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ペメトレキセド点滴静注用100mg「日医工G」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 悪性胸膜中皮腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌における術前補助療法

用法・用量

  • <悪性胸膜中皮腫>

    • シスプラチンとの併用において、通常、成人にはペメトレキセドとして、1日1回500mg/m2(体表面積)を10分間かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1コースとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>

    • 通常、成人にはペメトレキセドとして、1日1回500mg/m2(体表面積)を10分間かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1コースとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
  • <扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌における術前補助療法>

    • ニボルマブ(遺伝子組換え)及び白金系抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはペメトレキセドとして、1日1回500mg/m2(体表面積)を10分間かけて点滴静注し、少なくとも20日間休薬する。これを1コースとし、3コースまで投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤を含むがん化学療法に際しては、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の電子添文を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
  • 1.2 本剤による重篤な副作用の発現を軽減するため、必ず葉酸及びビタミンB12の投与のもとに本剤を投与すること。[7.1参照]
  • 1.3 重度の腎機能障害患者で、本剤に起因したと考えられる死亡が報告されているので、重度の腎機能障害患者には本剤を投与しないことが望ましい。[9.2参照]
  • 1.4 多量の胸水又は腹水が認められる患者では、体腔液の排出を検討すること。他の葉酸代謝拮抗剤で、胸水又は腹水等の体腔液の貯留が認められる患者に投与した場合、副作用の増強が報告されている。[9.1.3参照]
  • 1.5 本剤の投与により、間質性肺炎があらわれることがあるので、本剤の投与に際しては、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、間質性肺炎が疑われた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.3参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 高度な骨髄抑制のある患者[骨髄抑制が増悪し、致命的となることがある。]
  • 2.3 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 骨髄抑制のある患者[8.2参照]
9.1.2 間質性肺炎、肺線維症、又はこれらの疾患の既往歴のある患者[8.3参照]
9.1.3 胸水又は腹水が認められる患者
多量の体腔液が認められる患者では、本剤投与前に体腔液の排出を検討すること。胸水、腹水等体腔液の本剤投与への影響は不明であるが、他の葉酸代謝拮抗剤で副作用の増強が報告されている。[1.4参照]
9.2 腎機能障害患者
本剤は主として腎より排泄される。腎機能障害の程度に応じて本剤の血中濃度の増加が認められている。クレアチニンクリアランスが45mL/min未満の患者は臨床試験では除外されている。[1.3参照]
9.2.1 重度の腎機能障害患者[8.4参照]
9.3 肝機能障害患者
臨床試験では除外されている。
9.4 生殖能を有する者
生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。動物実験で雄性生殖器に対する影響(マウス:精子形成能の低下あるいは精細管変性、イヌ:精細管上皮の変性あるいは壊死)が報告されている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(マウス)で催奇形作用が報告されている。[2.3参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。乳汁中への移行については不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 発疹が高頻度に起こるので、発疹の発現及び重症化を軽減するため、副腎皮質ホルモン剤の併用投与を考慮すること。[17.1.1-17.1.5参照]
8.2 骨髄抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、投与に際しては臨床症状を十分に観察し、頻回に臨床検査(血液学的検査、肝機能検査、腎機能検査等)を行うこと。また、本剤の投与にあたっては、G-CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること。[9.1.1、11.1.1参照]
8.3 間質性肺炎等の重篤な肺毒性が起こることがあるので、本剤の投与にあたっては、臨床症状(呼吸状態、咳及び発熱等の有無)を十分に観察し、定期的に胸部X線検査を行うこと。また、必要に応じて胸部CT検査、動脈血酸素分圧(PaO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)等の検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[1.5、9.1.2、11.1.3参照]
8.4 重度の腎機能障害患者で、本剤に起因したと考えられる死亡が報告されているので、本剤投与前に患者の腎機能を確認すること。[9.2.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に薬液が付着した場合は直ちに石けんでよく洗浄し、粘膜に付着した場合は直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。
14.1.2 本剤の溶解及び希釈には日局生理食塩液のみを使用すること。カルシウムを含有する溶液との混合により濁り又は沈殿が確認されているので、乳酸リンゲル液及びリンゲル液等との配合を避けること。また、他剤との混注を行わないこと。
14.1.3 本剤1バイアルに日局生理食塩液を、ペメトレキセド点滴静注用100mg「日医工G」の場合4.2mL、ペメトレキセド点滴静注用500mg「日医工G」の場合20mLを注入して十分に溶解する。溶解後のペメトレキセド濃度は25mg/mL(実測値)である。投与量に応じて必要量の溶解液を抜き取り、日局生理食塩液に混和して100mLとして用いる。
14.1.4 溶解後は速やかに投与すること。保存する場合は冷蔵(2~8℃)にて保存し、24時間以内に使用すること。溶解した残液は使用しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
必ず点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

<効能共通>
7.1 本剤による重篤な副作用の発現を軽減するため、以下のように葉酸及びビタミンB12を投与すること。
・葉酸
本剤初回投与の7日以上前から葉酸として1日1回0.5mgを連日経口投与する。なお、本剤の投与を中止又は終了する場合には、本剤最終投与日から22日目まで可能な限り葉酸を投与する。
・ビタミンB12
本剤初回投与の少なくとも7日前に、ビタミンB12として1回1mgを筋肉内投与する。その後、本剤投与期間中及び投与中止後22日目まで9週ごと(3コースごと)に1回投与する。[1.2参照]
7.2 欧米の添付文書中には、次表の減量基準の記載がある。
減量に関する推奨事項-次回のコース開始時の用量調節は、前回の投与コースでの最低血球数又は最大非血液毒性に基づき決定すること。回復に十分な時間をかけるために投与を延期してもよい。回復時には、表1、2、3のガイドラインに従い再投与を行うこと。これらは本剤を単剤又はシスプラチンとの併用で使用する際いずれにも適用する。
表1)本剤(単剤又は併用)及びシスプラチンの用量調節-血液毒性
本剤及びシスプラチンの用量(mg/m2
最低好中球数<500/mm3及び最低血小板数≧50,000/mm3前回の用量の75%
最低好中球数に関わらず最低血小板数<50,000/mm3前回の用量の75%
最低好中球数に関わらず出血を伴う最低血小板数<50,000/mm3前回の用量の50%
患者にグレード3以上の非血液毒性が発現した場合には、投与開始前の値以下に回復するまで本剤の投与を控えること。投与再開は表2のガイドラインに従うこと。
表2)本剤(単剤又は併用)及びシスプラチンの用量調節-非血液毒性注1)、注2)
本剤の用量(mg/m2シスプラチンの用量(mg/m2
粘膜炎を除くグレード3又は4の毒性前回の用量の75%前回の用量の75%
入院を要する下痢(グレードは問わない)又はグレード3若しくは4の下痢前回の用量の75%前回の用量の75%
グレード3又は4の粘膜炎前回の用量の50%前回の用量の100%
注1)米国国立癌研究所共通毒性規準(CTC)注2)神経毒性を除く
神経毒性の発現時に推奨される本剤とシスプラチンの用量調節を表3に示す。グレード3又は4の神経毒性が認められた場合には投与を中止すること。
表3)本剤(単剤又は併用)及びシスプラチンの用量調節-神経毒性
CTCグレード本剤の用量(mg/m2シスプラチンの用量(mg/m2
0~1前回の用量の100%前回の用量の100%
2前回の用量の100%前回の用量の50%
2回の減量後にグレード3若しくは4の血液毒性あるいは非血液毒性が認められた場合又はグレード3若しくは4の神経毒性が観察された場合は直ちに本剤の投与を中止すること。
<悪性胸膜中皮腫>
7.3 シスプラチン以外の抗悪性腫瘍剤との併用における有効性及び安全性は確立していない。なお、シスプラチンは本剤投与30分後に75mg/m2(体表面積)を投与し、投与に際しては、シスプラチンの電子添文に従い腎毒性軽減のための処置等を行うこと。
7.4 本剤を単剤で使用した場合の有効性及び安全性は確立していない。

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 術後補助療法における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
<悪性胸膜中皮腫>
5.2 がん化学療法既治療例における本剤の有効性及び安全性は確立していない。
<切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌>
5.3 扁平上皮癌等の組織型ごとの結果及び化学療法既治療例での結果を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、患者の選択を行うこと。[17.1.5参照]
<扁平上皮癌を除く非小細胞肺癌における術前補助療法>
5.4 臨床試験に組み入れられた患者の病期等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適宜患者の選択を行うこと。[17.1.6参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 血漿中濃度
各種悪性腫瘍患者31例にペメトレキセドを300~1,200mg/m2注)の用量範囲で21日ごとに10分間点滴静注した。血漿中濃度は点滴終了直後が最も高く、その後速やかに消失し、消失半減期は2.74時間(範囲:2.28~3.62時間)であった。このときの血漿クリアランスは53.0~109mL/min、定常状態分布容積は10.6~14.8Lであった。第1コース及び第2コース間で血漿中濃度に差は認められなかった。
16.3 分布
16.3.1 組織分布
(参考)
マウスに14C標識体20mg/kgを単回静注したとき、肺等の広範な臓器・組織に速やかに分布した。投与1時間後には、尿、胆のう内胆汁、糞、腸内容物、腎臓及び肝臓に比較的高い放射活性が検出され、ペメトレキセドが投与後速やかに尿中及び胆汁中に排泄されることが示唆された。
16.3.2 蛋白結合率
ペメトレキセドのヒト蛋白結合率は約80%であった。また、ペメトレキセドのヒト蛋白結合率は腎機能障害による影響をほとんど受けなかった(in vitro)。
16.4 代謝
ペメトレキセドは主として尿中へ未変化体として排泄されることから、代謝をほとんど受けないと推察された。
16.5 排泄
各種悪性腫瘍患者31例にペメトレキセドを300~1,200mg/m2注)の用量範囲で21日ごとに10分間点滴静注した。ペメトレキセドは点滴静注後24時間以内に、その大部分が主に尿中へ未変化体として排泄され、投与後72時間までの累積尿中未変化体排泄率は75.2%(64.5~82.7%)であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
日本人患者と外国人患者の統合解析により、ペメトレキセドの薬物動態に与える腎機能の影響を評価した。日本人の腎機能低下患者(クレアチニンクリアランス45mL/min)にペメトレキセド500mg/m2を投与した場合、腎機能が正常な患者(クレアチニンクリアランス90mL/min)に比較して、ペメトレキセドの血漿クリアランスが32%低く、血漿中濃度時間曲線下面積(AUC)が48%増大すると予測された。
16.7 薬物相互作用
葉酸とビタミンB12の併用は、ペメトレキセドの単剤投与時、あるいはシスプラチンとの併用投与時ともペメトレキセドの血漿クリアランスに影響を与えないことが示された。また、ペメトレキセドとシスプラチンは互いの薬物動態に影響を及ぼさないことが明らかとなった(外国人データ)。
注)本剤の承認された1回用量は、500mg/m2(体表面積)である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
非ステロイド性抗炎症剤
イブプロフェン等
本剤の血中濃度が増加し、副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、頻回に臨床検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。他の葉酸代謝拮抗剤で副作用の増強が知られており、本剤においてもクリアランスの低下が認められている。
腎毒性を有する薬剤又は腎排泄型薬剤
プロベネシド、ペニシリン等
本剤の血中濃度が増加し、副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、慎重に投与すること。他の葉酸代謝拮抗剤で腎排泄を競合的に阻害することが知られており、本剤のクリアランスを遅延させるおそれがある。
抗悪性腫瘍剤骨髄機能抑制等の副作用が増強するおそれがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を十分に観察すること。ともに骨髄機能抑制作用を有する。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
白血球減少(71.6%)、好中球減少(64.4%)、ヘモグロビン減少(54.2%)、リンパ球減少(51.1%)、血小板減少(46.2%)、貧血、発熱性好中球減少、汎血球減少症があらわれることがある。[8.2参照]
11.1.2 感染症
敗血症、肺炎等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.3 間質性肺炎(3.6%)
肺毒性の発症あるいは急性増悪が疑われた場合には、直ちに本剤による治療を中止し、ステロイド治療等の適切な処置を行うこと。[8.3参照]
11.1.4 ショック、アナフィラキシー
呼吸困難、喘鳴、血圧低下、発疹、発赤、そう痒感等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.5 重度の下痢(1.3%)
11.1.6 脱水(1.3%)
異常が認められた場合には、減量、休薬、補液、電解質投与等適切な処置を行うこと。
11.1.7 腎不全
クレアチニン上昇(7.1%)、腎不全、クレアチニンクリアランス低下があらわれることがある。
11.1.8 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

20%以上5~20%未満5%未満頻度不明
内分泌系血糖値上昇尿糖陽性
精神神経系頭痛、めまい、感覚神経障害味覚異常、感覚鈍麻、不眠症、傾眠、運動神経障害
眼脂、流涙増加、眼球乾燥、結膜炎
循環器血圧上昇、心嚢液貯留、動悸、不整脈
血管障害ほてり潮紅
呼吸器しゃっくり、咳嗽、咽喉頭疼痛、鼻漏、呼吸困難、胸水、低酸素症
消化器食欲不振、悪心、嘔吐便秘、下痢、口内炎・咽頭粘膜炎、消化不良口唇炎、胃部不快感、腹痛、胃炎、食道炎大腸炎
肝臓AST上昇、ALT上昇、血中LDH上昇、血中Al-P上昇ビリルビン上昇、γ-GTP上昇尿中ウロビリン陽性
皮膚発疹そう痒症色素沈着、脱毛症、多形紅斑、蕁麻疹
腎臓アルブミン低下、電解質異常、尿潜血陽性、蛋白尿、総蛋白減少、BUN上昇総蛋白増加
その他倦怠感、発熱、CRP上昇疲労、体重減少、熱感、白血球増多、好中球増多、血小板増多、浮腫関節痛、感冒様症状、顔面浮腫、眼瞼浮腫、悪寒、鼻出血、肺炎、単球増多、胸痛、アレルギー反応/過敏症放射線照射リコール反応、溶血性貧血
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