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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫
  • ○再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫

用法・用量

  • 通常、成人にはツシジノスタットとして1日1回40mgを週2回、3又は4日間隔で食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 骨髄機能低下のある患者
好中球減少、血小板減少、貧血、リンパ球減少等を増悪させるおそれがある。[7.2、8.1、11.1.1参照]
9.1.2 不整脈のある患者又はその既往歴のある患者
不整脈を悪化又は再発させるおそれがある。[8.3、11.1.4参照]
9.1.3 QT間隔延長又はその既往歴のある患者
QT間隔延長を起こすおそれがある。[8.3、11.1.4参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.4.2 生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、生殖機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。動物試験(ラット及びイヌ)では、ヒトの臨床用量を下回る用量で、雄雌の生殖器所見が認められている(精巣の縮小、精巣重量の低下、精巣の精細管萎縮及び卵巣・子宮の萎縮)。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていない。HDAC活性阻害により催奇形性を含む発生毒性が報告されており、本剤が胚・胎児発生に影響を及ぼす可能性がある。[2.2、9.4.1参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤のヒト乳汁中への移行は不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.2、9.1.1、11.1.1参照]
8.2 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(発熱、咳嗽、呼吸困難等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと。[11.1.2参照]
8.3 QT間隔延長、不整脈等があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中に、必要に応じて心機能検査(心電図、心エコー検査等)及び電解質検査(カリウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に確認すること。また、必要に応じて、電解質(カリウム、カルシウム等)を補正すること。[9.1.2、9.1.3、11.1.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤は使用前にPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法・用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 本剤の投与により副作用が発現した場合には、以下の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。[8.1、9.1.1参照]
本剤の減量ステップ
開始用量40mg
ステップ1(1段階減量)30mg
ステップ2(2段階減量)20mg
ステップ3投与中止
副作用発現時の休薬、減量、中止の目安
副作用注)処置
好中球減少下記以外の1,000/mm3未満の好中球数減少好中球数が1,500/mm3以上に回復するまで休薬する。回復後は、休薬前の用量で再開することができる。再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後は1段階減量して投与を再開することができる。
7日間を超えて持続する500/mm3未満の好中球数減少
発熱又は感染症を伴う1,000/mm3未満の好中球数減少
好中球数が1,500/mm3以上に回復するまで休薬する。回復後は、1段階減量して投与を再開することができる。
血小板減少下記以外の50,000/mm3未満の血小板数減少血小板数が75,000/mm3以上に回復するまで休薬する。回復後は、休薬前の用量で再開することができる。再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後は1段階減量して投与を再開することができる。
臨床的に重大な出血を伴う又は血小板輸血を要する50,000/mm3未満の血小板数減少血小板数が75,000/mm3以上に回復するまで休薬する。回復後は、1段階減量して投与を再開することができる。
非血液学的事象
(臨床的意義のない無症候性の検査値異常を除く)
Grade 3Grade 1以下に回復するまで休薬する。回復後は、1段階減量して投与を再開することができる。
Grade 4投与を中止する。
注)GradeはNCI-CTCAEに基づく

5.効能・効果に関連する注意

<再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫>
5.1 臨床試験に組み入れられた患者の病型及び予後不良因子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]
<再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫>
5.2 本剤投与の適応となる疾患の診断は、病理診断に十分な経験を持つ医師又は施設により行うこと。
5.3 臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
非ホジキンリンパ腫患者14例に本剤30又は40mgを週2回注)、3又は4日間隔で食後に反復経口投与したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を示す。本剤40mgを投与したときの投与25日目における本剤の蓄積比は1.24であった。
表 本剤のPKパラメータ
用量(mg)3040
投与日(日)125125
N7674
Cmax(ng/mL)199±105240±79.6590±464385±218
tmax(h)3.98
(2.50,11.9)
5.00
(2.47,12.0)
2.42
(1.52,5.95)
4.19
(0.78,12.0)
AUCtau(ng・h/mL)3,740±1,2104,870±1,3206,760±3,6506,010±3,500
t1/2(h)17.1±3.1521.6±5.2719.4±6.5118.7±2.05
平均値±標準偏差、:中央値(範囲)
図 本剤の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人16例に本剤20mgを単回経口投与注)したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与における本剤のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比[90%信頼区間]は、それぞれ0.757[0.615,0.932]及び1.094[0.968,1.237]であり、空腹時投与と比較して食後投与でtmaxは2.5時間遅延した(外国人データ)。
16.3 分布
本剤のヒト血漿タンパク結合率は88.9~89.4%であり、ヒト血球移行率は59.2~76.0%であった(in vitro)。
16.4 代謝
本剤は主にCYP3A4により代謝される(in vitro)。[10.参照]
16.5 排泄
非ホジキンリンパ腫患者における本剤40mgの単回投与時注)には、本剤の総投与量の25%が投与後72時間までに尿中に未変化体として排泄された。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人16例において、イトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回反復経口投与し、本剤20mgを単回経口投与注)したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時における本剤のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比[90%信頼区間]は、それぞれ1.41[1.02,1.94]及び1.46[1.23,1.72]であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 その他
本剤はP-gp、BCRP及びMRP2の基質であり、CYP2C19及び3Aを阻害した(in vitro)。
注)本剤の承認用法・用量は「1回40mgを週2回経口投与」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強いCYP3A阻害剤
イトラコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン等
グレープフルーツ含有食品
[16.7.1参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。これらの薬剤等の強いCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
抗不整脈薬
アミオダロン、ジソピラミド、プロカインアミド等
QT間隔を延長させることが知られている他の薬剤
クラリスロマイシン、モキシフロキサシン、ベプリジル等
QT間隔延長を増強するおそれがあるため、併用を避けることが望ましい。併用する場合には、患者の状態をより慎重に観察すること。これらの薬剤ではQT間隔を延長するとの報告があり、相加的なQT間隔延長を起こすことがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
血小板減少(76.9%)、好中球減少(55.1%)、白血球減少(39.7%)、貧血(26.9%)、リンパ球減少(23.1%)、発熱性好中球減少症(5.1%)等の骨髄抑制があらわれることがある。[8.1、9.1.1参照]
11.1.2 間質性肺疾患
肺臓炎(5.1%)、間質性肺疾患(2.6%)等があらわれることがある。異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。[8.2参照]
11.1.3 感染症
ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(2.6%)、尿路感染(1.3%)、肺炎(1.3%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.4 不整脈、QT間隔延長
QT間隔延長(6.4%)、動悸(3.8%)、第一度房室ブロック(1.3%)、心房細動(1.3%)、不整脈(1.3%)等があらわれることがある。[8.3、9.1.2、9.1.3参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上5%~10%未満5%未満
血液及びリンパ球系障害好酸球増加再生不良性貧血
胃腸障害下痢、悪心腹痛、腹部不快感、便秘、齲歯、消化不良、心窩部不快感、胃炎、口内炎、嘔吐
一般・全身障害倦怠感疲労、発熱末梢性浮腫、悪寒、無力症、胸部不快感、歩行障害
臨床検査γ-GTP増加ALP増加、体重減少、AST増加、ALT増加血中クレアチニン増加、C-反応性蛋白増加、リパーゼ増加、血中クレアチンホスホキナーゼMB増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中免疫グロブリンA減少、脳性ナトリウム利尿ペプチド増加、心胸郭比増加、心電図T波逆転
代謝食欲減退低アルブミン血症、低ナトリウム血症低カリウム血症、低カルシウム血症、糖尿病、低リン酸血症
筋骨格系筋痙縮、関節痛、関節炎、背部痛、関節腫脹、筋肉疲労、筋骨格硬直、四肢痛
神経系味覚異常頭痛、味覚消失、浮動性めまい、傾眠
腎泌尿器蛋白尿、尿瘻
呼吸器呼吸困難、鼻出血、咳嗽、胸水
皮膚発疹蕁麻疹、多形紅斑、全身性そう痒症、紫斑、ざ瘡様皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、紅斑、点状出血、光線過敏性反応、そう痒症、斑状丘疹状皮疹、皮膚潰瘍
その他高血圧、回転性めまい、結膜出血、末梢性T細胞リンパ腫・非特定型、心嚢液貯留
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