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ルタテラ静注

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ソマトスタチン受容体陽性の神経内分泌腫瘍

用法・用量

  • 通常、成人にはルテチウムオキソドトレオチド(177Lu)として1回7.4GBqを30分かけて8週間間隔で最大4回まで点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び放射線治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5、15.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
本剤は主に腎臓から排泄される。腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.5参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、放射線に起因する生殖細胞への影響等があらわれる可能性があることを考慮すること。[15.1参照]
9.4.2 妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。[15.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。放射線による胎児の発育や遺伝子への影響が懸念される。[2.2、15.1参照]
9.6 授乳婦
投与中又は投与終了後一定期間は、授乳を避けさせること。[15.1参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.2、11.1.1参照]
8.2 腎機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に腎機能検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.2、11.1.2参照]
8.3 骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病があらわれることがあるので、本剤投与中及び投与後は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与時の注意
以下の方法等により投与すること。
バイアルの内容液を生理食塩液により投与ラインへ押し出し、希釈しながら投与する。本剤3.7GBqを投与する場合には、バイアル内容液を抜き取り、液量を12.5mLに事前に調整する。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤投与による腎被曝の低減のため、1000mL中にアミノ酸としてL-リシン塩酸塩及びL-アルギニン塩酸塩をそれぞれ25gのみを含有する輸液製剤を本剤投与30分前から投与すること。
7.2 副作用が発現した場合には、以下の基準を考慮して、本剤を休薬、減量又は中止すること。[8.1、8.2、11.1.1、11.1.2参照]
副作用発現時の休薬・減量・投与中止の目安
副作用程度注)処置
血小板数減少Grade2以上の場合・3.7GBqに減量する。
・減量後に再発が認められない場合、7.4GBqに再増量することができる。
・前回投与から16週以内に回復しない場合又は減量後に再発した場合、投与中止する。
腎機能障害・クレアチニンクリアランス(Ccr)が40mL/min未満の場合
・Ccrがベースラインから40%以上低下し、かつ血清クレアチニン値がベースラインから40%以上上昇した場合
上記以外の副作用Grade3以上の場合
注)GradeはNCI-CTCAE ver.4.0に準じる。

5.効能又は効果に関連する注意

臨床試験に組み入れられた患者の原発部位、ソマトスタチン受容体陽性の判定方法、前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。特に、消化管以外を原発とする神経内分泌腫瘍患者への投与については、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討すること。[17.1.1、17.1.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
ソマトスタチン受容体陽性の切除不能又は遠隔転移を有する日本人の消化管、膵又は肺神経内分泌腫瘍患者(6例)に本剤7.4GBqを単回投与したときの血液中放射能濃度推移及び放射能の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
図1 本剤7.4GBqを単回投与した際の血液中放射能濃度の推移(n=6)
表1 本剤7.4GBqを単回投与した際の薬物動態パラメータ
Cmax(%dose/g)Tmax(h)AUClast(%dose・h/g)
0.00639±0.001070.34±0.090.0191±0.0029
t1/2α(h)t1/2β(h)CL(kg/h)Vz(kg)
2.40±0.30958.4±4.554.88±0.738410±68.6
平均値±標準偏差
16.3 分布
16.3.1 吸収線量
ソマトスタチン受容体陽性の切除不能又は遠隔転移を有する日本人の消化管、膵又は肺神経内分泌腫瘍患者(6例)に本剤7.4GBqを単回投与したときの各組織における吸収線量は以下のとおりであった。
臓器吸収線量(Gy/7.4GBq)臓器吸収線量(Gy/7.4GBq)
0.14下部大腸壁0.16
甲状腺0.14副腎0.18
胸腺0.15腎臓4.20
0.15膀胱壁3.42
乳房0.14睾丸0.15
心臓壁0.16卵巣0.16
肝臓1.83子宮0.17
胆嚢壁0.19皮膚0.14
膵臓0.18筋肉0.15
脾臓4.13赤色骨髄0.18
胃壁0.16骨形成原細胞0.49
小腸0.16全身0.23
上部大腸壁0.16
実効線量(Sv/7.4GBq)0.49
16.3.2 血漿タンパク結合
非放射性ルテチウムオキソドトレオチドのヒト血漿タンパク非結合率は56.9~72.3%であった(in vitro)。
16.5 排泄
ソマトスタチン受容体陽性の切除不能又は遠隔転移を有する日本人の消化管、膵又は肺神経内分泌腫瘍患者(6例)に本剤7.4GBqを単回投与したとき、投与48時間後までに投与した放射能の73.8%が尿中に排泄された。[9.2参照]

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ソマトスタチンアナログ製剤
オクトレオチド酢酸塩、ランレオチド酢酸塩等
[17.1.1、17.1.2参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、併用する場合は、臨床試験におけるこれらの薬剤の休薬期間について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、投与すること。これらの薬剤がソマトスタチン受容体で競合することにより、本剤の腫瘍への集積が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
リンパ球減少(28.3%)、血小板減少(22.8%)、貧血(11.8%)等があらわれることがある。[7.2、8.1参照]
11.1.2 腎機能障害
急性腎不全(4.7%)、血中クレアチニン増加(3.1%)等があらわれることがある。[7.2、8.2参照]
11.1.3 骨髄異形成症候群(1.6%)、急性骨髄性白血病(頻度不明)[8.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満頻度不明
過敏症過敏症、蕁麻疹、紅斑、発疹
循環器心房細動、動悸、心電図QT延長、低血圧、失神、潮紅、血管拡張、ほてり、高血圧、高血圧クリーゼ
腎臓血中尿素増加、血尿、頻尿、蛋白尿、尿失禁、白血球尿
肝臓肝性脳症、ALP増加、ALT増加、AST増加、血中ビリルビン増加、γ-GTP増加、トランスアミナーゼ上昇
代謝・内分泌食欲減退糖尿病、甲状腺機能低下症、グリコヘモグロビン増加、高血糖、低血糖、アシドーシス、低マグネシウム血症、低リン酸血症、脱水、高ナトリウム血症、低ナトリウム血症、血中カリウム減少ホルモン分泌異常
消化器悪心(60.6%)、嘔吐(42.5%)、下痢、腹部膨満、腹痛胃炎、便秘、腸閉塞、腹部不快感、消化不良、おくび、鼓腸、消化器痛、軟便、口内炎、腹水、膵酵素減少
精神・神経系頭痛、浮動性めまい、味覚障害嗅覚錯誤、蟻走感、嗜眠、錯感覚、失神、不安、幻覚、睡眠障害
呼吸器胸水、咳嗽、呼吸困難、喀痰増加、口腔咽頭痛
筋骨格系骨痛、関節痛、筋痙縮、筋肉痛、背部痛、側腹部痛、筋骨格痛、頚部痛、四肢痛、筋骨格系胸痛
投与部位注射部位反応(過敏反応、硬結、腫瘤、疼痛、腫脹)注入部位血管外漏出
その他脱毛症、疲労回転性めまい、眼の障害、眼脂、結膜出血、結膜炎、気道感染、発熱、無力症、胸部不快感、胸痛、悪寒、インフルエンザ様疾患、倦怠感、末梢性浮腫、口渇、体重減少、皮膚乾燥
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