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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • MET遺伝子エクソン14スキッピング変異陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

用法・用量

  • 通常、成人にはカプマチニブとして1回400mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
  • 1.2 間質性肺疾患があらわれ、死亡に至った症例も報告されているので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[7.2、8.1、9.1.1、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 間質性肺疾患のある患者
間質性肺疾患が発現又は増悪するおそれがある。[1.2、7.2、8.1、11.1.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.4.2 パートナーが妊娠している又は妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間はバリア法(コンドーム)を用いるよう指導すること。精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性がある。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギ及びラットを用いた生殖発生毒性試験において、それぞれ臨床曝露量の0.01倍及び0.42倍で催奇形性が報告されている。[9.4.1、9.4.2、9.6参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。乳汁移行に関するデータはないが、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重大な副作用が発現するおそれがある。[9.5参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと。また、患者に対して、初期症状があらわれた場合には、速やかに医療機関を受診するよう指導すること。[1.2、7.2、9.1.1、11.1.1参照]
8.2 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.2、11.1.3参照]
8.3 腎機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること[11.1.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 副作用が発現した場合は、以下の基準を考慮して、本剤を休薬、減量又は中止すること。[1.2、8.1、8.2、9.1.1、11.1.1-11.1.4参照]
減量・中止する場合の投与量
減量レベル投与量
通常投与量1回400mg(1日2回)
1段階減量1回300mg(1日2回)
2段階減量1回200mg(1日2回)
中止1回200mg(1日2回)で忍容不能な場合、投与を中止する。
副作用発現時の本剤の用量調節基準
副作用基準注1)本剤の投与量調節
間質性肺疾患Grade1以上投与を中止する。
AST又はALT増加かつ
総ビリルビン増加注2)
AST又はALT増加>3.0×ULN
かつ
総ビリルビン増加>2.0×ULN
投与を中止する。
AST又はALT増加Grade3Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、同一用量で投与を再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、1段階減量して投与を再開する。
Grade4投与を中止する。
総ビリルビン増加Grade2Grade1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、同一用量で投与を再開する。
7日を過ぎてから回復した場合は、1段階減量して投与を再開する。
Grade3Grade1以下に回復するまで休薬する。
7日以内に回復した場合は、1段階減量して投与を再開する。
7日以内に回復しない場合は、投与を中止する。
Grade4投与を中止する。
上記以外の副作用Grade2管理困難で忍容不能な場合は、Grade1以下に回復するまで休薬する。
休薬後に投与を再開する際には、1段階減量して投与を再開する。
Grade3Grade2以下に回復するまで休薬する。
休薬後に投与を再開する際には、1段階減量して投与を再開する。
Grade4投与を中止する。
注1)GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。注2)胆汁うっ滞又は溶血を認めない場合。ULN:施設基準値上限

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 十分な経験を有する病理医又は検査施設における検査により、MET遺伝子エクソン14スキッピング変異が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
5.2 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
日本人の進行固形癌患者にカプマチニブ200mg注)又は400mgを空腹時に1日2回反復経口投与したときのカプマチニブのPKパラメータ及び血漿中濃度推移は以下のとおりであった。カプマチニブ400mgを空腹時に1日2回反復経口投与したときの投与15日目におけるカプマチニブの蓄積率は1.99であった。
日本人患者にカプマチニブ200mg及び400mgを1日2回反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
投与量(mg)投与Cmax(ng/mL)Tmax(h)AUClast(ng・h/mL)AUC0-12h(ng・h/mL)
2001日目(n=3)2190(118.0)0.950(0.917-0.967)8200(61.0)8170(61.3)
15日目(n=3)2850(59.6)0.967(0.967-2.00)11000(56.2)11000(56.2)
4001日目(n=12)3230(80.8)1.00(0.467-3.95)12500(74.0)12500(73.8)
15日目(n=9)6450(67.0)1.00(0.500-2.00)26400(70.4)26300(70.2)
幾何平均(幾何平均CV%)※Tmaxは中央値(最小値-最大値)
日本人患者にカプマチニブ200mg及び400mgを1日2回反復経口投与したときの1日目(上図)と15日目(下図)の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
また、国際共同第II相試験で非小細胞肺癌患者に400mgを空腹時に1日2回反復経口投与してカプマチニブの薬物動態を評価した結果、累積率(1.39)から算出した有効半減期は6.54時間と推定され、反復投与後3日までに定常状態に達すると考えられる。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(24例)に本剤600mg注)を単回経口投与したとき、空腹時投与に対する低脂肪食投与におけるカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.11及び1.20であった。また、空腹時投与に対する高脂肪食投与におけるカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.15及び1.46であった(外国人データ)。
16.3 分布
カプマチニブのヒト血漿タンパク結合率は96%であった。血液/血漿濃度比は、濃度範囲10~1,000ng/mLで1.5、高濃度10,000ng/mLでは0.9であった(in vitro)。
16.4 代謝
カプマチニブは主にCYP3A4及びアルデヒドオキシダーゼによって代謝される(in vitro)。健康成人(6例)に[14C]カプマチニブ600mg注)を単回経口投与したとき、投与12時間後までの血漿中に、主に未変化体及び薬理活性を示さない代謝物M16(酸化体)が検出された(血漿中総放射能のAUC12hに対する割合は、それぞれ42.9及び21.5%)(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人(6例)に[14C]カプマチニブ600mg注)を単回経口投与したとき、投与168時間後までの尿及び糞中において、それぞれ投与放射能の21.8及び77.9%が排泄された。また、投与96時間までの尿中及び糞中において、それぞれ主にM16及び未変化体が検出された(投与放射能に対する割合は、それぞれ2.9及び42.1%)(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
カプマチニブ200mg注)を単回経口投与したとき、肝機能正常被験者(9例)に対する軽度(Child-Pugh分類A)の肝機能障害患者(6例)のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.724及び0.767であった。また、肝機能正常被験者(9例)に対する中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者(8例)のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.828及び0.914であった。肝機能正常被験者(9例)に対する重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者(6例)のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.02及び1.24であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン
健康成人(25例)にリファンピシン(強力なCYP3A誘導剤)600mgを1日1回9日間反復経口投与し、カプマチニブ400mgを単回経口投与したとき、カプマチニブ単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.441及び0.335であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 エファビレンツ
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、カプマチニブ(400mgを単回投与)単独投与時に対するエファビレンツ(中等度のCYP3A誘導剤)(600mgを1日1回投与)併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.683及び0.554であった。[10.2参照]
16.7.3 イトラコナゾール
健康成人(26例)にイトラコナゾール(強力なCYP3A阻害剤)200mgを1日1回10日間反復経口投与し、カプマチニブ200mg注)を単回経口投与したとき、カプマチニブ単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.03及び1.42であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 カフェイン
MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(30例)にカプマチニブ400mgを1日2回9日間反復経口投与し、カフェイン(CYP1A2の基質)100mgを単回経口投与したとき、カフェイン単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のカフェインのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.04及び2.34であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.5 ジゴキシン
MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(25例)にカプマチニブ400mgを1日2回22日間反復経口投与し、ジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを単回経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のジゴキシンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.74及び1.47であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.6 ロスバスタチン
MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(24例)にカプマチニブ400mgを1日2回22日間反復経口投与し、ロスバスタチン(BCRPの基質)10mgを単回経口投与したとき、ロスバスタチン単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のロスバスタチンのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ3.04及び2.08であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.7 ラベプラゾール
健康成人(20例)にラベプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)20mgを1日1回4日間反復経口投与し、カプマチニブ600mg注)を単回経口投与したとき、カプマチニブ単独投与時に対するラベプラゾール併用投与時のカプマチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.625及び0.748であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.8 その他
(1)MET遺伝子変異等を有する進行固形癌患者(31例)にカプマチニブ400mgを1日2回9日間反復経口投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)2.5mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対するカプマチニブ併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.22及び1.09であった(外国人データ)。
(2)カプマチニブはP-gpの基質であり、CYP2C8、MATE1及びMATE2-Kを阻害した(IC50値は、それぞれ1.7、0.28及び0.29μmol/L)。また、M16(酸化体)はMATE1及びMATE2-Kを阻害した(IC50値は、それぞれ0.38及び0.63μmol/L)(in vitro)。
注)本剤の承認用法・用量は「カプマチニブとして1回400mgを1日2回経口投与」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強力な又は中等度のCYP3A誘導剤
リファンピシン
カルバマゼピン
エファビレンツ等
[16.7.1、16.7.2参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又はCYP3A誘導作用の弱い薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
強力なCYP3A阻害剤
イトラコナゾール
リトナビル
クラリスロマイシン等
[16.7.3参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が増加する可能性がある。
CYP1A2の基質となる薬剤
テオフィリン
チザニジン
ピルフェニドン等
[16.7.4参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。本剤がCYP1A2を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
P-gpの基質となる薬剤
ジゴキシン
フェンタニル
タクロリムス等
[16.7.5参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
BCRPの基質となる薬剤
ロスバスタチン
アトルバスタチン
メトトレキサート等
[16.7.6参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。本剤がBCRPを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が増加する可能性がある。
胃内pHを上昇させる薬剤
プロトンポンプ阻害剤
ラベプラゾール
ランソプラゾール
オメプラゾール等
[16.7.7参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。これらの薬剤が胃内pHを上昇させるため、本剤の吸収が低下し、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 間質性肺疾患
間質性肺疾患(2.1%)、肺臓炎(4.1%)があらわれることがある。異常が認められた場合には本剤の投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[1.2、7.2、8.1、9.1.1参照]
11.1.2 体液貯留(54.6%)
末梢性浮腫(52.6%)、低アルブミン血症(7.2%)、胸水(頻度不明)、心嚢液貯留(1.0%)等の体液貯留があらわれることがある。急激な体重の増加、呼吸困難等の異常が認められた場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[7.2参照]
11.1.3 肝機能障害(10.3%)
AST増加(7.2%)、ALT増加(10.3%)等の肝機能障害があらわれることがある。[7.2、8.2参照]
11.1.4 腎機能障害(25.8%)
血中クレアチニン増加(25.8%)、腎不全(頻度不明)、急性腎障害(頻度不明)等の腎機能障害があらわれることがある。[7.2、8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満頻度不明
感染症および寄生虫症蜂巣炎
代謝および栄養障害食欲減退低リン酸血症低ナトリウム血症
呼吸器、胸郭および縦隔障害呼吸困難、咳嗽
胃腸障害悪心(37.1%)、嘔吐、下痢、リパーゼ増加便秘、アミラーゼ増加急性膵炎
肝胆道系障害血中ビリルビン増加
皮膚および皮下組織障害そう痒症、蕁麻疹、発疹
一般・全身障害および投与部位の状態疲労発熱、体重減少背部痛、非心臓性胸痛
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