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アリケイス吸入液590mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 適応菌種

    • アミカシンに感性のマイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)
  • 適応症

    • マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)による肺非結核性抗酸菌症

用法・用量

  • 通常、成人にはアミカシンとして590mg(力価)を1日1回ネブライザを用いて吸入投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分並びに他のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴のある患者
9.1.1 第8脳神経障害又はその疑いのある患者
第8脳神経障害が発現又は増悪するおそれがある。[11.1.3参照]
9.1.2 重症筋無力症等の神経筋障害又はその疑いのある患者
本剤は神経筋遮断作用を有するため、呼吸抑制があらわれることがある。
9.2 腎機能障害患者
腎機能障害患者では高い血中濃度が持続し、腎障害の悪化及び第8脳神経障害の副作用が強くあらわれるおそれがある。腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[8.1、11.1.3参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ投与すること。妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤吸入投与によるヒト母乳中への移行は不明であるが、アミカシンを筋肉内投与した場合、ヒト母乳中に移行することが報告されている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
一般に生理機能が低下しているため、高い血中濃度が持続し、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。

8.重要な基本的注意

8.1 めまい、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、特に血中濃度が高くなりやすい患者(腎機能障害患者、高齢者、長期間投与患者等)では聴力検査を実施することが望ましい。[11.1.3参照]
8.2 急性腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.4参照]
8.3 ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、アレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと。[11.1.5参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
ラミラネブライザシステムの使用方法を患者に十分に指導すること。[7.1参照]
14.2 薬剤投与時の注意
本剤は使用前に室温20~25℃に戻してから使用すること。使用時にはバイアルを少なくとも10~15秒間激しく振り混ぜ、内容物が均一でよく混ざるようになるまで本剤を調製する。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤を吸入する際には、専用のネブライザであるラミラネブライザシステムを使用すること。[14.1参照]
7.2 使用にあたっては、ガイドライン等を参照し、多剤併用療法と併用すること。
7.3 喀痰培養陰性化が認められた以降も、一定期間は本剤の投与を継続すること。臨床試験においては、喀痰培養陰性化が認められた以降に最大12ヵ月間、本剤の投与を継続した。[17.1.1参照]
7.4 投与開始後12ヵ月以内に喀痰培養陰性化が得られない場合は、本剤の継続投与の必要性を慎重に再考すること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の適用は、肺MAC症に対する多剤併用療法による前治療において効果不十分な患者に限定すること。

16.薬物動態

16.1 喀痰・血清濃度
16.1.1 喀痰濃度(反復投与時)
肺MAC症患者に対する本剤の1日1回の吸入において、吸入後1~4時間の喀痰濃度は、それぞれ、1、3、6ヵ月でそれぞれ1720、884、1300μg/gで、アミカシン濃度の高い変動を認めた(CV%>100%)。吸入48~72時間後、アミカシン喀痰濃度は吸入1~4時間後の濃度の約5%に低下した。
16.1.2 血清濃度(反復投与時)
肺MAC症患者(53例、日本人28例を含む)に本剤590mg1日1回吸入反復投与したときの血清中アミカシン濃度データ(53例、418点)及び尿中アミカシン濃度データ(14例、23点)を用いて母集団薬物動態解析を行った結果、平均血清AUC0-24は20.4μg・hr/mL(範囲:4.3~55.6μg・hr/mL)、平均血清Cmaxは2.27μg/mL(範囲:0.48~6.87μg/mL)、平均血清Cminは0.16μg/mL(範囲:0.02~0.84μg/mL)であり、平均血清消失半減期は5.70時間(範囲:3.29~14.0)であった。
16.2 吸収
本剤のバイオアベイラビリティは、主に吸入送達効率の個人差及び患者の気道病変状態の違いにより異なることが予想される。
16.3 分布
アミカシンは血清タンパク質に10%以下で結合している。本剤投与後の平均の総見かけ分布容積は約5.0L/kgである。
16.4 代謝
アミカシンは著しい代謝を受けない。
16.5 排泄
本剤投与後、全身に吸収されたアミカシンは、主に糸球体ろ過により排泄される。肺MAC症患者に本剤590mg1日1回反復吸入投与した時の投与終了後24時間までの累積尿中未変化体排泄率の平均値(14例)は7.42%(範囲:0.72~22.6%)であった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ループ利尿剤
エタクリン酸
フロセミド
アゾセミド
腎障害及び聴力障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。
腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
バンコマイシン
エンビオマイシン
白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)
腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明。
神経筋遮断剤
麻酔剤
筋弛緩剤
ツボクラリン
パンクロニウム臭化物
ベクロニウム臭化物
トルペリゾン
A型ボツリヌス毒素製剤
呼吸抑制があらわれるおそれがある。呼吸抑制があらわれた場合には必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。両薬剤とも神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。
腎毒性を有する薬剤
シクロスポリン
アムホテリシンB
腎障害が発現、悪化するおそれがある。両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 過敏性肺臓炎(2.7%)
11.1.2 気管支痙攣(21.5%)
11.1.3 第8脳神経障害(15.1%)
めまい、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.4 急性腎障害(3.2%)[8.2参照]
11.1.5 ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上1%以上5%未満1%未満
血液及びリンパ系白血球減少
心臓障害動悸
耳及び迷路耳鳴耳の不快感
難聴
耳痛
めまい
眼障害流涙低下
胃腸障害口内乾燥
悪心
下痢
腹痛
舌炎
舌変色
嘔吐
全身障害及び投与部位の状態疲労胸部不快感悪寒
発熱
無力症
感染症及び寄生虫症気管支炎
喉頭炎
口腔カンジダ症
臨床検査体重減少呼吸音異常
代謝及び栄養障害食欲減退
筋骨格系及び結合組織障害関節痛胸筋骨格痛
筋肉痛
神経系障害失声
めまい
味覚不全
頭痛
錯感覚
平衡障害
精神障害不眠症
腎及び尿路障害血尿
呼吸器、胸郭及び縦隔障害咳嗽
発声障害
呼吸困難
喀血
口腔咽頭痛
喀痰を伴う咳嗽
鼻漏
唾液増加
喉の炎症
喘鳴
慢性閉塞性肺疾患
咽頭紅斑
ラ音
鼻詰まり
声帯炎症
皮膚及び皮下組織障害寝汗
掻痒
発疹
皮膚乾燥
多汗症
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