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エブリスディドライシロップ60mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 脊髄性筋萎縮症(遺伝子検査により発症が予測されるものを除く)

用法・用量

  • 通常、生後2カ月以上2歳未満の患者にはリスジプラムとして、0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与する。
  • 通常、2歳以上の患者にはリスジプラムとして、体重20kg未満では0.25mg/kgを、体重20kg以上では5mgを1日1回食後に経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害(Child-Pugh分類C)のある患者
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。当該患者は臨床試験では除外されている。[16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性
本剤投与開始前に妊娠していないことを確認すること。妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも1カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。動物実験で胚胎児毒性が報告されている。[9.5参照]
9.4.2 パートナーが妊娠する可能性のある男性
パートナーの妊娠を希望する場合は休薬すること。本剤投与中及び最終投与後又は休薬後の少なくとも4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。動物実験(ラット及びカニクイザル)で雄の生殖器官における可逆的な所見(精子の変性、精子数の減少、精子の運動能力の低下)が報告されている。また、遺伝毒性試験で小核誘発作用が認められている。[15.2.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。妊婦に対して本剤を投与する必要がある場合には、胎児に対する潜在的なリスクについて明確に説明すること。動物実験において胎盤通過性(ラット)が認められ、臨床用量の3倍を超える曝露量で妊娠期間延長(ラット)、臨床用量の5倍を超える曝露量で胎児重量低値及び骨格変異(ラット)、臨床用量の18倍を超える曝露量で胎児形態異常(水頭症)及び内臓変異(ウサギ)が認められている。なお、ウサギにおける水頭症は、予備試験では臨床用量の3倍を超える曝露量で認められている。[9.4.1参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁移行が認められている。
9.7 小児等
9.7.1 早産児及び生後2カ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。[5.4、17.1.1参照]
9.7.2 早産児及び生後2カ月未満の乳児では血中濃度が上昇するおそれがある。ヒト肝ミクロソームを用いた試験において、年齢区分ごとのCYP3A4及びFMO3活性、並びに本剤の代謝能は0~6カ月児由来のミクロソームで最も低く、6カ月~2歳児で増加し、2~6歳児ではさらに増加を示した。[5.4参照]

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与は、脊髄性筋萎縮症の診断及び治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 溶液に調製してから患者へ交付すること。
14.1.2 調製時には本剤を吸入しないよう注意すること。また、手袋等を着用し、皮膚や粘膜に直接触れないようにすること。皮膚及び粘膜に本剤が付着した場合には石けんと水で十分に洗い流し、眼に付着した場合は水で洗浄すること。
14.1.3 調製方法
79mLの精製水を瓶に加えて施栓後、瓶内の粉末が溶解するまで、よく振り混ぜる。リスジプラムとして0.75mg/mLの溶液80mLとなる。
14.1.4 調製した溶液は、凍結を避けて冷蔵庫(2~8℃)に保存し、本剤以外の容器に移し替えないこと。また、調製後64日以内に使用し、残液は廃棄すること。
14.2 薬剤交付時の注意
14.2.1 患者又は保護者等に対し以下の点に注意するよう指導すること。
・本剤に添付されている経口投与用ディスペンサーを使用して服用すること。
・調合乳又は母乳に混合しないこと。
・本剤は1日1回、できるだけ同じ時刻に服用すること。服用予定時刻に服用できなかった場合は、服用予定時刻から6時間以内であれば、可能な限り速やかに服用すること。服用予定時刻から6時間を超えた場合は、翌日の服用予定時刻に1回分の用量を服用すること。
・本剤を服用後に吐き出した場合は、追加で服用せず、翌日の服用予定時刻に1回分の用量を服用すること。
・用量の変更は医師の指示に従うこと。
・溶液は、凍結を避けて冷蔵庫(2~8℃)に保存し、本剤以外の容器に移し替えないこと。また、調製後64日以内に使用し、残液は使用しないこと。使用後は速やかに冷蔵庫(2~8℃)に戻して保存すること。やむを得ず冷蔵庫外で保存する場合には、40℃以下で保存し、累積5日(120時間)以内に使用することとし、40℃を超えて保存した場合、又は累積5日(120時間)を超えて保存した場合は使用しないこと。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 経口投与が困難な場合は経鼻又は胃瘻チューブを介して投与できる。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤が口腔内に残るのを防ぐため、本剤服用後に水を飲ませること。
7.2 本剤と脊髄性筋萎縮症に対する他剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 遺伝子検査により、SMN1遺伝子の欠失又は変異を有し、SMN2遺伝子のコピー数が1以上であることが確認された患者に投与すること。
5.2 SMN2遺伝子のコピー数が1の患者及び5以上の患者における有効性及び安全性は確立していない。これらの患者に投与する場合には、本剤投与のリスクとベネフィットを考慮した上で投与を開始し、患者の状態を慎重に観察すること。
5.3 永続的な人工呼吸が導入された患者における有効性及び安全性は確立していない。これらの患者に投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、定期的に有効性を評価し投与継続の可否を判断すること。効果が認められない場合には投与を中止すること。
5.4 早産児及び生後2カ月未満の乳児に対する有効性及び安全性は確立していない。I型脊髄性筋萎縮症患者を対象とした臨床試験は生後2カ月以上の正期産児を対象に実施され、薬物動態、有効性及び安全性が検討された。[9.7.1、9.7.2、17.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人にリスジプラム2、6又は12mg注1)を空腹時に単回経口投与したときの血漿中リスジプラム濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであり、血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)及び最高血漿中濃度(Cmax)は2~12mgでは用量比例的な増加を示した。
日本人健康成人に単回経口投与したときの血漿中リスジプラム濃度推移(平均値+標準偏差、N=6)
日本人健康成人に単回経口投与したときの薬物動態パラメータ(N=6)
用量Cmax(ng/mL)AUCinf(ng・h/mL)Tmax(h)t1/2(h)
2mg8.50(14.1%)332(12.8%)4.00(3.00-4.50)40.5(13.7%)
6mg28.6(16.7%)1080(17.3%)4.25(2.00-5.00)46.1(18.0%)
12mg54.6(17.6%)2180(17.5%)4.00(3.00-4.00)45.6(7.1%)
Tmaxは中央値(範囲)、その他は幾何平均値(幾何CV%)
16.1.2 反復投与
(1)健康成人
健康成人8例にリスジプラム5mgを空腹時に1日1回14日間反復経口投与したときの血漿中リスジプラムの薬物動態パラメータは下記のとおりであった(外国人データ)。
外国人健康成人に反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
用量評価時期例数Cmax(ng/mL)AUClast(ng・h/mL)Tmax(h)t1/2(h)
5mg1日目825.9(13.2%)399(16.2%)3.00(2.00-4.00)
14日目778.6(23.7%)3160(33.3%)2.15(2.00-4.00)37.1(17.9%)
Tmaxは中央値(範囲)、その他は幾何平均値(幾何CV%)、-:算出せず
(2)I型脊髄性筋萎縮症患者
生後2カ月以上7カ月以下のI型脊髄性筋萎縮症患者を対象に、リスジプラム(生後2カ月以上3カ月未満は0.04mg/kg、生後3カ月以上5カ月未満は0.08mg/kg、生後5カ月以上は0.2mg/kg)注2)を1日1回経口投与により開始し、0.2mg/kgまで漸増されたときの血漿中リスジプラム濃度データに基づき、母集団薬物動態モデルを用いて算出された薬物動態パラメータは下記のとおりであった。
I型脊髄性筋萎縮症患者に反復経口投与したときの投与12カ月時点における薬物動態パラメータの推定値
用量a)例数Cmax,ss(ng/mL)AUC0-24h,ss(ng・h/mL)
0.2mg/kg/日37114(81.9-189)1800(1230-3300)
中央値(範囲)a)投与12カ月時点の用量
(3)II型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者
2歳以上25歳以下のII型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者を対象に、リスジプラム(体重20kg未満は0.25mg/kg、20kg以上は5mg)を1日1回経口投与したときの血漿中リスジプラム濃度データに基づき、母集団薬物動態モデルを用いて算出された薬物動態パラメータは下記のとおりであった。
II型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者に反復経口投与したときの投与12カ月時点における薬物動態パラメータの推定値
用量例数Cmax,ss(ng/mL)AUC0-24h,ss(ng・h/mL)
0.25mg/kg/日28132(103-178)2270(1560-3020)
5mg/日89106(58.4-208)1950(1060-3800)
中央値(範囲)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人3例にリスジプラム6mg注1)を食後(高脂肪、高カロリー食)に単回経口投与したときのCmax及びAUC0-24hは空腹時に比べて、それぞれ平均値で1.2%上昇及び5.4%低下した(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 タンパク結合率
リスジプラムのヒト血漿タンパク結合率は、0~12歳までの小児では87.8~92.0%、生後1~7カ月及び2~25歳の脊髄性筋萎縮症患者では89.9及び90.2%であった(in vitro)。
16.4 代謝
健康成人男性6例に14C-標識リスジプラム18mg注1)を単回経口投与したとき、血漿中の主な代謝物はM1(不活性代謝物)であった(投与後48時間までの血漿中総放射能に対するM1の割合は14.0%)(外国人データ)。リスジプラムの主代謝酵素はフラビン含有モノオキシゲナーゼ(FMO1及びFMO3)及びCYP3A4であった(in vitro)。
16.5 排泄
16.5.1 日本人健康成人にリスジプラム2、6及び12mg注1)を空腹時に単回経口投与したとき、投与後72時間までの未変化体の尿中排泄率はそれぞれ3.39%、5.10%及び4.86%であった。
16.5.2 健康成人男性6例に14C-標識リスジプラム18mg注1)を単回経口投与したとき、投与後35日間までに放射能の53.2%が糞便中に、28.2%が尿中に排泄された。未変化体は14.0%が糞便中に、7.7%が尿中に排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
軽度及び中等度肝機能障害被験者(Child-Pugh分類A及びB、各8例)にリスジプラム5mgを単回経口投与したとき、患者背景を対応させた健康成人(各8例)と比較して、血漿中リスジプラムのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比(肝機能障害被験者/健康成人)(90%信頼区間)は、軽度肝機能障害被験者では0.950(0.695、1.30)及び0.802(0.627、1.03)、中等度肝機能障害被験者では1.20(0.962、1.49)及び1.08(0.830、1.39)であった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人8例にリスジプラム6mg注1)をCYP3A阻害薬であるイトラコナゾール1回200mgを1日2回8日間反復経口投与と併用投与したときの血漿中リスジプラムのCmax及びAUC0-120hの幾何平均値の比(併用投与時7例/単独投与時8例)(90%信頼区間)は、それぞれ0.906(0.841-0.976)及び1.11(1.03-1.19)であった(外国人データ)。
16.7.2 ミダゾラム
健康成人27例にリスジプラム8mg注1)を1日1回14日間反復経口投与し、CYP3A基質であるミダゾラム2mgと併用したとき、血漿中ミダゾラムのCmax及びAUClastの幾何平均値の比(併用投与時26例/単独投与時27例)(90%信頼区間)は、それぞれ1.16(1.06-1.28)及び1.11(1.02-1.20)であった(外国人データ)。
16.7.3 その他
リスジプラムはin vitro試験において、有機カチオントランスポーター(OCT)2、multidrug and toxin extrusion(MATE)1及びMATE2-Kに対して阻害能を示し、IC50値はそれぞれ8.72、0.15及び0.09μmol/Lであった。
16.8 その他
16.8.1 薬力学
(1)I型脊髄性筋萎縮症患者
生後2カ月以上7カ月以下のI型脊髄性筋萎縮症患者を対象に、リスジプラム(生後2カ月以上3カ月未満は0.04mg/kg、生後3カ月以上5カ月未満は0.08mg/kg、生後5カ月以上は0.2mg/kg)注2)を1日1回経口投与により開始し、0.2mg/kgまで漸増されたときのベースライン及び最終観察時の血中SMNタンパク濃度(中央値(範囲))は、2.93(0.423-5.8)及び5.37(0.761-9.39)ng/mLであり、最終観察時におけるベースラインからの変化率(中央値(範囲))は、2.01(0.9-4.06)であった。
(2)II型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者
2歳以上25歳以下のII型及びIII型脊髄性筋萎縮症患者を対象に、リスジプラム(体重20kg未満は0.25mg/kg、20kg以上は5mg)を1日1回経口投与したときのベースライン及び最終観察時の血中SMNタンパク濃度(中央値(範囲))は、3.58(1.54-11.4)及び7.04(0.786-13.8)ng/mLであり、最終観察時におけるベースラインからの変化率(中央値(範囲))は、1.98(0.359-4.25)であった。
注1)本剤の承認された用法・用量(2歳以上の患者)は、「リスジプラムとして体重20kg未満では0.25mg/kgを、体重20kg以上では5mgを1日1回食後に経口投与」である。
注2)本剤の承認された用法・用量(生後2カ月以上2歳未満の患者)は、「リスジプラムとして0.2mg/kgを1日1回食後に経口投与」である。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

3%以上3%未満頻度不明
感染症上気道感染
消化器下痢、口腔内潰瘍形成
皮膚発疹皮膚変色
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