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ユルトミリス点滴静注300mg、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○発作性夜間ヘモグロビン尿症
  • ○非典型溶血性尿毒症症候群
  • ○全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)
  • ○視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防

用法・用量

  • <発作性夜間ヘモグロビン尿症、全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>

    • 通常、成人には、ラブリズマブ(遺伝子組換え)として、患者の体重を考慮し、1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週後に1回3,000~3,600mg、以降8週ごとに1回3,000~3,600mgを点滴静注する。
  • <非典型溶血性尿毒症症候群>

    • 通常、ラブリズマブ(遺伝子組換え)として、患者の体重を考慮し、1回600~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週後に1回300~3,600mg、以降4週又は8週ごとに1回300~3,600mgを点滴静注する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与により髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡に至るおそれもあるため、以下の点に十分注意すること。[5.1、9.1.1、11.1.1参照]
    • 1.1.1 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
    • 1.1.2 緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること。
    • 1.1.3 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
    • 1.1.4 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、髄膜炎菌感染症に関連する症状が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
  • 1.2 本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症、非典型溶血性尿毒症症候群、全身型重症筋無力症あるいは視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。[5.1、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 髄膜炎菌感染症の既往のある患者
本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[1.1、5.1、11.1.1参照]
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[5.1、11.1.1、11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
9.7 小児等
<発作性夜間ヘモグロビン尿症、全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)及び視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>
9.7.1 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
<非典型溶血性尿毒症症候群>
9.7.2 体重5kg未満の小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。

8.重要な基本的注意

<発作性夜間ヘモグロビン尿症>
8.1 本剤投与によりPNH赤血球クローンが蓄積しているため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがある。本剤の投与を中止した患者に対しては、最低16週間、血管内溶血及びそれに付随する臨床症状の変化を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。[5.3参照]
<非典型溶血性尿毒症症候群>
8.2 本剤投与開始後は血小板数等を定期的にモニタリングし、改善傾向が認められない場合は、本剤の投与継続の要否を検討すること。
8.3 本剤を中止した場合に重度の血栓性微小血管障害が発現するおそれがある。本剤の投与を中止した患者に対しては、患者の状態を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
<製剤共通>
14.1.1 希釈前に、変色、微粒子、沈殿等がないことを目視にて確認し、異常が認められた場合は使用しないこと。
14.1.2 滅菌シリンジでバイアルから必要量を抜き取り、日局生理食塩液を用い、点滴バッグ等で本剤を希釈する。本剤1バイアルの希釈に必要な日局生理食塩液の量及び希釈後の本剤の濃度は下表を参考にすること。
本剤1バイアルの希釈に必要な日局生理食塩液の量及び希釈後の本剤の濃度
本剤(1バイアル)希釈に必要な日局生理食塩液(1バイアルあたり)希釈後の本剤の濃度
ユルトミリス点滴静注300mg30mL30mL5mg/mL
ユルトミリスHI点滴静注300mg/3mL3mL3mL50mg/mL
ユルトミリスHI点滴静注1100mg/11mL11mL11mL50mg/mL
14.1.3 濃度の異なる製剤(ユルトミリス点滴静注300mgとユルトミリスHI点滴静注300mg/3mL及び1100mg/11mL)を混合して使用しないこと。
14.1.4 希釈液は穏やかに混合し、振盪しないこと。
14.1.5 調製後、変色、微粒子、沈殿等がないことを目視にて確認し、異常が認められた場合は使用しないこと。
14.1.6 調製後は速やかに投与すること。
14.1.7 本剤のバイアルは1回使い切りである。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。
<ユルトミリス点滴静注300mg>
14.1.8 調製した溶液を直ちに使用しない場合は、2~8℃での保存では24時間以内、又は常温保存では6時間以内に使用すること。
<ユルトミリスHI点滴静注300mg/3mL及び1100mg/11mL>
14.1.9 調製した溶液を直ちに使用しない場合は、2~8℃での保存では24時間以内に、常温保存では4時間以内に使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
<製剤共通>
14.2.1 0.2又は0.22ミクロンのフィルターを通して投与すること。本剤は独立したラインより投与するものとし、他の注射剤、輸液等と混合しないこと。
14.2.2 本剤の投与中に副作用が発現した場合は、医師の判断で投与速度を遅くする又は投与を中止し、投与終了後、患者の症状が安定するまで慎重に観察すること。
<ユルトミリス点滴静注300mg>
14.2.3 希釈した液の投与速度は、以下の臨床試験における最大投与速度を超えないようにし、急速投与は行わないこと。
臨床試験における初回及び2回目以降投与時の最大投与速度
体重最大投与速度
初回投与時2回目以降の投与時
5kg以上10kg未満31mL/時31mL/時
10kg以上20kg未満63mL/時63mL/時
20kg以上30kg未満120mL/時127mL/時
30kg以上40kg未満184mL/時192mL/時
40kg以上60kg未満253mL/時250mL/時
60kg以上100kg未満318mL/時330mL/時
100kg以上333mL/時328mL/時
臨床試験における補充投与時の最大投与速度
体重補充用量最大投与速度
40kg以上60kg未満600mg240mL/時
1200mg240mL/時
1500mg250mL/時
60kg以上100kg未満600mg300mL/時
1500mg300mL/時
1800mg328mL/時
100kg以上600mg300mL/時
1500mg300mL/時
1800mg328mL/時
<ユルトミリスHI点滴静注300mg/3mL及び1100mg/11mL>
14.2.4 希釈した液の投与速度は、以下の最大投与速度を超えないようにし、急速投与は行わないこと。
初回及び2回目以降投与時の最大投与速度
体重最大投与速度
初回投与時2回目以降の投与時
5kg以上10kg未満8mL/時8mL/時
10kg以上20kg未満16mL/時16mL/時
20kg以上30kg未満30mL/時33mL/時
30kg以上40kg未満46mL/時49mL/時
40kg以上60kg未満64mL/時65mL/時
60kg以上100kg未満92mL/時98mL/時
100kg以上144mL/時144mL/時
補充投与時の最大投与速度
体重補充用量最大投与速度
40kg以上60kg未満600mg48mL/時
1200mg57mL/時
1500mg60mL/時
60kg以上100kg未満600mg60mL/時
1500mg83mL/時
1800mg86mL/時
100kg以上600mg71mL/時
1500mg120mL/時
1800mg127mL/時

7.用法及び用量に関連する注意

<発作性夜間ヘモグロビン尿症>
7.1 1回あたりの本剤の投与量は、下表を参考にすること。
1回あたりの本剤の投与量
体重初回投与量2回目以降の投与量
40kg以上60kg未満2,400mg3,000mg
60kg以上100kg未満2,700mg3,300mg
100kg以上3,000mg3,600mg
7.2 初回投与2週後までに血清中乳酸脱水素酵素(LDH)活性が低下していない場合には、本剤の投与継続の要否を検討すること。
<非典型溶血性尿毒症症候群>
7.3 1回あたりの本剤の投与量及び投与間隔は、下表を参考にすること。
1回あたりの本剤の投与量及び投与間隔
体重初回投与量2回目以降の投与量2回目以降の投与間隔
5kg以上10kg未満600mg300mg4週
10kg以上20kg未満600mg600mg4週
20kg以上30kg未満900mg2,100mg8週
30kg以上40kg未満1,200mg2,700mg8週
40kg以上60kg未満2,400mg3,000mg8週
60kg以上100kg未満2,700mg3,300mg8週
100kg以上3,000mg3,600mg8週
<全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)>
7.4 1回あたりの本剤の投与量は、下表を参考にすること。
1回あたりの本剤の投与量
体重初回投与量2回目以降の投与量
40kg以上60kg未満2,400mg3,000mg
60kg以上100kg未満2,700mg3,300mg
100kg以上3,000mg3,600mg
7.5 本剤の全身型重症筋無力症患者を対象とした臨床試験では、ほとんどの治療反応例で投与開始18週後までに症状の改善が得られた。投与開始18週後までに症状の改善が認められない患者では、リスクベネフィットを考慮し、本剤の投与中止を検討すること。
<視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>
7.6 1回あたりの本剤の投与量は、下表を参考にすること。
1回あたりの本剤の投与量
体重初回投与量2回目以降の投与量
40kg以上60kg未満2,400mg3,000mg
60kg以上100kg未満2,700mg3,300mg
100kg以上3,000mg3,600mg
7.7 本剤の血中濃度低下により再発のおそれがあるため、投与間隔を遵守すること。
7.8 本剤を一定期間投与後、再発の頻度について検討し、再発の頻度の減少が認められない患者では、本剤の投与中止を検討すること。
<効能共通>
7.9 免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法の施行により、本剤の血清中濃度が低下するので、下表を参考に本剤の補充投与を考慮すること。補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること。[10.2参照]
体重直近の本剤投与量本剤の補充用量本剤の補充用量
本剤の補充投与の時期血液浄化療法施行後4時間以内免疫グロブリン大量静注療法後4時間以内
40kg以上60kg未満2,400mg1,200mg600mg
3,000mg1,500mg
60kg以上100kg未満2,700mg1,500mg600mg
3,300mg1,800mg
100kg以上3,000mg1,500mg600mg
3,600mg1,800mg
7.10 新鮮凍結血漿輸注の施行により、本剤の有効性が減弱するおそれがある。

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 本剤は、補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。また、本剤投与に際しては、緊急治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。特に小児への本剤投与に際しては、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型に対するワクチンの接種状況を確認し、未接種の場合にはそれぞれのワクチンの接種を検討すること。[1.1、1.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2、17.1.1-17.1.6参照]
<発作性夜間ヘモグロビン尿症>
5.2 本剤は、フローサイトメトリー法等により、発作性夜間ヘモグロビン尿症と確定診断された患者に使用すること。
5.3 本剤投与によりPNH赤血球クローンが蓄積しているため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が生じるおそれがあることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与が適切と考えられる患者に使用すること。[8.1参照]
<非典型溶血性尿毒症症候群>
5.4 補体制御異常による非典型溶血性尿毒症症候群※)の患者に使用すること。
※)「非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2023」(日本腎臓学会・日本小児科学会・日本血液学会・日本補体学会・日本移植学会)を参考にすること。
5.5 二次性血栓性微小血管症の患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。
<全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)>
5.6 本剤は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者に使用すること。
5.7 本剤は、ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に、以下に示す患者への投与を考慮すること。
・免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法を施行しても症状の管理が困難な患者
・合併症や副作用等により、免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法の施行が困難な患者
<視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>
5.8 本剤は、視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)※)の患者に使用すること。
※)「多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017」(日本神経学会)を参考にすること。
5.9 抗アクアポリン4抗体陽性の患者に投与すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
<発作性夜間ヘモグロビン尿症>
16.1.1 国際共同第III相試験(ALXN1210-PNH-301)(補体阻害剤未治療の発作性夜間ヘモグロビン尿症患者)
18歳以上の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人発作性夜間ヘモグロビン尿症患者125例(日本人患者18例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった。
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者におけるラブリズマブの血清中トラフ濃度(μg/mL)
40kg以上60kg未満60kg以上100kg未満100kg以上
全集団Day15424±116(41例)378±146(79例)334±93(5例)
Day183548±168(41例)439±139(77例)392±144(6例)
Day351573±175(37例)462±186(76例)407±162(7例)
日本人Day15431±123(6例)387±99(12例)
Day183669±211(5例)475±143(13例)
Day351734±153(4例)511±168(14例)
平均値±標準偏差(例数)
16.1.2 国際共同第III相試験(ALXN1210-PNH-302)(エクリズマブ(遺伝子組換え)投与により血管内溶血が抑制されている発作性夜間ヘモグロビン尿症患者)
18歳以上のエクリズマブ(遺伝子組換え)投与により血管内溶血が抑制されている日本人及び外国人発作性夜間ヘモグロビン尿症患者97例(日本人患者5例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった。
発作性夜間ヘモグロビン尿症におけるラブリズマブの血清中トラフ濃度(μg/mL)
40kg以上60kg未満60kg以上100kg未満100kg以上
全集団Day15448±151(26例)395±108(63例)344±50(7例)
Day183561±135(27例)484±143(60例)424±109(8例)
Day351584±146(27例)513±164(58例)458±134(9例)
日本人Day15561(1例)333±86(3例)421(1例)
Day183854(1例)369±132(4例)
Day351789(1例)429±101(3例)564(1例)
平均値±標準偏差(例数)
<非典型溶血性尿毒症症候群>
16.1.3 国際共同第III相試験(ALXN1210-aHUS-311)(補体阻害剤未治療の非典型溶血性尿毒症症候群患者)
12歳以上の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人非典型溶血性尿毒症症候群患者55例(日本人3例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった。
非典型溶血性尿毒症症候群患者におけるラブリズマブの血清中トラフ濃度(μg/mL)
40kg以上60kg未満60kg以上100kg未満100kg以上
全集団Day15343±109(11例)312±107(39例)269±67(5例)
Day183612±333(7例)492±180(33例)549±208(5例)
Day351596±324(7例)574±204(30例)715±306(5例)
日本人Day15397(1例)283,352(2例)
Day183543(1例)374,773(2例)
Day351688(1例)434,807(2例)
平均値±標準偏差(例数)
16.1.4 国際共同第III相試験(ALXN1210-aHUS-312)(非典型溶血性尿毒症症候群患者)
18歳未満の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人非典型溶血性尿毒症症候群患者18例(日本人1例を含む)に、本剤を1回300~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回300~3,600mgを4週又は8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった。
非典型溶血性尿毒症症候群患者におけるラブリズマブの血清中トラフ濃度(μg/mL)
5kg以上10kg未満10kg以上20kg未満20kg以上30kg未満30kg以上40kg未満40kg以上60kg未満60kg以上100kg未満
全集団Day1558a),432
(2例)
231±87
(9例)
199±25
(4例)
142,217
(2例)
435
(1例)
Day183193a)
(1例)
701±244
(8例)
570±224
(4例)
511±100
(3例)
444
(1例)
Day351673±210
(9例)
573±297
(3例)
303,623
(2例)
637
(1例)
639
(1例)
日本人Day15432
(1例)
Day1831,000
(1例)
Day3511,000
(1例)
平均値±標準偏差(例数)a)初回投与量は300mg
<全身型重症筋無力症>
16.1.5 国際共同第III相試験(ALXN1210-MG-306)(全身型重症筋無力症患者)
18歳以上の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人全身型重症筋無力症患者86例(日本人6例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった。
全身型重症筋無力症患者におけるラブリズマブの血清中トラフ濃度(μg/mL)
40kg以上60kg未満60kg以上100kg未満100kg以上
全集団Day15556±116(7例)439±118(46例)358±68(32例)
Day183887±83(4例)636±157(39例)471±109(27例)
日本人Day15492,520(2例)467±159(4例)
Day183817,833(2例)736±86(3例)
平均値±標準偏差(例数)
<視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防>
16.1.6 国際共同第III相試験(ALXN1210-NMO-307)(視神経脊髄炎スペクトラム障害患者)
18歳以上の補体阻害剤未治療の日本人及び外国人視神経脊髄炎スペクトラム障害患者58例(日本人9例を含む)に、本剤を1回2,400~3,000mgを開始用量とし、初回投与2週間後から1回3,000~3,600mgを8週間隔で点滴静注したときのラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおりであった。
視神経脊髄炎スペクトラム障害患者におけるラブリズマブの血清中トラフ濃度(μg/mL)
40kg以上60kg未満60kg以上100kg未満100kg以上
全集団Day15475±87(22例)467±87(31例)343±45(5例)
Day183829±222(21例)755±162(29例)500±128(5例)
Day351857±212(21例)741±180(26例)497±203(5例)
日本人Day15531±77(7例)603,643(2例)
Day183831±198(7例)901,1100(2例)
Day351880±170(7例)813,993(2例)
平均値±標準偏差(例数)
16.5 排泄
ラブリズマブはヒト化IgGモノクローナル抗体であることから、内因性の免疫グロブリンの消失経路と同じと推察される。
16.8 その他
18歳以上のラブリズマブ(遺伝子組換え)10mg/mL製剤を投与している日本人発作性夜間ヘモグロビン尿症患者8例において、ラブリズマブ100mg/mL製剤に切替えたとき、切替え前後のラブリズマブの血清中トラフ濃度は下表のとおり同程度であった。
ラブリズマブの血清中トラフ濃度(μg/mL)
10mg/mL製剤投与時100mg/mL製剤投与時
日本人502.9±184.2(8例)498.0±214.3(8例)
平均値±標準偏差(例数)
製剤の切替えによる薬物動態の差異はみられなかった。切替え前後のLDH値の平均値の推移は安定していた。安全性への新たな懸念も認められなかった。
外国人発作性夜間ヘモグロビン尿症患者25例における10mg/mL製剤から100mg/mL製剤への切替えにおいても、切替え前後で薬物動態及びLDH値の平均値の推移に差異は見られず、安全性への新たな懸念も認められなかった。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
人免疫グロブリン製剤
(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等)
[7.9参照]
人免疫グロブリン製剤との併用投与によって本剤の効果が減弱するおそれがあるので、併用する場合には、本剤の補充投与を考慮すること。人免疫グロブリン製剤との継続的な併用投与により、本剤の血清中濃度が低下する可能性がある。
エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)本剤の効果が減弱するおそれがあるので、本剤による治療を開始する場合には、エフガルチギモド アルファのサイクル投与における最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。エフガルチギモド アルファにより、本剤を含む胎児性Fc受容体(FcRn)に結合する薬剤の血清中濃度が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 髄膜炎菌感染症(0.4%)
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化することがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例が認められており、死亡に至るおそれもある。[1.1、1.2、5.1、9.1.1、9.1.2参照]
11.1.2 重篤な感染症(1.9%)
播種性淋菌感染症、肺炎球菌感染、インフルエンザ菌感染等の重篤な感染症があらわれることがある。[5.1、9.1.2参照]
11.1.3 infusion reaction(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上1%以上10%未満1%未満頻度不明
胃腸障害悪心、下痢、嘔吐消化不良、腹痛
一般・全身障害および投与部位の状態疲労、発熱インフルエンザ様疾患、悪寒無力症
感染症および寄生虫症上気道感染、上咽頭炎ナイセリア感染(淋菌等)
傷害、中毒および処置合併症注入に伴う反応
筋骨格系および結合組織障害関節痛、四肢痛筋肉痛、筋痙縮、背部痛
神経系障害頭痛浮動性めまい
皮膚および皮下組織障害そう痒症、発疹蕁麻疹
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