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エスゾピクロン錠1mg「アメル」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 不眠症

用法・用量

  • 通常、成人にはエスゾピクロンとして1回2mgを、高齢者には1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、成人では1回3mg、高齢者では1回2mgを超えないこととする。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の服用後に、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)があらわれることがある。また、入眠までの、あるいは中途覚醒時の出来事を記憶していないことがあるので注意すること。[9.1.5、11.1.6参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分又はゾピクロンに対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重症筋無力症の患者[筋弛緩作用により症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.3 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 肺性心、肺気腫、気管支喘息及び脳血管障害の急性期等で呼吸機能が高度に低下している患者
治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。炭酸ガスナルコーシスを起こしやすい。[11.1.3参照]
9.1.2 衰弱者
薬物の作用が強くあらわれ、副作用が発現しやすい。
9.1.3 心障害のある患者
血圧低下があらわれるおそれがあり、症状の悪化につながるおそれがある。
9.1.4 脳に器質的障害のある患者
作用が強くあらわれるおそれがある。
9.1.5 本剤により睡眠随伴症状(夢遊症状等)として異常行動を発現したことがある患者
投与の中止を検討すること。重篤な自傷・他傷行為、事故等に至る睡眠随伴症状を発現するおそれがある。[1.、11.1.6参照]
9.2 腎機能障害患者
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。[7.3、16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤のクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがある。[7.3、16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
妊娠後期に本剤を投与された患者より出生した児に呼吸抑制、痙攣、振戦、易刺激性、哺乳困難等の離脱症状があらわれるおそれがある。なお、これらの症状は、新生児仮死として報告される場合もある。
9.6 授乳婦
授乳を避けさせること。ヒト母乳中に移行し、新生児に嗜眠を起こすおそれがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
1回1mgを投与することとし、増量する場合には2mgを超えないこと。高齢者での薬物動態試験で、血中濃度が高い傾向が認められており、運動失調等の副作用が起こりやすい。[16.6.3参照]

8.重要な基本的注意

8.1 連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。[11.1.2参照]
8.2 本剤の影響が翌朝以降に及び、眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 通常用量を超えて増量する場合には、患者の状態を十分に観察しながら慎重に行うこととし、症状の改善に伴って減量に努めること。
7.2 本剤は就寝直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中で一時的に起床して仕事等で活動する可能性があるときは服用させないこと。
7.3 高度の肝機能障害又は高度の腎機能障害のある患者では、1回1mgを投与することとし、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお増量する場合には、1回2mgを超えないこと。[9.2、9.3、16.6.1、16.6.2参照]
7.4 本剤は食事と同時又は食直後の服用は避けること。
食後投与では、空腹時投与に比べ本剤の血中濃度が低下することがある。[16.2.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 日本人健康成人を対象に、エスゾピクロン1~3mgを1日1回7日間反復経口投与したときの初回投与時及び投与後7日目の薬物動態パラメータを表に示した。エスゾピクロンのCmax及びAUC0-lastは投与量の増加に伴い増加した。
反復投与時の薬物動態パラメータ
投与量(mg)投与時期Cmax(ng/mL)tmax(hr)AUC0-last(ng・hr/mL)t1/2(hr)
11日目14.52±4.461.3(0.5-1.5)79.60±36.17
7日目14.71±3.971.0(0.5-1.5)88.71±36.334.83±0.89
21日目25.40±7.401.0(0.5-2.0)147.89±57.47
7日目27.02±5.221.0(0.5-2.0)168.69±67.545.08±1.62
31日目37.03±5.701.5(0.5-2.0)222.25±36.95
7日目37.59±5.540.8(0.5-2.0)252.63±59.175.16±0.85
Mean±SD、ただしtmaxは中央値(最小値-最大値)AUC0-lastは投与時から定量が可能であった最終採血時間までの血漿中濃度-時間曲線下面積を示す。1mg及び3mg:n=8、2mg:n=9
16.1.2 生物学的同等性試験
エスゾピクロン錠2mg「アメル」及びエスゾピクロン錠3mg「アメル」と各標準製剤について、下記のとおりクロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
標準製剤試験投与量
エスゾピクロン錠2mg「アメル」ルネスタ錠2mgそれぞれ1錠(エスゾピクロンとして2mg)
エスゾピクロン錠3mg「アメル」ルネスタ錠3mgそれぞれ1錠(エスゾピクロンとして3mg)
薬物動態パラメータ(生物学的同等性)
判定パラメータ参考パラメータ
AUC(0→24)(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
エスゾピクロン錠2mg「アメル」137.237±32.82027.349±6.7210.71±0.255.55±0.80
ルネスタ錠2mg136.694±34.77127.263±8.3790.74±0.585.59±0.77
(Mean±S.D.,n=24)
血漿中未変化体濃度(生物学的同等性)
薬物動態パラメータ(生物学的同等性)
判定パラメータ参考パラメータ
AUC(0→24)(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
エスゾピクロン錠3mg「アメル」205.263±47.02039.064±12.4100.78±0.545.83±0.75
ルネスタ錠3mg199.665±44.16936.159±10.8760.73±0.385.92±0.75
(Mean±S.D.,n=29)
血漿中未変化体濃度(生物学的同等性)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
日本人健康成人男性を対象に、エスゾピクロン3mgを単回経口投与したとき、絶食下と比較して摂食下ではエスゾピクロンのCmaxは30%低下し、AUC0-24は変化しなかった。またtmaxの中央値は2.5時間遅延した。[7.4参照]
16.4 代謝
エスゾピクロンは経口投与後、様々な酸化的代謝を受け、血漿中の主代謝物は(S)-ゾピクロンN-オキシド及び(S)-N-脱メチルゾピクロンである。このうち、前者は受容体に対する結合能を示さず、後者は中枢ベンゾジアゼピン受容体に結合するものの、エスゾピクロンと比較して結合性は約21倍低かった。
In vitro代謝試験により、エスゾピクロンの代謝にはCYP3A4及びCYP2E1が関与していることが示された。[10.参照]
16.5 排泄
外国人健康成人男性に14C標識-ゾピクロン7.5mgを単回経口投与したとき、投与後120時間までに、投与した放射能の74.8%が尿中に排泄され、そのうち約85%が投与後24時間までに排泄された。糞中には、15.8%が排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
軽度、中等度及び高度の腎機能障害患者におけるエスゾピクロンのCmaxは、健康成人と比べてそれぞれ22%、8%及び25%上昇し、AUC0-infは40%、28%及び45%増加した。また、t1/2はそれぞれ19%、24%及び33%延長した。(S)-脱メチルゾピクロンのAUC0-infはそれぞれ40%、88%及び127%増加した(外国人データ)。[7.3、9.2参照]
16.6.2 肝機能障害患者
軽度、中等度及び高度の肝機能障害患者におけるエスゾピクロンのCmaxは、健康成人と比べてそれぞれ13%、29%及び25%低下し、AUC0-infは軽度では4%減少し、中等度及び高度では5%及び80%増加した。また、t1/2はそれぞれ2%、66%及び130%延長した(外国人データ)。[7.3、9.3参照]
16.6.3 高齢者
日本人高齢者(平均年齢69歳)を対象に、エスゾピクロン3mg注)を7日間反復投与したときのCmax及びAUC0-24は、健康成人と比べていずれも32%増加し、t1/2は64%延長した。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール
健康成人にエスゾピクロン3mgとケトコナゾール400mgを1日1回5日間反復併用投与したとき、単独投与時と比較してエスゾピクロンのCmaxは43%上昇し、AUC0-τは125%増加した。また、ケトコナゾールのCmaxは18%低下し、AUC0-τは12%減少した(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 アルコール
健康成人にエスゾピクロン3.5mg注)とアルコール0.7g/kgを単回併用投与したとき、投与後4時間までに相加的な精神運動機能の障害が認められた(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 オランザピン
健康成人にエスゾピクロン3mgとオランザピン10mgを単回併用投与したとき、単独投与時と比較してエスゾピクロンのCmaxは変化せず、AUC0-lastは6.0%増加した。また、オランザピンのCmaxは8.4%低下し、AUC0-lastは変化しなかった。
一方、精神運動機能の指標となる数字符号置換検査(Digit symbol substitution test、DSST)スコアが、2剤併用時に大きく減少(精神運動機能が悪化)した(外国人データ)。
16.7.4 ロラゼパム
健康成人にエスゾピクロン3mgとロラゼパム2mgを単回併用投与したとき、単独投与時と比較してエスゾピクロンのCmaxは22.6%低下し、AUC0-lastは7.0%減少した。また、ロラゼパムのCmaxは21.3%低下し、AUC0-lastは9.5%減少した(外国人データ)。
16.7.5 パロキセチン
健康成人にエスゾピクロン3mgとパロキセチン20mgを単回併用投与したとき、単独投与時と比較してエスゾピクロンのCmaxは11.6%上昇し、AUC0-lastは9.3%増加した。また、パロキセチンのCmaxは1.6%上昇し、AUC0-lastは3.5%減少した(外国人データ)。
16.7.6 ジゴキシン
健康成人にジゴキシンを1日目に0.5mgを2回投与し、2~6日目に1日1回0.25mgを経口投与した後、7日目にエスゾピクロン3mgとジゴキシン0.25mgを併用投与したとき、ジゴキシンのCmaxは12.3%低下したが、AUC0-τは変化しなかった(外国人データ)。
16.7.7 (R,S)-ワルファリン
健康成人にエスゾピクロン3mgを1日1回5日間反復投与し、5日目に(R,S)-ワルファリン25mgを併用投与したとき、(R)-ワルファリン及び(S)-ワルファリンのCmax及びAUC0-lastは変化しなかった(外国人データ)。
16.8 その他
エスゾピクロン錠1mg「アメル」について、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づき、エスゾピクロン錠2mg「アメル」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。
注)本剤の承認された用法及び用量は「通常、成人にはエスゾピクロンとして1回2mgを、高齢者には1回1mgを就寝前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、成人では1回3mg、高齢者では1回2mgを超えないこととする。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
筋弛緩薬
スキサメトニウム塩化物水和物
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
パンクロニウム臭化物
中枢神経抑制剤
フェノチアジン誘導体
バルビツール酸誘導体 等
これらの作用が増強されることがあるので、併用しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には慎重に投与すること。相加的に抗痙攣作用、中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。
アルコール(飲酒)
[16.7.2参照]
相互に作用を増強することがある。飲酒により中枢神経抑制作用が増強されることがある。
麻酔時
チアミラールナトリウム
チオペンタールナトリウム 等
[11.1.3参照]
呼吸抑制があらわれることがあるので、慎重に投与すること。本剤により呼吸抑制があらわれることがあり、麻酔により相加的に呼吸が抑制される可能性がある。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤
リファンピシン 等
本剤の代謝を促進し、作用を減弱させるおそれがある。これらの薬剤の肝代謝酵素誘導作用により、本剤の代謝が促進され、効果の減弱を来すことがある。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
イトラコナゾール 等
[16.7.1参照]
本剤の代謝を阻害し、作用を増強させるおそれがある。これらの薬剤の肝代謝酵素阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血漿中濃度が増加するおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
蕁麻疹、血管浮腫等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2 依存性(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不安、異常な夢、悪心、胃不調、反跳性不眠等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[8.1参照]
11.1.3 呼吸抑制(頻度不明)
呼吸機能が高度に低下している患者に投与した場合、炭酸ガスナルコーシスを起こすおそれがあるので、このような場合には気道を確保し、換気を図るなど適切な処置を行うこと。[9.1.1、10.2参照]
11.1.4 肝機能障害
AST、ALT、Al-P、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害(1%未満)、黄疸(頻度不明)があらわれることがある。
11.1.5 精神症状、意識障害
悪夢(異常な夢)、意識レベルの低下(各0.3%)、興奮(激越)、錯乱(錯乱状態)、幻覚、攻撃性、せん妄、異常行動(いずれも頻度不明)等があらわれることがある。
11.1.6 一過性前向性健忘、もうろう状態、睡眠随伴症状(夢遊症状等)(いずれも頻度不明)
本剤を投与する場合には少量から開始するなど、慎重に投与すること。
なお、十分に覚醒しないまま、車の運転、食事等を行い、その出来事を記憶していないとの報告がある。[1.、9.1.5参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3%以上1~3%未満1%未満頻度不明
精神神経系傾眠頭痛、浮動性めまい不安、注意力障害、異常な夢、うつ病神経過敏、記憶障害、錯感覚、思考異常、感情不安定、錯乱状態
過敏症発疹、そう痒症
消化器味覚異常口渇口腔内不快感、口内乾燥、下痢、便秘、悪心消化不良、嘔吐
肝臓AST、ALT、Al-P、γ-GTP、ビリルビンの上昇
その他倦怠感、湿疹、尿中ブドウ糖陽性、尿中血陽性リビドー減退、筋肉痛、片頭痛、背部痛、高血圧、末梢性浮腫
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