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ライアットMIBG-I131静注

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ
  • ○MIBG集積陽性の神経芽腫

用法・用量

  • <MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ>

    • 通常、成人には3-ヨードベンジルグアニジン(131I)として1回5.55~7.4GBqを1時間かけて点滴静注する。
  • <MIBG集積陽性の神経芽腫>

    • 通常、3-ヨードベンジルグアニジン(131I)として1回296~666MBq/kgを1~4時間かけて点滴静注する。

禁忌 

【警告】

  • <効能共通>

    • 1.1 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法及び放射線治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
  • <MIBG集積陽性の神経芽腫>

    • 1.2 造血幹細胞移植に十分な知識・経験を持つ医師のもとで投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5、15.1.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
本剤は主に腎臓から排泄される。腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。[16.5、16.6.1参照]
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、放射線に起因する生殖細胞への影響等があらわれる可能性があることを考慮すること。[15.1.1参照]
9.4.2 妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。[15.1.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。放射線による胎児の発育や遺伝子への影響が懸念される。[2.2、15.1.1参照]
9.6 授乳婦
本剤投与中及び投与終了後一定期間は、授乳を避けさせること。[15.1.1参照]
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

<効能共通>
8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]
<MIBG集積陽性の神経芽腫>
8.2 本剤を1回あたり444MBq/kgを超えて投与する際には、患者の状態及び臓器機能(心、肺、肝、腎等)を十分検討し、造血幹細胞移植を実施可能と判断される患者にのみ投与すること。[7.4参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
本剤は解凍開始後4時間以内に投与開始すること。また、解凍後に再凍結しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤の投与にあたっては、遊離した放射性ヨードが甲状腺に摂取されることを防止するため、本剤投与前からヨード剤を投与すること。[17.1.1参照]
<MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ>
7.2 本剤の投与量、投与回数等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、関連学会の最新のガイドライン等を参考にした上で選択すること。[17.1.1参照]
<MIBG集積陽性の神経芽腫>
7.3 本剤の投与量、投与回数等について、関連学会の最新のガイドライン等を参考にした上で選択すること。
7.4 本剤の1回あたり444MBq/kgを超える投与は、造血幹細胞移植が可能な患者に限ること。[8.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

<MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ>
5.1 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]
<MIBG集積陽性の神経芽腫>
5.2 関連学会の最新のガイドライン等を参考にした上で、適応患者の選択を行うこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人の褐色細胞腫患者12例(疑診例8例を含む)に131I-MIBG 18.5MBqを単回静脈内投与したときの血液中放射能濃度推移及び放射能の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
図 131I-MIBGの血液中放射能濃度推移
表 131I-MIBGの放射能の薬物動態パラメータ
Cmax(%dose/L)AUCinf(%dose・h/L)t1/2注)(h)Vss(L)CL(L/h)MRT(h)
2.8530582613.478
平均値注)消失相におけるt1/2
16.3 分布
16.3.1 吸収線量
131I-MIBG 1MBqを投与したときの各組織における吸収線量は次のとおりである。
臓器吸収線量(mGy/MBq)
成人15歳10歳5歳1歳
副腎0.170.230.330.450.69
膀胱壁0.590.731.11.73.3
骨表面0.0610.0720.110.180.36
乳房0.0690.0690.110.180.35
胃壁0.0770.0930.150.250.47
小腸0.0740.0910.150.240.45
上部大腸0.080.0960.160.260.48
下部大腸0.0680.0810.130.210.39
心臓0.0720.0910.140.20.35
腎臓0.120.140.210.30.51
肝臓0.831.11.62.44.6
0.190.280.390.61.2
卵巣0.0660.0880.140.230.42
膵臓0.10.130.20.320.57
唾液腺0.230.280.380.510.75
赤色骨髄0.0670.0830.130.190.35
脾臓0.490.691.11.73.2
精巣0.0590.070.110.190.36
甲状腺0.050.0650.110.180.35
子宮0.080.10.160.260.48
その他0.0620.0750.120.190.37
実効線量当量(mSv/MBq)0.20.260.40.611.1
16.3.2 血漿タンパク結合
123I-MIBGのヒト血漿タンパク非結合形分率は12.4%であったとの報告がある(in vitro)。
16.3.3 血球移行性
褐色細胞腫患者3例に123I-MIBG 0.19~0.20GBqを単回静脈内投与したとき、投与2分、2時間及び24時間後の血液中放射能に対する血漿画分の放射能の割合は、それぞれ46.6、28.0及び20.5%であったとの報告がある(外国人データ)。
16.5 排泄
日本人の褐色細胞腫患者12例(疑診例8例を含む)に131I-MIBG 18.5MBqを単回静脈内投与したとき、投与72時間後までに投与した放射能の72.0%が尿中に排泄された。
神経芽腫患者3例に131I-MIBG(投与量不明)を単回静脈内投与したとき、投与41時間後までの尿中において、主に未変化体が検出された(尿中総放射能に対する割合は87%)。また、主な代謝物として3-ヨード馬尿酸(131I)及び遊離131Iが検出された(尿中総放射能に対する割合は、3-ヨード馬尿酸(131I)及び遊離131Iの合計で10%)との報告がある(外国人データ)。[9.2参照]
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
褐色細胞腫患者9例に131I-MIBG 15.5~19.6MBqを単回静脈内投与したとき、腎機能が正常であった患者(6例)及び腎機能の低下が認められた患者(3例)(尿素窒素:23.7~27mg/dL、血清クレアチニン:1.1~1.5mg/dL)の投与3日後までの放射能の尿中排泄率は、それぞれ70~80%及び25~60%であったとの報告がある(外国人データ)。[9.2参照]
※本剤の「MIBG集積陽性の治癒切除不能な褐色細胞腫・パラガングリオーマ」に対する承認用法及び用量は「通常、成人には3-ヨードベンジルグアニジン(131I)として1回5.55~7.4GBqを1時間かけて点滴静注する。」、「MIBG集積陽性の神経芽腫」に対する承認用法及び用量は「通常、3-ヨードベンジルグアニジン(131I)として1回296~666MBq/kgを1~4時間かけて点滴静注する。」である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ラベタロール塩酸塩本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい。これらの薬剤により、本剤の腫瘍への集積が低下する可能性がある。
レセルピン本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい。これらの薬剤により、本剤の腫瘍への集積が低下する可能性がある。
三環系抗うつ剤
イミプラミン塩酸塩等
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、併用を避けることが望ましい。これらの薬剤により、本剤の腫瘍への集積が低下する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
リンパ球減少(81.3%)、血小板減少(62.5%)、白血球減少(43.8%)、好中球減少(25.0%)等があらわれることがある。[8.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満頻度不明
消化器悪心(68.8%)、食欲減退、便秘、唾液腺炎嘔吐、口内炎、消化不良、唾液腺痛、腹部不快感
循環器高血圧、BNP増加左室機能不全、動悸
その他頭痛、倦怠感関節炎、血中ビリルビン増加、疼痛、月経障害甲状腺機能低下症
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