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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌
  • FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍

用法・用量

  • <がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌>

    • 通常、成人には、ペミガチニブとして1日1回13.5mgを14日間経口投与した後、7日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍>

    • 通常、成人には、ペミガチニブとして1日1回13.5mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重度の腎機能障害患者(eGFRが30mL/min/1.73m2未満)
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害患者(Child-Pugh分類B又はC)
減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤の血中濃度が上昇することがあり、副作用が強くあらわれるおそれがある。[16.6.2参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.4.2 パートナーが妊娠している又は妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間はバリア法(コンドーム)を用いるよう指導すること。精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性がある。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
ラットを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量未満に相当する用量で胎児骨格異常の発生が報告されている。[9.4.1、9.4.2、9.6参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5、15.2参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 網膜剥離があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に眼科検査を行うなど観察を十分に行うこと。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診するよう患者を指導すること。[7.2、11.1.1参照]
8.2 高リン血症があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血清リン濃度を測定し、血清リン濃度の変動に注意すること。[7.2、11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して休薬・減量・中止すること。[8.1、8.2、11.1、11.2参照]
減量の目安
減量レベル投与量
がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍
通常投与量13.5mg13.5mg
1段階減量9mg9mg
2段階減量4.5mg4.5mg
3段階減量投与中止原則投与中止注)
注)2段階減量時点で奏効が認められ、かつ治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、4.5mgを14日間投与後に7日間休薬を1サイクルとして投与を継続することができる。4.5mgを14日間投与後に7日間休薬で副作用が発現した場合には投与を中止すること。
副作用に対する休薬、減量及び中止基準
副作用程度注1)処置
網膜剥離・症状がある場合又は検査で異常が認められた場合は、本剤を休薬する。
・休薬後、改善した場合は、1段階減量して本剤の投与を再開できる。改善しない場合は、本剤の投与を中止する。
高リン血症血清リン濃度
5.5mg/dL超~7mg/dL以下
・リン制限食を開始する。
血清リン濃度
7mg/dL超~10mg/dL以下
・リン制限食に加え、高リン血症治療剤の投与を開始する。高リン血症治療剤の投与開始後2週間を超えても継続する場合は、本剤を休薬する。
・休薬後7mg/dL未満まで改善した場合は、同一用量で本剤の投与を再開できる。
・再発が認められた場合は、1段階減量して本剤の投与を再開する。
血清リン濃度
10mg/dL超
・リン制限食に加え、高リン血症治療剤の投与を開始する。高リン血症治療剤の投与開始後1週間を超えても継続する場合は、本剤を休薬する。
・休薬後7mg/dL未満まで改善した場合は、1段階減量して本剤の投与を再開できる。
上記以外の副作用Grade3・Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬し、回復後、1段階減量して本剤の投与を再開できる。
・休薬後2週間を超えても継続する場合は、本剤の投与を中止する。
Grade4・本剤の投与を中止する。
注1)GradeはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる。

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1、17.1.2参照]
<がん化学療法後に増悪したFGFR2融合遺伝子陽性の治癒切除不能な胆道癌>
5.2 本剤の一次治療としての有効性及び安全性は確立していない。
5.3 本剤の術後補助療法における有効性及び安全性は確立していない。
5.4 十分な経験を有する病理医又は検査施設により、FGFR2融合遺伝子が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
<FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍>
5.5 染色体検査又は遺伝子検査により8p11染色体領域の転座が確認され、FGFR1融合遺伝子陽性の骨髄性又はリンパ性腫瘍と診断された患者に投与すること。なお、FGFR1融合遺伝子陽性の確認は、十分な経験を有する検査施設において実施すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与及び反復投与
日本人進行固形癌患者に本剤9、13.5又は18mg注2)を空腹時に単回経口投与、及び1日1回14日間反復経口投与したときのペミガチニブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。Cmax及びAUCは18mgまでの範囲で概ね用量に比例した増加を示した。
日本人進行固形癌患者に本剤9、13.5又は18mg注2)を単回経口投与したときの、ペミガチニブの血漿中濃度推移(平均値±標準誤差)
日本人進行固形癌患者に本剤9、13.5又は18mg注2)を単回経口投与したときの薬物動態パラメータの要約
投与量(症例数)Cmax(nM)Tmax(h)AUC0-24(h・nM)
9mg(n=3)110(32.1)1.90(0.783,3.95)1120(12.2)
13.5mg(n=36)216(77.0)1.43(0.50,6.00)1880(41.2)
18mg(n=5)344(96.7)1.02(0.467,6.02)3310(33.7)
値は幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmaxは中央値(範囲)で示した。
日本人進行固形癌患者に本剤9、13.5又は18mg注2)を1日1回14日間反復経口投与したときのペミガチニブの血漿中濃度推移(平均値±標準誤差)
日本人進行固形癌患者に本剤9、13.5又は18mg注2)を1日1回14日間反復経口投与したときの薬物動態パラメータの要約
投与量(症例数)Cmax,ss(nM)Tmax(h)Cmin,ss(nM)CLss/F(L/h)Vz/F(L)AUCss,0-24(h・nM)t1/2(h)
9mg(n=3)127(89.9)0.967(0.917,1.00)60.4(92.9)8.99(91.0)209(48.1)2050(91.0)16.1(43.6)
13.5mg(n=33)195(77.8)1.02(0.75,24.0)56.0(61.0)10.2(55.5)201(76.9)2720(55.5)13.6(49.2)
18mg(n=3)385(81.1)0.83(0.00,1.00)199.0(24.7)5.63(43.8)154(116)6560(43.8)18.9(54.3)
値は幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmaxは中央値(範囲)で示した。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
進行固形癌患者12例に本剤13.5mgを食後(高脂肪食、高カロリー食)単回経口投与したとき、空腹時投与に対する食後投与におけるペミガチニブのCmax及びAUC0-24hの幾何平均値の比はそれぞれ0.817及び1.11であった(外国人データ)。
16.3 分布
ペミガチニブのヒト血漿タンパク結合率は88.8%であり、主にヒト血清アルブミンと結合していた(in vitro)。
16.4 代謝
ペミガチニブは主にCYP3A4によって代謝される(in vitro)。[10.参照]
健康成人7例に14C標識体を含む本剤13mg注2)を単回経口投与したとき、投与24時間後までの血漿中に主に未変化体が検出された(血漿中総放射能に対する割合は、64.5%)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人7例に14C標識体を含む本剤13mg注2)を単回経口投与したとき、投与240時間後までに投与した放射能の82.4及び12.6%が糞中及び尿中に排泄された。また、投与144時間後までに投与した放射能の1.4%が糞中に、及び投与48時間後までに投与した放射能の1.0%が尿中に、それぞれ未変化体として排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
本剤9mg注2)を単回経口投与したとき、腎機能が正常な被験者(8例)に対する重度(推算糸球体濾過量(eGFR)が30mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害患者(8例)のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.646及び1.59であった。腎機能が正常な被験者(7例)に対する血液透析を受けている末期腎不全患者のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、本剤を血液透析の実施4時間前に投与した患者(7例)においてはそれぞれ0.775及び0.768であり、また、血液透析の実施1時間後に投与した患者(7例)においてはそれぞれ0.900及び0.913であった(外国人データ)。[9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害患者
本剤9mg注2)を単回経口投与したとき、肝機能が正常な被験者(8例)に対する中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害患者(8例)のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.967及び1.46であった。肝機能が正常な被験者(7例)に対する重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害患者(7例)のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.942及び1.74であった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 リファンピシン
健康成人18例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回9日間反復経口投与し、本剤13.5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.38及び0.149であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 イトラコナゾール
健康成人18例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回8日間反復経口投与し、本剤4.5mg注2)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.17及び1.88であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 エリスロマイシン、ジルチアゼム
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(13.5mgを単回投与)単独投与時に対するエリスロマイシン(中程度のCYP3A阻害剤)(500mgを1日2回投与)併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.16及び1.66と推定された。また、本剤(13.5mgを単回投与)単独投与時に対するジルチアゼム(中程度のCYP3A阻害剤)(60mgを1日3回投与)併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ1.13及び1.51と推定された。
16.7.4 エファビレンツ
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(13.5mgを単回投与)単独投与時に対するエファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)(600mgを1日1回投与)併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCの幾何平均値の比は、それぞれ0.758及び0.482と推定された。
16.7.5 その他
(1)健康成人17例にエソメプラゾール(プロトンポンプ阻害剤)40mgを1日1回6日間反復経口投与し、本剤13.5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するエソメプラゾール併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.653及び0.921であった(外国人データ)。
(2)健康成人18例にラニチジン(H2受容体拮抗剤)150mgを1日2回3日間反復経口投与した後ラニチジン150mgを単回経口投与し、本剤13.5mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するラニチジン併用投与時のペミガチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.979及び1.03であった(外国人データ)。
(3)ペミガチニブはP-gp及びBCRPの基質である(in vitro)。
注2)本剤の承認された用量は13.5mgである。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
リファンピシン、フェニトイン、カルバマゼピン等
[16.7.1参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
強い又は中程度のCYP3A阻害剤
クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ベラパミル等
[16.7.2参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、これらの薬剤との併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 網膜剥離(6.1%)
網膜色素上皮剥離、網膜剥離等があらわれることがある。飛蚊症、視野欠損、光視症、視力低下等が認められた場合には、眼科検査を実施し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[7.2、8.1参照]
11.1.2 高リン血症(59.5%)[7.2、8.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満5%以上5%未満
血液及びリンパ系障害貧血血小板数減少、白血球数減少、好中球数減少、血中クレアチニン増加
眼障害ドライアイ(33.8%)、睫毛乱生、角膜障害、結膜炎霧視眼痛、羞明
胃腸障害下痢(42.6%)、口内炎(45.3%)、口内乾燥(35.1%)、悪心、便秘、腹痛嘔吐腹部膨満、消化不良、胃食道逆流性疾患、嚥下障害
一般・全身障害及び投与部位の状態疲労(36.5%)、体重減少末梢性浮腫
肝胆道系障害ALP増加高ビリルビン血症、ALT増加、AST増加、トランスアミナーゼ上昇
感染症及び寄生虫症爪真菌症、尿路感染
代謝及び栄養障害食欲減退、低リン血症高カルシウム血症、ビタミンD減少脱水、低ナトリウム血症
筋骨格系及び結合組織障害関節痛、四肢痛筋肉痛背部痛、筋痙縮、筋骨格痛、筋力低下
神経系障害味覚障害(39.2%)浮動性めまい、末梢性ニューロパチー、頭痛錯感覚、記憶障害
腎及び尿路障害急性腎障害、排尿困難
呼吸器、胸郭及び縦隔障害鼻出血、鼻乾燥口腔咽頭痛、呼吸困難、鼻閉
皮膚及び皮下組織障害脱毛症(56.8%)、爪の障害(49.3%)、手掌・足底発赤知覚不全症候群、皮膚乾燥発疹、爪囲炎、紅斑ざ瘡様皮膚炎、そう痒症、毛髪成長異常、陥入爪、皮膚潰瘍
その他血中副甲状腺ホルモン減少
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