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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 原発性腋窩多汗症

用法・用量

  • 1日1回、1包に封入されている不織布1枚を用いて薬液を両腋窩に塗布する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。]
  • 2.2 前立腺肥大による排尿障害のある患者[抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。][9.1.1参照]
  • 2.3 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 前立腺肥大症の患者(排尿障害のある患者を除く)
抗コリン作用により、尿閉を誘発するおそれがある。当該患者は臨床試験で除外されている。[2.2参照]
9.1.2 塗布部位に創傷や湿疹・皮膚炎等がみられる患者
創傷や湿疹、皮膚炎等がある部位への使用は避けること。体内移行量が増加し、抗コリン作用に基づく副作用があらわれやすくなる可能性がある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット:皮下投与)で胎盤通過性が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット:皮下投与)で乳汁中移行が報告されている。
9.7 小児等
9歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 抗コリン作用により、羞明、霧視、散瞳等の眼の調節障害があらわれることがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
8.2 発汗が促進される環境下では、本剤の発汗抑制作用により、体温が上昇するおそれがある。熱中症を疑う症状があらわれた場合には、適切な処置を行うよう患者に指導すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 使用直前に開封すること。
14.1.2 本剤は1回使い切りである。使用後は患者及び他者が触れないところに廃棄すること。
14.1.3 本剤を扱った後は、その手で眼に触れず、直ちに手をよく洗うこと。
14.1.4 本剤の薬液が眼に入った場合、羞明、霧視等の眼の調節障害があらわれることがある。また、刺激を感じることがあるので、眼に入らないよう注意すること。万一、眼に入った場合は、直ちに水で洗い流すこと。
14.2 薬剤使用時の注意
14.2.1 清潔で乾いた状態の腋窩に使用すること。
14.2.2 左右の腋窩に1回ずつ塗布すること。
14.2.3 密封法は行わないこと。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
成人の原発性腋窩多汗症患者11例を対象に、本剤と同一有効成分を3.75%注)含有するワイプ製剤1枚を用いて左右の腋窩に単回塗布し、24時間後まで経時的に血漿中グリコピロニウム濃度を測定したところ、2.55時間後に最高血漿中濃度に達し、0.139ng/mLであった(外国人データ)。
16.1.2 反復投与
原発性腋窩多汗症患者を対象に、本剤を1日1回(夜就寝前又は朝起床後)左右の腋窩に最大52週間反復塗布したときの血漿中グリコピロニウム濃度は次のとおりであった。
表 血漿中グリコピロニウム濃度
例数a)(n/N)中央値(pg/mL)最小値-最大値(pg/mL)
ベースラインb)30/18224.4510.2-201.0
2週後54/18218.1510.1-170.0
4週後52/18019.9510.5-154.0
12週後53/17923.6010.1-1510.0
28週後49/16720.1010.2-197.0
52週後40/14921.1510.0-585.0
a)n/N=血漿中グリコピロニウム濃度が定量下限値(10pg/mL)以上であった被験者数/各時点の被験者数b)182例中90例がベースライン時点で本剤を1日1回左右の腋窩に4週間塗布していた。
16.3 分布
14C]グリコピロニウムトシル酸塩水和物をグリコピロニウムとして10~1000ng/mLの濃度でヒト血漿に添加したときの血漿蛋白結合率は55.7%~57.8%であり、主にα1-酸性糖蛋白と結合した(in vitro)。
16.4 代謝
グリコピロニウムの主要な代謝経路はシクロペンタン環又はベンゼン環の酸化であり、この酸化的代謝にはCYP2D6及びCYP3A4の関与が示唆された。また、エステル結合の加水分解により生じるカルボン酸化合物を認めた(in vitro)。
原発性腋窩多汗症患者に本剤を1日1回左右の腋窩に4週間反復塗布したとき、血漿中にはカルボン酸化合物を、尿中にはカルボン酸化合物のほか、ベンゼン環又はシクロペンタン環の水酸化体を代謝物として認めた。
16.5 排泄
14C]グリコピロニウムトシル酸塩水和物をラット及びミニブタに単回皮下投与した。ラットでは、投与後168時間までに投与放射能量の70.3%が尿中に、30.0%が糞中に排泄された。投与後48時間までの尿中放射能の34.8%が未変化体であった。ミニブタでは、投与後168時間までに投与放射能量の80.6%が尿中に、19.1%が糞中に排泄された。投与後72時間までの尿中放射能の13.4%が未変化体であった。
注)本剤の承認規格は2.5%である。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%以上1%未満頻度不明
羞明、散瞳、霧視、ドライアイ視力低下
泌尿器排尿困難、頻尿尿量減少、排尿回数減少、膀胱炎
消化器口渇悪心、口唇乾燥
適用部位接触皮膚炎、湿疹皮膚炎、紅斑、色素沈着、皮脂欠乏性湿疹そう痒感
その他代償性発汗、鼻乾燥、ALT増加、めまい、血圧上昇、倦怠感、湿疹、鉄欠乏性貧血、皮膚乾燥無汗症、ほてり
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