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ギブラーリ皮下注189mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 急性肝性ポルフィリン症

用法・用量

  • 通常、12歳以上の患者には、ギボシランとして2.5mg/kgを1ヵ月に1回皮下投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
重度の腎機能障害患者は臨床試験では除外されている。[16.6.2参照]
9.3 肝機能障害患者
中等度及び重度の肝機能障害患者は臨床試験では除外されている。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ウサギにおいて、本剤の臨床推奨用量における曝露量未満で着床後胚損失率及び総吸収胚数の高値、生存胎児数の低値、全胚・胎児死亡並びに流産、臨床推奨用量における曝露量の3.2倍で骨格変異(胸骨の非対称、変形、化骨中心分離)が認められ、これらの所見は母動物の体重及び摂餌量の低値を伴うものであった。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ラットにおいて、高用量(30mg/kg)投与時に4例中1例で乳汁中に本薬がわずかに検出されたが、母動物における血漿中濃度の1/10未満であった。ヒトでの乳汁移行に関するデータ及びヒトの哺乳中の児への影響に関するデータはない。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤投与により、アナフィラキシーなどの重度の過敏症反応が起こることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置をとれる準備をしておくこと。[11.1.1参照]
8.2 本剤投与により、ALT又はASTの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、投与開始前に肝機能検査を行い、投与開始後6ヵ月間は月1回を目安に、それ以降は定期的に肝機能検査を行うこと。重度の肝機能検査値異常や、臨床的に顕著な肝機能検査値の変動が認められた場合は、休薬又は投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。本剤の投与を再開する場合は、肝機能検査値が改善したことを確認した上で、用量を1回1.25mg/kgとする等、慎重に投与を再開し、その後も患者の状態を観察しながら必要に応じて1回2.5mg/kgへの増量を検討すること。[11.1.2参照]
8.3 本剤投与により、血清クレアチニンの上昇又はeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。[11.1.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 外観に異常を認めた場合や、溶液に変色や不溶性微粒子が認められた場合は、使用しないこと。なお、本剤は、無色~黄色澄明である。
14.1.2 患者の体重に基づき、投与液量を算出すること。また、投与に必要な液量を正確に吸引できるよう、適切な小容量注射器を選択すること。
14.1.3 本剤は、1回限りの使用とし、使用後の残液は使用しないこと。
14.1.4 他剤とは混注しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 投与部位は、腹部、上腕部又は大腿部とすること。同一部位への繰り返し投与は避け、投与毎に投与部位を変えること。
14.2.2 注射部位1ヵ所あたりの最大投与液量は1.5mLとすること。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤の投与が予定から遅れた場合は、可能な限り速やかに投与を行い、以後、その投与を起点とし、1ヵ月間隔で投与すること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤は臨床症状及び生化学検査等により急性肝性ポルフィリン症と診断された患者に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
外国人慢性高排出者注1)に本薬0.35、1.0又は2.5mg/kgを単回皮下投与したときの本薬及びアンチセンス鎖の3'末端から1個のヌクレオチドが欠落した代謝物AS(N-1)3'の血漿中濃度時間推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。本薬2.5mg/kg投与時のt1/2は10.4±2.62時間、見かけの全身クリアランスは36.7±10.3L/h、見かけの分布容積は524±69.2L(いずれも平均値±標準偏差)であった。
本薬単回投与時の本薬及び代謝物AS(N-1)3'の薬物動態パラメータ
測定対象用量(mg/kg)例数Cmax(ng/mL)AUClast(ng・h/mL)tmax(h)
本薬0.35352.1(20.5)293(32.5)1.0[0.3,6.0]
1.03124(4.6)1180(55.1)4.0[2.0,6.0]
2.53356(16.6)4620(15.6)2.1[2.0,4.0]
AS(N-1)3'0.35318.3(31.8)97.1(76.8)4.0[4.0,8.0]
1.0351.2(10.0)439(45.4)4.0[4.0,4.0]
2.53154(20.0)2270(21.9)4.0[2.0,4.0]
Cmax及びAUClastは平均値(%CV)、tmaxは中央値[最小値,最大値]本薬の承認用量は2.5mg/kgである。
注1)急性肝性ポルフィリン症に関連する遺伝子変異を有するが、活動性の内臓神経発作は認められない被験者で、健康成人と比べてALA及びPBG高値を示す。
16.1.2 反復投与
外国人急性間欠性ポルフィリン症患者3例に本薬2.5mg/kgを1ヵ月に1回、4回皮下投与したとき、初回投与時及び4回目投与時における本薬のCmax(平均値)はそれぞれ279及び321ng/mL、AUClast(平均値)はそれぞれ3030及び4130ng・h/mL、代謝物AS(N-1)3'のCmax(平均値)はそれぞれ132及び123ng/mL、AUClast(平均値)はそれぞれ1880及び1930ng・h/mLであり、本薬及び代謝物AS(N-1)3'のいずれも蓄積性は認められなかった。
16.3 分布
本薬のヒト血漿タンパク結合率は、本薬濃度の増加に伴い減少した(本薬1μg/mLで91.8%、本薬50μg/mLで21.1%)(in vitro)。本薬2.5mg/kgを投与したとき、ヒト血漿タンパク結合率は90%超であると考えられた。
急性肝性ポルフィリン症患者等125例から得られた血漿中本薬及び代謝物AS(N-1)3'濃度に基づく母集団薬物動態解析の結果、本薬及び代謝物AS(N-1)3'の見かけの中心コンパートメントにおける分布容積(Vd/F)は、いずれも10.4Lと推定された。
16.4 代謝
本薬は、エキソヌクレアーゼ及びエンドヌクレアーゼによる加水分解を介して代謝される。
本薬は各種チトクロームP450(CYP1A2、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4/5)を阻害しなかった。また、本薬は各種チトクロームP450(CYP1A2、CYP2B6及びCYP3A4)を誘導しなかった(in vitro)。一方で、本剤は肝臓でのヘム生合成経路に対して薬理作用を有することから、肝臓のチトクロームP450の活性を抑制する可能性がある。[16.7.1参照]
16.5 排泄
外国人急性間欠性ポルフィリン症患者3例に本薬2.5mg/kgを1ヵ月に1回、4回皮下投与したとき、初回投与時及び4回目投与時の投与量に対する投与後24時間までの尿中排泄率(平均値)は、本薬でそれぞれ13.5%及び9.63%、代謝物AS(N-1)3'でそれぞれ7.20%及び5.80%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
本剤2.5mg/kgを皮下投与したとき、投与後2時間の血漿中本薬及び代謝物AS(N-1)3'濃度(初回投与時及び投与5ヵ月時)、並びにベースラインからの尿中ALA値及びPBG値の低下率(投与6ヵ月時)は、軽度肝機能障害患者(ベースライン時の総ビリルビン又はASTが基準値上限超の患者、6例)では肝機能が正常な患者(42例)と比較して臨床的に重要な違いは認められなかった。[9.3参照]
16.6.2 腎機能障害患者
本剤2.5mg/kgを皮下投与したとき、投与後2時間の血漿中本薬及び代謝物AS(N-1)3'濃度(初回投与時及び投与6ヵ月時)、並びにベースラインからの尿中ALA値及びPBG値の低下率(投与6ヵ月時)は、軽度腎機能障害患者(ベースライン時のeGFR(mL/min/1.73m2、以下同様)が60以上90未満、26例)、中等度腎機能障害患者(ベースライン時のeGFRが30以上60未満、11例)及び重度腎機能障害患者注2)(eGFRが15以上30未満、3例)では、腎機能が正常な患者(11例)と比較して臨床的に重要な違いは認められなかった。[9.2参照]
注2)腎機能障害の程度がベースライン時は中等度であったが、投与6ヵ月時では重度であった患者。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 CYP基質
外国人慢性高排出者注1)10例に本剤2.5mg/kgと各CYP分子種の基質となるカクテルを併用投与したときの各CYP基質の薬物動態に及ぼす影響は、以下のとおりであった。[10.2、16.4参照]
併用薬幾何最小二乗平均値の比[90%信頼区間]
(本剤併用投与時/基質となる薬剤単独投与時)
CmaxAUClast
カフェイン
(CYP1A2の基質)
1.28[1.09,1.51]2.07[1.65,2.60]
ロサルタン
(CYP2C9の基質)
0.97[0.765,1.23]1.09[0.964,1.24]
オメプラゾール
(CYP2C19の基質)
1.13[0.969,1.31]1.57[1.39,1.78]
デキストロメトルファン
(CYP2D6の基質)
2.00[1.59,2.51]2.27[1.88,2.74]
ミダゾラム
(CYP3A4の基質)
1.20[1.01,1.42]1.39[1.17,1.64]
併用投与時の解析対象は9例
16.8 その他
外国人急性間欠性ポルフィリン症患者7例にプラセボ又は本薬2.5mg/kgを1ヵ月に1回、4回皮下投与したとき、ベースラインからの尿中ALA値及びPBG値の低下率(平均値)は、プラセボ群(4例)では大きな変動は認められず、本薬群(3例)の投与1週時で83.8%及び75.7%、投与2週時で82.4%及び82.8%、投与1ヵ月時で90.8%及び90.7%であり、その後も維持された[ベースライン時の尿中ALA値及びPBG値は、プラセボ群で16.6(7.51-33.8)及び46.2(30.7-51.8)nmol/mol Cr、本薬群で19.4(11.2-50.4)及び57.8(42.2-64.7)nmol/mol Cr:中央値(範囲)]。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP1A2の基質となる薬剤
リドカイン、デュロキセチン、テオフィリン等
[16.7.1参照]
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤は、肝臓でのヘム生合成経路に対して薬理作用を有することから、チトクロームP450(CYP1A2)の活性を抑制する。
CYP2D6の基質となる薬剤
ロラタジン、パロキセチン、アミトリプチリン等
[16.7.1参照]
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。本剤は、肝臓でのヘム生合成経路に対して薬理作用を有することから、チトクロームP450(CYP2D6)の活性を抑制する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 アナフィラキシー(0.9%)[8.1参照]
11.1.2 肝機能障害(13.5%)
ALT増加、AST増加、γ-GTP増加等を伴う肝機能障害があらわれることがある。[8.2参照]
11.1.3 腎機能障害(13.5%)
慢性腎臓病、血中クレアチニン増加、糸球体濾過率減少等があらわれることがある。[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上2~5%未満1~2%未満
眼障害結膜出血、眼そう痒症、霧視
胃腸障害腹痛、便秘、下痢、悪心、嘔吐胃食道逆流性疾患消化不良
一般・全身障害および投与部位の状態無力症、疲労、注射部位反応注)(紅斑、そう痒感、発疹、腫脹、疼痛、内出血、皮膚炎、不快感及び出血)、発熱インフルエンザ様疾患、末梢腫脹
感染症および寄生虫症インフルエンザ、上咽頭炎、上気道感染胃腸炎、尿路感染気管支炎、下気道感染、気道感染、副鼻腔炎、ウイルス感染
臨床検査リパーゼ増加、血中ホモシステイン増加アミラーゼ増加、血中ナトリウム減少、国際標準比増加活性化部分トロンボプラスチン時間延長、C-反応性蛋白増加、プロトロンビン量増加、体重減少、体重増加
代謝および栄養障害食欲減退、脱水鉄過剰
筋骨格系および結合組織障害関節痛、背部痛、筋肉痛、四肢痛側腹部痛、関節腫脹、筋痙縮、筋骨格痛、頚部痛
神経系障害頭痛、片頭痛浮動性めまい、錯感覚、振戦味覚異常、感覚鈍麻
精神障害不安抑うつ気分、不眠症、精神状態変化、パニック発作
呼吸器、胸郭および縦隔障害咳嗽、呼吸困難、口腔咽頭痛喘息、鼻出血、気道うっ血
皮膚および皮下組織障害そう痒症湿疹、紅斑、発疹、蕁麻疹脱毛症、水疱、多汗症、爪甲剥離症
その他過敏症、月経過多動悸、排尿困難、月経困難症、ほてり、高血圧

注)2例に以前の注射部位に、一過性のリコール現象である紅斑が発現した。

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