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ブホルミン塩酸塩腸溶錠50mg「KO」

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • インスリン非依存型糖尿病(ただし、SU剤が効果不十分な場合あるいは副作用等により使用不適当な場合に限る。)

用法・用量

  • 本剤はSU剤が効果不十分な場合あるいは副作用等により使用不適当な場合にのみ使用すること。
    通常、ブホルミン塩酸塩として1日量100mgより開始し、1日2~3回食後に分割経口投与する。維持量は効果を観察しながら決めるが、1日最高投与量は150mgとする。

禁忌 

【警告】

  • 重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあり、死亡に至った例も報告されている。乳酸アシドーシスを起こしやすい患者には投与しないこと。(「禁忌」の項参照)
    また、重篤な低血糖症を起こすことがある。用法・用量、使用上の注意に特に留意すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 次に示す状態の患者〔乳酸アシドーシスを起こしやすい。〕
    • 乳酸アシドーシスの既往
    • 腎機能障害(軽度障害も含む。)
    • 透析患者(腹膜透析も含む。)
    • 肝機能障害
    • ショック、心不全、心筋梗塞、肺塞栓など心血管系、肺機能に高度の障害のある患者及びその他の低酸素血症を伴いやすい状態
    • 過度のアルコール摂取者
    • 脱水症、脱水状態が懸念される下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者
    • 高齢者(「5.高齢者への投与」の項参照)
  • 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者〔輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須である。〕
  • 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者〔インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。また、乳酸アシドーシスを起こしやすい。〕
  • 栄養不良状態、飢餓状態、衰弱状態、脳下垂体機能不全又は副腎機能不全の患者〔低血糖を起こすおそれがある。〕
  • 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
  • 本剤の成分又はビグアナイド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

慎重投与

次の患者には慎重に投与すること

次に掲げる状態の患者
不規則な食事摂取、食事摂取量の不足〔低血糖を起こすおそれがある。〕
激しい筋肉運動〔低血糖を起こすおそれがある。〕
感染症〔乳酸アシドーシスを起こすおそれがある。〕
「3.相互作用」の項(1)に示す薬剤との併用〔乳酸アシドーシスを起こすおそれがある。〕
他の糖尿病用薬を投与中の患者(「3.相互作用」、「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)

重要な基本的注意

重篤な乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、以下の内容を患者及びその家族に十分指導すること。
過度のアルコール摂取を避けること。(「禁忌」の項参照)
発熱、下痢、嘔吐、食事摂取不良等により脱水状態が懸念される場合には、一旦服用を中止し、医師に相談すること。(「禁忌」の項参照)
乳酸アシドーシスの初期症状があらわれた場合には、直ちに受診すること。(「4.副作用(1)重大な副作用」の項参照)
ヨード造影剤を用いて検査を行う患者においては、本剤の併用により乳酸アシドーシスを起こすことがあるので、検査前は本剤の投与を一時的に中止すること(ただし、緊急に検査を行う必要がある場合を除く)。ヨード造影剤投与後48時間は本剤の投与を再開しないこと。なお、投与再開時には、患者の状態に注意すること。(「3.相互作用」の項参照)
脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。利尿作用を有する薬剤(利尿剤、SGLT2阻害剤等)との併用時には、特に脱水に注意すること。(「3.相互作用」の項参照)
腎機能障害のある患者では腎臓における本剤の排泄が減少し、本剤の血中濃度が上昇する。投与開始前及び投与中は腎機能や患者の状態に十分注意して投与の適否を検討すること。腎機能は、eGFRや血清クレアチニン値等を参考に判断すること。
低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。また、低血糖症状に関する注意について、患者及びその家族に十分指導すること。
糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)を有する疾患があることに留意すること。
適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
本剤はSU剤(スルホニルウレア系薬剤)が効果不十分な場合、あるいは副作用等により使用不適当な場合にのみ適用を考慮すること。
投与する場合には、少量より開始し、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合には、速やかに他の治療法への切り替えを行うこと。
投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合や、減量する必要がある場合があり、また患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、体重の推移、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、投与量、薬剤の選択等に注意すること。
本剤とイメグリミン塩酸塩は作用機序の一部が共通している可能性があること、また、イメグリミン塩酸塩の国内臨床試験において、ビグアナイド系薬剤と併用した場合、他の糖尿病用薬との併用療法と比較して消化器症状が多く認められたとの報告があることから、併用薬剤の選択の際には留意すること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕

高齢者への投与

一般に高齢者では腎・肝機能等が低下している。腎機能低下による本剤の排泄の減少、肝機能低下による乳酸の代謝能の低下が乳酸アシドーシスをあらわれやすくすることがあるので、高齢者には投与しないこと。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔類似化合物(メトホルミン)の動物実験で胎児への移行が認められており、一部の動物実験で催奇形作用が報告されている。また、妊婦は乳酸アシドーシスを起こしやすい。〕

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。

薬物動態

溶出挙動
ブホルミン塩酸塩腸溶錠50mg「KO」は、日本薬局方医薬品各条に定められたブホルミン塩酸塩腸溶錠の溶出規格に適合していることが確認されている。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ヨード造影剤症状は全身倦怠、疲労感、脱力感で、意識が混濁する。悪心・嘔吐・下痢等の胃腸症状がある。
ヨード造影剤を用いて検査を行う場合は、本剤の投与を一時的に中止すること。緊急に検査を行う必要がある場合には、患者の状態を注意深く観察し、血中乳酸値の上昇、血液pHの低下等に注意すること。(「重要な基本的注意」の項参照)
腎機能を低下させ、本剤の腎排泄を低下させる。
腎毒性の強い抗生物質
(ゲンタマイシン等)
症状は全身倦怠、疲労感、脱力感で、意識が混濁する。悪心・嘔吐・下痢等の胃腸症状がある。
患者の状態を注意深く観察し、血中乳酸値の上昇、血液pHの低下等に注意すること。発症の前駆症状があらわれた時には直ちに投与を中止すること。
腎機能を低下させ、本剤の腎排泄を低下させる。
利尿作用を有する薬剤
(利尿剤、SGLT2阻害剤等)
脱水により乳酸アシドーシスを起こすことがある。脱水症状があらわれた場合には、本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「2.重要な基本的注意」の項参照)利尿作用を有する薬剤により、体液量が減少し脱水状態になることがある。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
糖尿病用薬
インスリン製剤
スルホニルウレア系薬剤
速効型インスリン分泌促進剤
ナテグリニド等
α-グルコシダーゼ阻害剤
アカルボース、ボグリボース、ミグリトール
チアゾリジン系薬剤
ピオグリタゾン塩酸塩
DPP-4阻害剤
シタグリプチンリン酸塩水和物等
GLP-1受容体作動薬
リラグルチド等
SGLT2阻害剤
イプラグリフロジンL-プロリン等
イメグリミン塩酸塩 等
血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
低血糖症状が認められた場合にはショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。
これらの薬剤の血糖降下作用による。
蛋白同化ステロイド血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
低血糖症状が認められた場合にはショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。
機序不明。
サリチル酸剤
(アスピリン等)
血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
低血糖症状が認められた場合にはショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。
血中蛋白との結合抑制、サリチル酸剤の血糖降下作用による。
β-遮断剤
(プロプラノロール等)
血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
低血糖症状が認められた場合にはショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。
糖新生抑制、アドレナリンによる低血糖からの回復抑制、低血糖に対する交感神経症状抑制による。
モノアミン酸化酵素阻害剤血糖降下作用の増強による低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
低血糖症状が認められた場合にはショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。
インスリン分泌促進、糖新生抑制による。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アドレナリン血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢でのブドウ糖の取り込み抑制、肝臓での糖新生促進による。
副腎皮質ホルモン血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
肝臓での糖新生促進、末梢組織でのインスリン感受性低下による。
甲状腺ホルモン血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
腸管でのブドウ糖吸収促進、グルカゴンの分泌促進、カテコラミンの作用増強、肝臓での糖新生促進による。
卵胞ホルモン血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序不明。
コルチゾール分泌変化、組織での糖利用変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化等が考えられる。
経口避妊薬血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
耐糖能を低下させ、本剤の血糖降下作用を減弱させると考えられる。
利尿剤血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下による。
ピラジナミド血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序不明。
血糖値のコントロールが難しいとの報告がある。
イソニアジド血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖質代謝の障害による血糖値上昇及び耐糖能異常による。
ニコチン酸血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
肝臓でのブドウ糖の同化抑制による。
フェノチアジン系薬剤血糖降下作用の減弱による高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン遊離抑制、副腎からのアドレナリン遊離による。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
イメグリミン塩酸塩消化器症状の発現に注意すること。特に併用初期に多く発現する傾向が認められている。

重大な副作用 

乳酸アシドーシス(0.1%未満)
乳酸アシドーシス(血中乳酸値の上昇、乳酸/ピルビン酸比の上昇、血液pHの低下等を示す。)は予後不良のことが多い。一般的に発現する臨床症状は様々であるが、胃腸症状、倦怠感、筋肉痛、過呼吸等の症状がみられることが多く、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、必要な検査を行うこと。なお、乳酸アシドーシスの疑いが大きい場合には、乳酸の測定結果等を待つことなく適切な処置を行うこと。
低血糖(0.1%未満)
低血糖症状があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察しながら投与する。症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
低血糖症状(初期症状:脱力感、高度の空腹感、発汗等)が認められた場合には通常はショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。

その他の副作用 

0.1~5%未満0.1%未満頻度不明
消化器注1)食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、便秘等
血液貧血、白血球減少、血小板減少
過敏症注2)発疹等
肝臓肝機能異常
代謝異常ケトーシス
その他全身倦怠感、頭痛、頭重、眠気

注1)これらは乳酸アシドーシスの初期症状であることもあるので、注意すること。
注2)この様な場合には、投与を中止すること。

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