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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 2型糖尿病

用法・用量

  • 通常、成人にはイメグリミン塩酸塩として1回1000mgを1日2回朝、夕に経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須である。]
  • 2.3 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない。]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態
・脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
・栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
・激しい筋肉運動
・過度のアルコール摂取者
[8.2、11.1.1参照]
9.2 腎機能障害患者
9.2.1 eGFRが45mL/min/1.73m2未満の腎機能障害患者(透析患者を含む)
投与は推奨されない。本剤の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。[5.2、8.1、16.6.1参照]
9.3 肝機能障害患者
本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
また、重度(Child-Pugh分類C)の肝機能障害のある患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。動物実験(ラット)で胎児への移行が認められている。また、胎児の器官形成期に本剤を投与した動物実験では、ラットに1500mg/kg/日(臨床での最大投与量2000mg/日の約17倍の曝露量に相当)を経口投与した場合に、生存胎児体重の低値及び骨化遅延が認められている。ウサギに200mg/kg/日(臨床での最大投与量2000mg/日の約1.4倍の曝露量に相当)を経口投与した場合に、全胚吸収、生存胎児数の低値傾向を伴う着床後死亡率の上昇傾向及び生存胎児体重の低値傾向が認められている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 腎機能障害を有する場合、本剤の排泄が遅延し血中濃度が上昇するおそれがあるので、腎機能を定期的に検査することが望ましい。[5.2、9.2.1、16.6.1参照]
8.2 本剤の使用にあたっては、患者に対し、低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.3 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。[11.1.1参照]
8.4 投与する場合には、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3ヵ月間投与して効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
8.5 本剤とビグアナイド系薬剤は作用機序の一部が共通している可能性があること、また、両剤を併用した場合、他の糖尿病用薬との併用療法と比較して消化器症状が多く認められたことから、併用薬剤の選択の際には留意すること。[10.2、17.1.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
5.2 腎機能障害のある患者では、腎機能障害の程度に応じて腎臓からの排泄が遅延し、本剤の血中濃度が上昇する。中等度又は重度(eGFRが45mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施しておらず、投与は推奨されない。[8.1、9.2.1、16.6.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤1000mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
投与量tmax(h)Cmax(ng/mL)AUC0-24(ng・h/mL)t1/2(h)
1000mg(n=6)2.5(1.5-3.0)1393(40.3)9780(36.1)12.0(113.0)
幾何平均値(%幾何CV)、tmax:中央値(最小値-最大値)
16.1.2 反復投与
健康成人6例に本剤1回1000mgを1日2回7日間反復経口投与したとき、血漿中濃度は投与5日目には定常状態に達し、7日目のCmax及びAUC0-12の蓄積比はそれぞれ1.43倍及び1.57倍であった。
本剤を投与した867例から得られた血漿中濃度に基づくポピュレーションPK解析の結果、国内第3相試験(単独療法)に組み入れられた2型糖尿病患者(103例:eGFRの平均値73.2mL/min/1.73m2)に本剤1回1000mgを1日2回反復経口投与したときの曝露量(AUC0-12,ss)は18.0μg・h/mL(幾何平均値)と推定された。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性に本剤1000mgを空腹時及び食後に単回経口投与したときの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。臨床的に意義のある食事の影響は認められなかった。
投与時期tmax(h)Cmax(ng/mL)AUC0-48(ng・h/mL)t1/2(h)
空腹時(n=12)3.0(1.0-4.0)1681(27.5)12970(30.6)7.2(56.4)
食後(n=12)4.0(3.0-4.0)1424(26.1)11960(29.9)6.1(59.9)
幾何平均値(%幾何CV)、tmax:中央値(最小値-最大値)
16.3 分布
イメグリミンのヒト血漿中蛋白結合率は1.2%~6.4%であった(in vitro)。
16.4 代謝
健康成人男性6例に、14C標識イメグリミン1000mgを単回経口投与したとき、イメグリミンはほとんど代謝を受けず、血漿中及び尿中の主放射能成分は未変化体であった(外国人データ)。
イメグリミンはCYP1A2、CYP2A6、CYP2B6、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A4/5に対して阻害作用を示さず(IC50>100μmol/L)、120μmol/Lまでの濃度ではCYP1A2、CYP2B6、CYP2C9、CYP2C19及びCYP3A4/5を誘導しなかった(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人男性6例に、14C標識イメグリミン1000mgを単回経口投与したとき、投与144時間後までの尿中放射能及び未変化体の累積排泄率は投与放射能の43.2%及び42.0%、糞中放射能の累積排泄率は投与放射能の54.8%であった(外国人データ)。
イメグリミンはOCT1、OCT2、MATE1及びMATE2-Kの基質であったが、P-gp、BCRP、OAT1及びOAT3の基質ではなかった(in vitro)。イメグリミンは、P-gp、BCRP、OATP1B1、OATP1B3、OAT1、OAT3及びMATE2-Kに対する阻害作用は示さなかった(IC50>1000μmol/L)(in vitro)。一方、OCT1(Ki:154μmol/L)、OCT2(IC50:146μmol/L)及びMATE1(IC50:19.24μmol/L)に対し阻害作用を示したが(in vitro)、臨床上問題となる薬物相互作用がみられる可能性は低いと考えられた。[10.、16.7.1-16.7.4参照]
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害者
腎機能障害の程度の異なる被験者(eGFRの測定値に基づいて分類)における本剤単回経口投与時の薬物動態を、腎機能が正常な被験者(eGFR90mL/min/1.73m2以上)に本剤1000mg単回経口投与時と比較検討した結果は以下のとおりであった。
腎機能(eGFR(mL/min/1.73m2))投与量(mg)例数CmaxAUC0-last
幾何平均値の比[90%信頼区間]幾何平均値の比[90%信頼区間]
軽度(60≦eGFR<90)100061.42[1.05,1.91]1.49[1.03,2.17]
中等度(30≦eGFR<60)100061.52[1.13,2.05]1.81[1.25,2.63]
重度(15≦eGFR<30)500注)61.50[1.11,2.02]2.49[1.71,3.61]
腎機能障害の程度の異なる被験者(CLcr(クレアチニンクリアランス)の測定値に基づいて分類)における本剤1回500mg注)1日2回反復経口投与時の薬物動態を、腎機能が正常な被験者(CLcr80mL/min超)に本剤1回500mg1日2回反復経口投与時と比較検討した結果は以下のとおりであった(外国人データ)。
腎機能(CLcr※1例数CmaxAUCτ
幾何平均値の比[90%信頼区間]幾何平均値の比[90%信頼区間]
軽度(50≦CLcr≦80)41.28[1.03,1.59]1.50[1.16,1.94]
中等度(30≦CLcr<50)61.95[1.61,2.35]2.32[1.85,2.92]
重度(CLcr<30)52.86[2.08,3.94]3.56[2.51,5.06]
腎機能が正常な被験者は、腎機能障害程度別の被験者背景を考慮された上で組み入れられ、軽度及び中等度の腎機能障害者では8例の腎機能が正常な被験者、重度腎機能障害者では、軽度及び中等度の腎機能障害者と比較した8例とは別の6例の腎機能が正常な被験者と比較された。※1:クレアチニンクリアランス(mL/min)
透析患者(腹膜透析を含む)を対象とした臨床試験は実施していない。また、透析(血液透析、腹膜透析又は血液濾過)による本剤の除去に関するデータはない。[5.2、8.1、9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害者
中等度(Child-Pugh分類B)の肝機能障害者7例に本剤1000mgを単回経口投与したとき、イメグリミンのCmax及びAUC0-lastの最小二乗幾何平均比(肝機能障害者/健康成人)及び90%信頼区間は、それぞれ1.29[1.05,1.60]及び1.47[1.19,1.82]であった(外国人データ)。[9.3参照]
16.6.3 高齢者
2型糖尿病患者を対象とした国内後期第2相試験及び第3相試験で、本剤1回1000mgを1日2回反復経口投与した被験者の定常状態のAUC(AUC24,ss)をポピュレーションPK解析で推定したところ、65歳以上の高齢者のAUC24,ssは65歳未満と比較して1.28倍であった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 シタグリプチン
健康成人男性16例に本剤1回1500mg注)を1日2回とシタグリプチン1回100mgを1日1回6日間併用投与したとき、シタグリプチンのAUCτ及びCmaxは単独投与時の1.13倍及び1.15倍であった(外国人データ)。[16.5参照]
16.7.2 メトホルミン
健康成人男性15例に本剤1回1500mg注)とメトホルミン1回850mgを1日2回6日間併用投与したとき、メトホルミンのAUCτ及びCmaxは単独投与時の0.86倍及び0.90倍であった(外国人データ)。[16.5参照]
16.7.3 シメチジン
健康成人16例に本剤1500mg注)の単回投与とシメチジン1回400mgを1日2回併用投与したとき、イメグリミンのAUC0-last及びCmaxは単独投与時の1.27倍及び1.34倍であった(外国人データ)。[16.5参照]
16.7.4 その他の薬剤
ポピュレーションPK解析を用いた検討では、他の糖尿病用薬※)との併用投与時のイメグリミンのAUCは本剤単独投与時のAUCと同程度と推察された(推定AUC比:0.80~1.18)。[16.5参照]
※)
スルホニルウレア剤:グリクラジド、グリメピリド
速効型インスリン分泌促進薬:ミチグリニド、レパグリニド
ビグアナイド系薬剤:メトホルミン
α-グルコシダーゼ阻害剤:アカルボース、ボグリボース、ミグリトール
チアゾリジン系薬剤:ピオグリタゾン
DPP-4阻害剤:シタグリプチン、ビルダグリプチン、リナグリプチン、テネリグリプチン
SGLT2阻害剤:イプラグリフロジン、ダパグリフロジン、トホグリフロジン、エンパグリフロジン
GLP-1受容体作動薬:リラグルチド、デュラグルチド
注)本剤の承認用法・用量は1回1000mgを1日2回投与である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
糖尿病用薬
インスリン製剤
スルホニルウレア剤
速効型インスリン分泌促進薬
α-グルコシダーゼ阻害剤
チアゾリジン系薬剤
DPP-4阻害剤
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤 等
[11.1.1参照]
低血糖の発現に注意すること。特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがある。これらの薬剤による低血糖のリスクを軽減するため、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬の減量を検討すること。血糖降下作用が増強されるおそれがある。
ビグアナイド系薬剤
[8.5、11.1.1参照]
低血糖及び消化器症状の発現に注意すること。低血糖については、血糖降下作用が増強されるおそれがある。
消化器症状については、特に併用初期に多く発現する傾向が認められている。
血糖降下作用を増強する薬剤
β-遮断薬
サリチル酸剤
モノアミン酸化酵素阻害剤 等
[11.1.1参照]
血糖値、その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。血糖降下作用が増強されるおそれがある。
血糖降下作用を減弱する薬剤
アドレナリン
副腎皮質ホルモン
甲状腺ホルモン 等
血糖値、その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。血糖降下作用が減弱されるおそれがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 低血糖(6.7%)
低血糖があらわれることがある。特に、インスリン製剤、スルホニルウレア剤又は速効型インスリン分泌促進薬と併用した場合に、低血糖が発現するおそれがある。低血糖症状(初期症状:脱力感、高度の空腹感、発汗等)が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。[8.2、8.3、9.1.1、10.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~5%未満1%未満
感染症及び寄生虫症膀胱炎
代謝及び栄養障害食欲減退
眼障害糖尿病網膜症、糖尿病性網膜浮腫・黄斑浮腫
胃腸障害悪心、下痢、便秘嘔吐、腹部不快感、消化不良、上腹部痛、軟便、腹部膨満、胃食道逆流性疾患
臨床検査血中乳酸増加、リパーゼ増加、体重減少
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