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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防

用法・用量

  • 通常、成人には、イネビリズマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを初回、2週後に点滴静注し、その後、初回投与から6ヵ月後に、以降6ヵ月に1回の間隔で点滴静注する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤についての十分な知識と適応疾患の治療の知識・経験を持つ医師が使用すること。
  • 1.2 本剤と同様なB細胞減少作用を有する抗CD20モノクローナル抗体製剤を投与したB型肝炎ウイルスキャリアの患者で、治療期間中又は治療終了後に、劇症肝炎又は肝炎の増悪、肝不全による死亡例が報告されている。[8.1、9.1.1参照]
  • 1.3 治療開始に際しては、重篤な感染症等の副作用があらわれることがあること及び本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含めて患者に十分説明し、理解したことを確認した上で、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ本剤を投与すること。[8.2、8.3、9.1.2、11.1.2参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 活動性B型肝炎患者、B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
活動性B型肝炎患者では、肝炎の治療を優先すること。本剤の治療期間中及び治療終了後は、継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。抗CD20モノクローナル抗体製剤が投与されたB型肝炎ウイルスのキャリアの患者又は既往感染者において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されている。[1.2、8.1参照]
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
感染症を合併している場合は感染症の治療を優先すること。[1.3、8.2、8.3、11.1.2参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に投与する場合には、本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5.1参照]
9.5 妊婦
9.5.1 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ヒトCD19トランスジェニックマウスに妊娠前から妊娠期間中に投与した試験で、受胎率の低下、本剤の胎児への移行及び胎児のB細胞数減少が認められており、ヒトCD19トランスジェニックマウスに妊娠期間中から授乳期間中に投与した試験で、出生児のB細胞減少及び抗体産生能低下が認められている。マウス出生児のB細胞減少は出生後357日までに回復したが、抗体産生能は出生後399日の成熟期に達した後も持続的な低下が認められている。[9.4、9.5.2、9.6参照]
9.5.2 IgG抗体は胎盤通過性があることが知られている。本剤の投与を受けた患者からの出生児においては、感染のリスクが高まる可能性があるため、生ワクチン又は弱毒生ワクチンを接種する際には注意が必要である。[9.5.1参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。[9.5.1参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤と同様なB細胞減少作用を有する抗CD20モノクローナル抗体製剤によるB型肝炎ウイルスの再活性化のリスクが報告されているため、本剤投与に先立ってB型肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。[1.2、9.1.1参照]
8.2 本剤投与により免疫グロブリン濃度の低下、並びに白血球、好中球及びリンパ球が減少し、感染症が生じる又は悪化するおそれがある。本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、感染症の自他覚症状に注意し、異常が見られる場合には、速やかに医療機関に相談するよう、患者を指導すること。[1.3、9.1.2、11.1.2、16.8.1参照]
8.3 本剤投与によりB細胞数が減少し、本剤投与中止後も長期間にわたりB細胞数の減少が持続する。本剤投与中止後においても、免疫抑制作用により細菌やウイルス等による感染症が生じる又は悪化する可能性があるので、患者の状態を十分に観察すること。[1.3、9.1.2、11.1.2、16.8.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 滅菌シリンジを用いてバイアルから全量を抜き取り、3バイアル分の本剤を日局生理食塩液250mL点滴バッグ内に注入し、希釈して用いること。
14.1.2 希釈後に静かに転倒混和すること。抗体が凝集するおそれがあるので、希釈時及び希釈後に泡立つような激しい振動を加えないこと。
14.1.3 微粒子及び変色がないか、目視検査を行うこと。溶液の混濁、変色又は異物を認めたものは使用しないこと。
14.1.4 希釈した液を投与前に室温になるまで放置すること。(加熱しないこと。)
14.1.5 希釈した液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存する場合は、希釈した液を2℃~8℃で保存し、24時間以内に使用すること。希釈した液を25℃以下で保存する場合は、4時間以内に使用すること。使用後の残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 本剤は独立したラインにて投与するものとし、他の注射剤、輸液等と混合しないこと。
14.2.2 無菌の蛋白結合性の低い0.2又は0.22μmのインラインフィルターを使用すること。
14.2.3 本剤投与時は、患者の状態を十分に観察しながら、以下の表に記載した投与速度を参考に、90分以上かけて投与すること。投与後少なくとも1時間は患者の観察を行う。
時間投与速度(mL/時)
0~30分42
31~60分125
61分~333

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 Infusion reactionのリスクを低減し症状をコントロールするため、本剤投与の30分~1時間前に抗ヒスタミン薬及び解熱鎮痛剤を経口投与にて、本剤投与の30分前に副腎皮質ホルモン剤を静脈内投与にて前投与し、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]
7.2 本剤の血中濃度低下により再発のおそれがあるため、投与間隔を遵守すること。
7.3 本剤を一定期間投与後、再発の頻度について検討し、再発の頻度の減少が認められない患者では、本剤の投与中止を検討すること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は、視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の患者に使用すること注)
注)「多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017」(日本神経学会)を参考にすること。
5.2 抗アクアポリン4(AQP4)抗体陰性の患者において有効性を示すデータは限られている。本剤は、抗AQP4抗体陽性の患者に投与すること。[17.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
視神経脊髄炎スペクトラム障害患者173例を対象に、本剤300mgを1日目及び15日目に2回静脈内投与した際の血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである(日本人及び外国人データ)。
図1.本剤300mgを2週間隔で2回静脈内投与した際の幾何平均血清中濃度推移(173例)
薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL)CL(L/日)分布容積(Vss)(L)T1/2(日)
1st dose:97.7(37.4)
(N=173)
2nd dose:108(45.4)
(N=168)
0.2(34.3)
(N=137)
4.21(27.3)
(N=137)
18(27.2)
(N=137)
[幾何平均値(幾何CV%)]
16.3 分布
ヒトCD19トランスジェニックマウスに本薬3及び30mg/kgを週1回5週間反復静脈内投与したとき、妊娠18日目の母体に対する胎児中の本薬の濃度比は本薬3及び30mg/kgでそれぞれ114及び31.1%であり、胎児に本薬が移行することが示唆された。
16.8 その他
16.8.1 薬力学
再発型多発性硬化症a)患者22例にプラセボ又は本剤30、100及び600mgを1日目及び15日目に2回静脈内投与b)した際のB細胞数の推移は下記のとおりである(外国人データ)。[8.2、8.3参照]
a)本剤の承認効能又は効果
視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防
b)本剤の承認用法及び用量
1回300mgを初回、2週後に点滴静注し、その後、初回投与から6ヵ月後に、以降6ヵ月に1回の間隔で点滴静注する。
図2.プラセボ又は本剤30、100、600mgを2週間隔で2回静脈内投与した際のベースラインに対するB細胞数の推移(中央値)
FU:観察期間

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
生ワクチン又は弱毒生ワクチン生ワクチン又は弱毒生ワクチンの接種が必要な場合は本剤による治療開始の4週間前までに投与を完了させること。また、B細胞数が回復するまで、生ワクチン又は弱毒生ワクチンの接種は控えること。接種した生ワクチンの原病に基づく症状が発現した場合には適切な処置を行う。本剤の作用機序により発病するおそれがある。
不活化ワクチンワクチンの効果を減弱させるおそれがある。本剤の作用機序によりワクチンに対する免疫が得られないおそれがある。
免疫抑制作用を有する薬剤
免疫抑制剤
副腎皮質ホルモン剤等
発熱などの感染症(細菌及びウイルス等)に基づく症状が発現した場合は、適切な処置を行う。過度の免疫抑制作用による感染症誘発の危険性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。
11.1.1 Infusion reaction(12.0%)
頭痛、悪心、傾眠、呼吸困難、発熱、筋肉痛、発疹等があらわれることがある。臨床試験において、infusion reactionは初回投与時に多く認められたが、2回目投与以降の投与時にも認められている。異常が認められた場合には投与中断、中止、投与速度を緩める等の対応を行い、適切な処置を行うこと。また、重度のinfusion reactionがあらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。[7.1参照]
11.1.2 感染症(12.4%)
細菌、真菌、あるいはウイルスによる感染症(肺炎等)があらわれることがあるので、本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察すること。[1.3、8.2、8.3、9.1.2参照]
11.1.3 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明)
本剤の治療期間中及び治療終了後は患者の状態を十分に観察すること。意識障害、認知機能障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、構音障害、失語等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を行うとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する等、適切な処置を行うこと。

1%以上5%未満1%未満
精神・神経系頭痛浮動性めまい、感覚鈍麻、急性散在性脳脊髄炎、非定型視神経脊髄炎関連疾患発作、うつ病、睡眠の質低下、不眠症
血液貧血、リンパ球数減少、好中球減少症白血球減少症、白血球増加症、好酸球百分率増加
循環器拡張機能障害、左室肥大
呼吸器咳嗽咽喉乾燥、咽喉刺激感、呼吸困難
肝胆道系脂肪肝
泌尿器夜間頻尿
消化器悪心、下痢便秘、食道痛、嘔吐
皮膚脱毛症湿疹、発疹、そう痒性皮疹、蕁麻疹、斑状丘疹状皮疹、そう痒症、円形脱毛症、水疱、皮膚乾燥、乾癬、紅斑、神経皮膚炎、点状出血、前癌性皮膚病変
ドライアイ、眼の炎症、眼痛、霧視
耳痛、耳鳴、回転性めまい
筋・骨格系関節痛背部痛、筋骨格痛、頚部痛、四肢痛、滑液包炎
免疫系過敏症、免疫抑制
代謝高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、抗利尿ホルモン不適合分泌
臨床検査肝機能検査値上昇、ALT増加、AST増加、γ-GTP増加、血中免疫グロブリンG減少
その他末梢性浮腫悪寒、発熱、不快感、疲労、体重減少、注入部位疼痛、疼痛、末梢腫脹、口渇、寝汗、心停止後症候群、乳腺線維腺腫、下垂体の良性腫瘍
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