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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • SARS-CoV-2による感染症

用法・用量

  • 通常、成人及び体重40kg以上の小児にはレムデシビルとして、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注する。
  • 通常、体重3.5kg以上40kg未満の小児にはレムデシビルとして、投与初日に5mg/kgを、投与2日目以降は2.5mg/kgを1日1回点滴静注する。
  • なお、総投与期間は10日までとする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
添加剤スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムの尿細管への蓄積により、腎機能障害が悪化するおそれがある。非臨床試験でレムデシビルに腎尿細管への影響が認められている。腎機能障害を有する患者を対象とした臨床試験は実施していない。[8.3、15.2、16.6.2参照]
9.2.1 重度の腎機能障害(成人、乳児、幼児及び小児はeGFRが30mL/min/1.73m2未満、正期産新生児(7日~28日)では血清クレアチニン1mg/dL以上)の患者
投与は推奨しない。治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与を考慮すること。[9.7、17.1.1、17.1.2参照]
9.3 肝機能障害患者
9.3.1 ALTが基準範囲上限の5倍以上の患者
投与しないことが望ましい。肝機能障害が悪化するおそれがある。肝機能障害を有する患者を対象とした臨床試験は実施していない。[8.1、11.1.1、16.6.3、17.1.1、17.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。妊娠ラット及びウサギを用いた胚・胎児への影響に関する試験で、レムデシビル20mg/kgまでを静脈内投与した場合(主要血中代謝物(ヌクレオシド類似体)の全身曝露量(AUC)が国内承認用量投与時曝露量の4倍に相当)、胚・胎児発生に対する影響は認められなかった。雌ラットを用いた受胎能及び初期胚発生への影響に関する試験において、レムデシビル10mg/kgを静脈内投与した場合(主要血中代謝物(ヌクレオシド類似体)の全身曝露量(AUC)が国内承認用量投与時曝露量の1.3倍に相当)、黄体数・胚着床数・生存胚数の減少が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、レムデシビル及びその代謝物が乳汁中へ移行することが認められている。
9.7 小児等
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。28日齢未満の小児等を対象とした臨床試験結果は得られていない。[16.6.1参照]
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多くみられる。

8.重要な基本的注意

8.1 肝機能障害があらわれることがあるので、投与前及び投与開始後は定期的に肝機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[9.3.1、11.1.1参照]
8.2 Infusion Reaction、アナフィラキシーを含む過敏症があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察するとともに、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、これらの発現を回避できる可能性があるため、本剤の緩徐な投与を考慮すること。[7.1、11.1.2参照]
8.3 添加剤スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリンナトリウムにより腎機能障害があらわれるおそれがあるので、投与前及び投与開始後は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[9.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 再溶解には、注射用水のみを用いること。
14.1.2 バイアルに19mLの注射用水を加え、直ちに30秒間撹拌し、2~3分間静置した後、澄明な溶液であることを確認する(濃度5mg/mL)。内容物が溶解しきれない場合は、撹拌及び静置を繰り返す。
14.1.3 容器施栓系に欠陥・変色がなく、溶液中に微粒子がないことを目視で確認する。欠陥・変色や微粒子がみられた場合は使用しないこと。
14.1.4 成人及び体重40kg以上の小児については、初日の投与(レムデシビルとして200mg)の場合は、2バイアルを用い、各バイアルから20mLずつ(合計40mL)を、2日目以降(レムデシビルとして100mg)の投与の場合は、1バイアルから20mLをとり、生理食塩液に添加して全量を100mL又は250mLとする。体重3.5kg以上40kg未満の小児については、表1及び表2を参考に調製する。
14.1.5 静かに20回を目安に反転させて混和させるが、振とうは避けること。
14.1.6 注射用水で溶解してから、20~25℃で24時間又は2~8℃で48時間以内に使用すること。
表1 初日の投与(体重3.5kg以上40kg未満の小児)
体重(kg)初日の投与量(mg)バイアル数希釈後のバイアルから抜き取る量(mL)生理食塩液に添加後の全量(mL)
3.517.513.525
42014
52515
7.537.517.550
1050110
1575115100
20100120
25125225(20+5)
30150230(20+10)
35175235(20+15)250
表2 2日目以降の投与(体重3.5kg以上40kg未満の小児)
体重(kg)体重40kg未満の小児における維持用量(mg)バイアル数希釈後のバイアルから抜き取る量(mL)生理食塩液に添加後の全量(mL)
3.58.811.825
41012
512.512.5
7.518.813.850
102515
1537.517.5
2050110
2562.5112.5100
3075115
3587.5117.5
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 他の薬剤と同時に投与しないこと。生理食塩液以外との適合性は不明である。
14.2.2 本剤は保存剤を含有しないため、調製後の未使用の希釈液及び使用後の残液は廃棄すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 生理食塩液に添加し、30分から120分かけて点滴静注すること。[8.2、14.1参照]
7.2 SARS-CoV-2による感染症の症状が発現してから速やかに投与を開始し、3日目まで投与する。ただし、SARS-CoV-2による肺炎を有する患者では、目安として、5日目まで投与し、症状の改善が認められない場合には10日目まで投与する。

5.効能又は効果に関連する注意

臨床試験等における主な投与経験を踏まえ、以下の患者を対象に投与すること。また、本剤の投与対象については最新のガイドラインも参考にすること。[17.1.1、17.1.2参照]
・酸素投与を要しない患者であって、SARS-CoV-2による感染症の重症化リスク因子を有する等、本剤の投与が必要と考えられる患者。
・SARS-CoV-2による肺炎を有する患者。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人における薬物動態
外国人健康成人被験者に3mgから225mgの用量範囲でレムデシビルを2時間かけて単回静脈内投与したとき注)、レムデシビルは線形の薬物動態プロファイルを示した。
外国人健康被験者に、レムデシビルを投与初日は200mg、2~5日目又は10日目に100mgを1日1回30分間かけて反復静脈内投与したときのレムデシビル、代謝物であるヌクレオシド類似体(GS-441524)及び中間代謝物(GS-704277)の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
注)国内承認用法・用量は、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注である。
健康成人にレムデシビルを反復静脈内投与したときの血漿中のレムデシビル及び代謝物の薬物動態パラメータ
用量(mg)例数測定対象測定日Cmax(ng/mL)AUCa)(ng・h/mL)t1/2b)(h)
20028レムデシビル1日目4378(23.5)2863(18.6)0.90
10026c)5日目及び10日目2229(19.2)1585(16.6)0.96
20028ヌクレオシド類似体d)1日目143(21.5)2191(19.1)
100265日目及び10日目145(19.3)2229(18.4)27.4
20028中間代謝物e)1日目370(29.3)698(25.9)1.27
100265日目及び10日目246(33.9)462(31.4)1.23
平均値(CV%)、-:該当なしa)1日目:AUC0-24h、5日目及び10日目:AUCtaub)中央値c)AUC及びt1/2は25例d)GS-441524e)GS-704277
16.1.2 患者における薬物動態
健康成人被験者並びに成人及び小児のSARS-CoV-2による感染症患者を対象とした試験の併合データを用いて構築した母集団薬物動態モデルにより推定した、成人患者(147例)での本剤の静脈内反復投与後のレムデシビル及びその循環血中代謝物[ヌクレオシド類似体(GS-441524)及び中間代謝物(GS-704277)]の薬物動態パラメータは以下のとおりであった(外国人のデータ)。
成人患者でのレムデシビル及びその代謝物の薬物動態パラメータa)
レムデシビルヌクレオシド類似体b)中間代謝物c)
Cmax(ng/mL)2700(2440-2990)143(135-152)198(180-218)
AUCtau(hng/mL)1710(1480-1980)2410(2250-2580)392(348-442)
幾何平均値(95%信頼区間)a)本剤を30分間かけて最長3日間静脈内投与したときの母集団薬物動態推定値(GS-US-540-9012試験)b)GS-441524c)GS-704277投与初日に本剤200mgを、2及び3日目に本剤100mgを1日1回静脈内投与した。
16.3 分布
In vitro試験において、レムデシビルのヒト血漿蛋白に対する結合率は88~93%であった。ヌクレオシド類似体(GS-441524)のヒト血漿蛋白に対する結合率は低かった(2%)。
外国人健康成人に14C標識したレムデシビル150mgを単回静脈内投与したとき注)、総放射能の血液/血漿比は投与開始15分後で約0.68であり、時間の経過とともに上昇し、投与5時間後では1.0であった。レムデシビル及び代謝物は、血漿又は血液中の細胞成分に対して異なる分布を示す。
16.4 代謝
レムデシビルは主にカルボキシルエステラーゼ1(CES1)により加水分解され、一部カテプシンA(CatA)やCYP3Aにより代謝される。加水分解により生成された中間代謝物(GS-704277)は主にヒスチジントライアドヌクレオチド結合タンパク質1(HINT1)により代謝される。中間代謝物はホスホルアミダートの分解とそれに続くリン酸化により活性型三リン酸(GS-443902)となる。一方、脱リン酸化により、効率的に再リン酸化されないヌクレオシド代謝物(GS-441524)が生成される。
16.5 排泄
外国人健康成人被験者に14C標識レムデシビル150mgを単回静脈内投与したとき注)、投与量の平均総回収率は92%を超え、尿中及び糞中排泄率はそれぞれ約74%及び約18%であった。尿中に回収された大部分は、代謝物であるヌクレオシド類似体(GS-441524、49%)であり、10%がレムデシビルであった。
注)国内承認用法・用量は、投与初日に200mgを、投与2日目以降は100mgを1日1回点滴静注である。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 小児患者
健康成人被験者並びに成人及び小児のSARS-CoV-2による感染症患者を対象とした試験の併合データを用いて構築した母集団薬物動態モデルにより推定した、GS-US-540-5823試験における体重3.0kg以上の28日齢以上18歳未満の小児患者(50例)での本剤の静脈内反復投与後のレムデシビル及び代謝物(ヌクレオシド類似体[GS-441524]及び中間代謝物[GS-704277])の薬物動態パラメータは以下のとおりであった(外国人のデータ)。[9.7参照]
小児患者における定常状態でのレムデシビル及び代謝物の薬物動態パラメータa)
コホート1:
12歳以上18歳未満かつ体重40kg以上(12例)
コホート2:
28日齢以上18歳未満かつ体重20kg以上40kg未満(12例)
コホート3:
28日齢以上18歳未満かつ体重12kg以上20kg未満(11例)
コホート4:
28日齢以上18歳未満かつ体重3kg以上12kg未満(10例)
コホート8:
12歳未満かつ体重40kg以上(5例)
レムデシビル
Cmax(ng/mL)3910(3140-4870)5680(4660-6930)5530(4240-7210)4900(3790-6340)3920(2270-6790)
AUCtau(hng/mL)2470(1940-3150)3500(2570-4780)3910(2140-7160)2930(1900-4520)2280(1200-4300)
ヌクレオシド類似体b)
Cmax(ng/mL)197(123-316)181(132-248)158(116-215)202(171-238)162(57.4-458)
AUCtau(hng/mL)3460(2010-5960)2870(2020-4080)2400(1740-3320)2770(2230-3450)2640(772-9030)
中間代謝物c)
Cmax(ng/mL)307(212-443)423(309-578)444(336-585)390(305-500)278(145-532)
AUCtau(hng/mL)815(474-1400)754(547-1040)734(513-1050)691(494-966)537(203-1420)
幾何平均値(95%信頼区間)a)本剤を30分間かけて最長10日間静脈内投与したときの母集団薬物動態推定値(GS-US-540-5823試験)b)GS-441524c)GS-704277コホート1(12歳以上18歳未満かつ体重40kg以上)及びコホート8(12歳未満かつ体重40kg以上)では、投与初日に本剤200mgを、以降最長10日目まで本剤100mgを1日1回投与した。コホート2から4では、投与初日に本剤5mg/kgを、以降最長10日目まで2.5mg/kgを1日1回投与した。
注)国内では、体重3.5kg以上の小児に対する用法・用量が承認されている。
16.6.2 腎機能障害
腎機能障害者における薬物動態の検討は実施していない。[9.2参照]
16.6.3 肝機能障害
肝機能障害者における薬物動態の検討は実施していない。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験成績
レムデシビルはOATP1B1及びP-gpの基質である。また、CYP3A、UGT1A1、OATP1B1、OATP1B3及びMATE1に対し阻害作用を示す。中間代謝物(GS-704277)はOATP1B1及びOATP1B3の基質である。[10.参照]
16.7.2 臨床における薬物相互作用試験
薬物相互作用試験の結果を以下に示す(外国人のデータ)。[10.2参照]
健康成人に各薬剤を併用投与したときの血漿中のレムデシビル及び代謝物の薬物動態パラメータ比
併用薬併用薬の投与量レムデシビルの投与量例数レムデシビル及び代謝物の薬物動態パラメータ比(90%信頼区間)
CmaxAUCinf
シクロスポリン400mg
単回
100mg
単回
9レムデシビル1.49(1.38-1.60)1.89(1.77-2.02)
ヌクレオシド類似体a)1.17(1.12-1.22)1.03(0.99-1.08)
中間代謝物b)2.51(2.26-2.78)2.97(2.75-3.20)
カルバマゼピン300mg
1日2回
100mg
単回
8レムデシビル0.87(0.78-0.97)0.92(0.83-1.02)
ヌクレオシド類似体a)0.97(0.88-1.07)0.83(0.78-0.89)
中間代謝物b)0.96(0.84-1.10)0.98(0.92-1.05)
a)GS-441524b)GS-704277

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ヒドロキシクロロキン硫酸塩
クロロキン(国内未承認)
レムデシビルの抗ウイルス活性が低下する可能性がある。レムデシビルの活性代謝物の生成及び抗ウイルス活性をクロロキンが阻害する可能性がある。
シクロスポリン
[16.7.2参照]
レムデシビル及び中間代謝物(GS-704277)の血漿中濃度が上昇するおそれがある。シクロスポリンの強力なOATP1B1/3阻害作用による。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 肝機能障害
ALT上昇に加えて、肝機能障害の徴候又は検査値異常(抱合型ビリルビン、ALP又はINRの異常)が認められた場合には、投与を中止すること。[8.1、9.3.1参照]
11.1.2 過敏症(Infusion Reaction、アナフィラキシーを含む)
低血圧、血圧上昇、頻脈、徐脈、低酸素症、発熱、呼吸困難、喘鳴、血管性浮腫、発疹、悪心、嘔吐、発汗、悪寒等があらわれることがある。[8.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上4%未満0.1%以上1%未満頻度不明
血液およびリンパ系障害貧血
心臓障害徐脈
胃腸障害悪心嘔吐、便秘、下痢
一般・全身障害および投与部位の状態注入部位疼痛、疲労、発熱、悪寒
肝胆道系障害高トランスアミナーゼ血症、高ビリルビン血症
臨床検査ALT増加、AST増加プロトロンビン時間延長、肝酵素上昇、肝機能検査値上昇、糸球体濾過率減少、血中クレアチニン増加、血中ビリルビン増加、トランスアミナーゼ上昇、ヘモグロビン減少
代謝および栄養障害高トリグリセリド血症
筋骨格系および結合組織障害関節痛
神経系障害頭痛、浮動性めまい
精神障害不眠症
皮膚および皮下組織障害発疹、そう痒症、斑状皮疹
血管障害静脈炎
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