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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 再発又は難治性のEZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫(標準的な治療が困難な場合に限る)

用法・用量

  • 通常、成人にはタゼメトスタットとして1回800mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 中等度以上の肝機能障害のある患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、中等度以上の肝機能障害のある患者では本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。なお、中等度以上(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group(NCI-ODWG)基準)の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、本剤の投与期間中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験において、臨床曝露量の1.1~1.6倍に相当する用量で胎児における骨格変異が、臨床曝露量の4.2~4.7倍に相当する用量以上で催奇形性(骨格及び外表異常等)が報告されている。[9.4、9.6参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。[9.5、15.1、15.2.2参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与期間中は定期的に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤の投与中に副作用が発現した場合は、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。[11.1.1参照]
本剤の減量段階
段階投与量
通常投与量1回800mgを1日2回
1段階減量1回600mgを1日2回
2段階減量1回400mgを1日2回
3段階減量投与中止
本剤の休薬、減量又は中止基準
副作用程度処置
好中球減少好中球数750/mm3未満好中球数750/mm3以上に回復するまで休薬する。回復後は1段階減量して再開することができる。
上記以外の副作用以下のいずれかの場合(ただし、臨床的に意義のない臨床検査値異常を除く)
・忍容性がないGrade2
・Grade3
Grade1以下又はベースラインに回復するまで休薬する(ただし、悪心、嘔吐、下痢の場合は、適切な処置を行い、コントロールできない場合に休薬する)。
回復後は1段階減量して再開することができる。
Grade4(生命を脅かさない臨床検査値異常の場合は、Grade3の副作用と同じ処置とする)投与を中止する。
*:GradeはCTCAE version 4.03に準じる。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 十分な経験を有する病理医又は検査施設により、EZH2遺伝子変異陽性が確認された患者に投与すること。検査にあたっては、承認された体外診断用医薬品又は医療機器を用いること。なお、承認された体外診断用医薬品又は医療機器に関する情報については、以下のウェブサイトから入手可能である:
https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/cd/0001.html
5.2 本剤による治療は、少なくとも2つの標準的な治療が無効又は治療後に再発した患者を対象とすること。
5.3 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1、17.1.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者7例に本剤800mgを単回経口投与し、4~9日経過した後、本剤800mgを1日2回反復経口投与したときの、初回投与後及び反復投与15日目の血漿中タゼメトスタット濃度推移を図に、薬物動態パラメータを表に示した。また、反復投与第15日目におけるタゼメトスタットの累積率は1.09であった。
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に本剤800mgを単回及び1日2回反復経口投与したときの血漿中タゼメトスタット濃度(平均値+標準偏差)
再発又は難治性の濾胞性リンパ腫患者及びびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者に本剤800mgを単回及び1日2回反復経口投与したときの血漿中タゼメトスタットの薬物動態パラメータ
投与時期例数Cmax(ng/mL)tmax(h)AUC(0-12h)(ng・h/mL)t1/2a(h)
単回投与71150(787)2(1-4)4700(2810)7.59(1.24)
反復投与
15日目
71290(582)1(1-2)4500(1570)4.59(1.93)
平均値(標準偏差)、ただしtmaxは中央値(最小値-最大値)a:投与から最終採血までの時間は、単回投与時は72時間、反復投与後は12時間である。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
再発又は難治性のB細胞リンパ腫患者又は進行固形がん患者13例に本剤200mg注1)を単回経口投与したときのタゼメトスタットのCmax及びAUC(0-t)の幾何平均値の比(摂食下/絶食下)とその90%信頼区間は、0.62(0.41、0.93)及び0.69(0.44、1.08)であり、絶食下と比較して摂食下では、tmaxが3時間遅延した(外国人データ)。
16.2.2 絶対バイオアベイラビリティ
本剤800mgを1日2回14日以上反復投与している再発又は難治性のB細胞リンパ腫患者3例に本剤800mgを単回経口投与し、1時間後に約12μgの14C標識-タゼメトスタットを急速単回静脈内投与したときの、絶対バイオアベイラビリティの平均値は34%であった(外国人データ)。
16.3 分布
血漿蛋白結合率(in vitro、ヒト血漿)は87.7%~91.1%(検討濃度:1~30μmol/L)であった。タゼメトスタットは、アルブミン、α1-酸性糖蛋白質及びγ-グロブリンのうち、アルブミンに対して最も強い結合を示した。
16.4 代謝
タゼメトスタットは主にCYP3A4によって代謝される(in vitro)。再発又は難治性のB細胞リンパ腫患者3例に14C標識-タゼメトスタット800mgを溶液で経口投与したとき、定常状態下における投与後12時間までの血漿中の主な代謝物として、EPZ-6930(N-脱エチル化体)及びEPZ006931(N-脱テトラヒドロピラン体)が検出された(血漿中の総放射能曝露量に対するタゼメトスタット、EPZ-6930及びEPZ006931の割合は、それぞれ22.4%、31.8%及び11.0%であった)(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
本剤800mgを1日2回15日以上反復投与している再発又は難治性のB細胞リンパ腫患者3例に14C標識-タゼメトスタット800mgを単回経口投与したとき、投与した放射能の投与192時間後までの総回収率は94%であり、79%が糞中、15%が尿中に排泄された。投与48時間後までの尿中に排泄された未変化体は投与量の平均1.4%であった(外国人データ)。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 フルコナゾール
再発又は難治性のB細胞リンパ腫患者又は進行固形がん患者16例に本剤400mg注1)を1日2回19日間反復投与中に、16日目からフルコナゾール(中程度のCYP3A阻害剤)400mgを1日1回4日間反復投与したときのタゼメトスタットの15日目(単独投与)と19日目(併用時)のCmax及びAUC(0-t)の幾何平均値の比(フルコナゾール併用時/本剤単独投与時)とその90%信頼区間は、2.27(1.75、2.95)及び3.07(2.57、3.66)であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 ミダゾラム
再発又は難治性のB細胞リンパ腫患者又は進行固形がん患者13例に本剤800mgを1日2回15日間反復投与時にミダゾラム(CYP3Aの基質)2mgを単回投与したときのミダゾラムのCmax及びAUC(0-t)の幾何平均値の比(本剤併用時/ミダゾラム単独投与時)とその90%信頼区間は、0.80(0.57、1.11)及び0.62(0.48、0.81)であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.3 レパグリニド
再発又は難治性のB細胞リンパ腫患者又は進行固形がん患者16例に本剤800mgを1日2回15日間反復投与時にレパグリニド(CYP2C8の基質)0.25mgを単回投与したときのレパグリニドのCmax及びAUC(0-t)の幾何平均値の比(本剤併用時/レパグリニド単独投与時)とその90%信頼区間は、1.93(1.22、3.07)及び2.17(1.51、3.11)であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.4 その他
(1)再発又は難治性のB細胞リンパ腫患者又は進行固形がん患者16例に本剤800mgを1日2回18日間反復投与中に、16日目からオメプラゾール(胃酸分泌抑制剤)20mgを1日1回4日間朝に反復投与したときのタゼメトスタットの16日目(単独投与)と19日目(併用時)のCmax及びAUC(0-t)の幾何平均値の比(オメプラゾール併用時/本剤単独投与時)とその90%信頼区間は、1.06(0.70、1.58)及び1.17(0.80、1.69)であった(外国人データ)。
(2)再発又は難治性のB細胞リンパ腫患者又は進行固形がん患者16例に本剤800mgを1日2回15日間反復投与時にオメプラゾール(CYP2C19の基質)20mgを単回投与したときのオメプラゾールのCmax及びAUC(0-t)の幾何平均値の比(本剤併用時/オメプラゾール単独投与時)とその90%信頼区間は、0.84(0.49、1.44)及び0.80(0.51、1.27)であった(外国人データ)。
(3)タゼメトスタットはP-gpの基質であった。また、タゼメトスタットはCYP2C9を誘導し、P-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3、MATE1及びMATE2-Kを阻害した(in vitro)。
注1)本剤の承認された用法及び用量は、タゼメトスタットとして1回800mgを1日2回経口投与である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A阻害剤
フルコナゾール
ボリコナゾール
クラリスロマイシン 等
グレープフルーツジュース
[16.7.1参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、CYP3A阻害作用のない薬剤への代替を考慮し、併用は可能な限り避けること。やむを得ず併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。これらの薬剤等がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3Aの基質となる薬剤
ミダゾラム
経口避妊薬(エチニルエストラジオール等)
トリアゾラム 等
[16.7.2参照]
これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
CYP2C8の基質となる薬剤
レパグリニド
モンテルカスト
ピオグリタゾン 等
[16.7.3参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。本剤がCYP2C8を阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
血小板減少(11.3%)、好中球減少(9.7%)、リンパ球減少(8.1%)、貧血(6.5%)等があらわれることがある。[7.2、8.参照]
11.1.2 感染症(30.6%)
肺炎、ニューモシスチス肺炎、異型肺炎、肺感染(各1.6%)等があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

15%以上5~15%未満5%未満
消化器悪心(16.1%)下痢、口内炎、腹痛アミラーゼ増加、嘔吐、便秘、腹部不快感、口内乾燥、鼓腸、心窩部不快感
一般・全身症状倦怠感、疲労、筋痙縮筋肉痛、浮腫、転倒、四肢痛、出血、疼痛、発熱、非心臓性胸痛、ほてり、末梢冷感
精神神経系味覚異常(24.2%)頭痛、眩暈、記憶障害、不眠症、異常な夢、一過性全健忘、嗅覚錯誤、錯乱状態、嗜眠、振戦、認知障害、末梢性ニューロパチー
代謝食欲減退、低リン酸血症血中クレアチンホスホキナーゼ増加、高カリウム血症、高トリグリセリド血症
呼吸器咳嗽、上気道の炎症、喘息、肺塞栓症、発声障害
皮膚脱毛症(19.4%)皮疹爪の障害、皮膚乾燥、光線過敏症、紅斑、そう痒、粘膜乾燥、毛髪成長異常
腎臓血中クレアチニン増加
循環器QT延長
肝臓ALT増加、AST増加、トランスアミナーゼ上昇
その他体重減少、外陰腟乾燥、血中免疫グロブリンG減少、失神寸前の状態、大赤血球症、低γグロブリン血症、寝汗、歯の障害、夜間頻尿
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