo及びFVIII:Cを適切なレベルに維持すること。FVIII:Cが推奨目標値未満の場合は、本剤に加えて、FVIII製剤を投与し、VWF:RCo及びFVIII:Cを上昇させること。
7.3.6 緊急手術の場合
(1)可能であれば、手術前3時間以内にベースラインVWF:RCo及びFVIII:Cを測定すること。もし測定できず、VWF:RCo及びFVIII:Cが不明な場合、手術1時間前の本剤の投与量は40~60IU/kgが推奨される。
(2)手術の1時間前に本剤を単剤で、又はFVIII製剤と併用して初回投与し、VWF:RCo及びFVIII:Cが適切な止血レベルまで上昇するよう投与量を調節すること。
7.3.7 手術後の管理
(1)手術後も血漿中VWF:RCo及びFVIII:Cを継続的にモニタリングすること。
(2)通常、術後の補充療法における、手術の種類ごとの推奨目標トラフ値、及び維持投与の頻度とその最短投与期間について以下に示す。
推奨される血漿中VWF:RCo及びFVIII:Cの目標トラフ値並びに維持投与の頻度とその最短投与期間
手術の種類血漿中目標トラフ値最短投与期間投与頻度
VWF:RCo(%)FVIII:C(%)
術後72時間まで術後72時間以降術後72時間まで術後72時間以降
小手術≧30>3048時間12~24時間ごとから隔日
大手術>50>30>50>3072時間
7.4 出血傾向の抑制のための定期的な投与
7.4.1 通常、1回あたり本剤40~60IU/kgを週1~3回投与する。患者の状態に応じて、1回あたり80IU/kgを超えない範囲で適宜増減できる。[17.1.2参照]
7.4.2 定期補充療法中に破綻出血が発現し、内因性FVIII:Cが40%未満又は不明な場合には、本剤投与後にFVIII製剤を併用投与すること。[7.1、7.2.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
von Willebrand病を有する成人患者(日本人を含む)を対象に、本剤50又は80IU/kgを単回静脈内投与した際のPKパラメータは以下のとおりであった。
VWF:RCoのPK評価
50IU/kg(14例)80IU/kg(15例)
t1/2(h)22.6±5.3419.1±4.32
Cl([dL/kg]/h)0.025±0.0050.029±0.009
Cmax時点のIR([IU/dL]/[IU/kg])1.9±0.412.0±0.39
AUC0-inf(IU・h/dL)2105.4±427.512939.0±732.72
平均値±標準偏差
16.1.2 定期的な投与(定期補充療法)
071301試験の最終投与後のVWFのPKを検討した。VWF製剤による出血時補充療法歴のある患者(前OD群)又はVWF製剤による定期補充療法歴のある患者(切替え群)について、試験終了時のVWF:RCoの定常状態におけるPKパラメータは以下のとおりであった。
定常状態のVWF:RCoのPK評価
前OD群(9例)切替え群(7例)
投与量(IU/kg)41.2~55.524.4~77.3
Cmax(IU/dL)92.6±37.1102.9±44.7
Cmax/Dose([IU/dL]/[IU/kg])1.9±0.61.9±0.3
AUC0-96hours(IU・h/dL)1561±12981662±675.0
AUC0-96hours/Dose([IU・h/dL]/[IU/kg])30.9±23.427.5±9.7
Cmax時点のIR([IU/dL]/[IU/kg])1.8±0.51.9±0.3
平均値±標準偏差
16.8 その他
16.8.1 内因性FVIII:C
大手術又は小手術を受ける重度のvon Willebrand病患者に、手術前に本剤50IU/kgを単回静脈内投与した際の内因性FVIII:Cは、24時間後まで経時的に安定して上昇することが認められた。[7.3.5参照]
内因性FVIII:C
測定時点例数FVIII:C(%)
本剤投与前11例20.6±23.65
投与6時間後11例67.5±18.35
投与12時間後11例86.9±16.15
投与24時間後11例90.6±20.17
投与48時間後11例79.5±21.90
投与72時間後10例56.5±25.36
平均値±標準偏差

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
発疹、蕁麻疹、胸部不快感、呼吸困難、悪心等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3、9.1.1参照]
11.1.2 血栓塞栓症(1.4%)[8.4、9.1.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

2%以上2%未満頻度不明
神経系障害浮動性めまい、回転性めまい味覚異常、頭痛
心臓障害頻脈
血管障害深部静脈血栓症、高血圧、ほてり
胃腸障害嘔吐、悪心
皮膚および皮下組織障害そう痒症
一般・全身障害および投与部位の状態胸部不快感、注入部位異常感覚注入に伴う反応
臨床検査心電図T波逆転、心拍数増加
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