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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○慢性骨髄性白血病
  • ○再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病

用法・用量

  • <慢性骨髄性白血病>

    • (1)慢性期

      • 通常、成人にはダサチニブとして1日1回100mgを経口投与する。
        なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回140mgまで増量できる。
    • (2)移行期又は急性期

      • 通常、成人にはダサチニブとして1回70mgを1日2回経口投与する。
        なお、患者の状態により適宜増減するが、1回90mgを1日2回まで増量できる。
  • <再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病>

    • 通常、成人にはダサチニブとして1回70mgを1日2回経口投与する。
      なお、患者の状態により適宜増減するが、1回90mgを1日2回まで増量できる。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 妊婦又は妊娠している可能性のある女性[9.5参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 イマチニブに忍容性のない慢性骨髄性白血病患者
前治療の副作用の内容を確認してから投与すること。本剤を使用する際には、慎重に経過観察を行い、副作用発現に注意すること。イマチニブの投与中止の原因となった副作用と同様の副作用が起こるおそれがある。
9.1.2 間質性肺疾患の既往歴のある患者
間質性肺疾患を増悪させるおそれがある。
9.1.3 QT間隔延長のおそれ又はその既往歴のある患者
QT間隔延長が起こるおそれがある。[8.4、11.1.7参照]
9.1.4 血小板機能を抑制する薬剤あるいは抗凝固剤を投与中の患者
出血傾向を増強するおそれがある。[8.2、11.1.2参照]
9.1.5 心疾患の既往歴又は危険因子を有する患者
心臓の副作用(急性心不全、うっ血性心不全、心筋症、拡張機能障害、駆出率低下、左室機能不全及び致死的な心筋梗塞等)が発現するおそれがある。
9.1.6 B型肝炎ウイルスキャリアの患者又は既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体又はHBs抗体陽性)
本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.5、11.1.4参照]
9.3 肝機能障害患者
肝機能障害患者に投与する場合には十分注意すること。本剤は主に肝臓で代謝されるため、肝機能障害患者では高い血中濃度が持続するおそれがある。肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
妊娠可能な女性に対しては、投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。外国において、妊娠中に本剤を服用した患者で、児の奇形及び胎児水腫等の胎児毒性が報告されている。また、動物実験において、ヒトでの臨床用量で得られる血漿中濃度以下で、ラットで胚致死作用及び胎児毒性、ウサギで胎児毒性が報告されている。[2.2、9.4参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。本剤のヒト乳汁中への移行については不明である。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。一般に高齢者では生理機能が低下している。なお、臨床試験において、65歳未満の患者と比較し、65歳以上の患者で胸水、呼吸困難、疲労、食欲障害、咳嗽、下部消化管出血、心嚢液貯留、体重減少、浮動性めまい、腹部膨満、及びうっ血性心不全の発現頻度が高かった。

8.重要な基本的注意

8.1 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与中は、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うこと。
血液検査は投与開始前と投与後の2ヵ月間は毎週、その後は1ヵ月毎に、また、患者の状態に応じて適宜行うこと。
これらの血球減少は疾患の病期にも依存し、慢性期慢性骨髄性白血病に比べて移行期・急性期慢性骨髄性白血病やフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の患者での頻度が高い。本剤の投与にあたってはG-CSF製剤の適切な使用に関しても考慮すること。[7.3.1、11.1.1参照]
8.2 血小板減少時に出血が生じることがあるので、定期的に血液検査と患者の観察を十分に行うこと。[9.1.4、11.1.2参照]
8.3 感染症があらわれることがあるので、定期的に血液検査を実施し、観察を十分に行うこと。[11.1.4参照]
8.4 QT間隔延長が報告されているため、適切な心電図モニタリングを行うこと。[9.1.3、11.1.7参照]
8.5 Bcr-Ablチロシンキナーゼ阻害剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。[9.1.6、11.1.4参照]
8.6 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.6参照]
8.7 心不全、心筋梗塞があらわれることがあるので、適宜心機能検査を行うなど観察を十分に行うこと。[11.1.8参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 本剤は、かまずにそのまま服用するように注意すること。
14.1.2 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の用法・用量は、「17.臨床成績」の項の内容を熟知した上で、患者の状態や化学療法歴に応じて選択すること。
7.2 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.3 副作用により、本剤を休薬、減量又は中止する場合には、副作用の症状、重症度等に応じて以下の基準を考慮すること。
7.3.1 血液系の副作用と投与量調節の基準[8.1、11.1.1参照]
疾患及び病期好中球数/血小板数投与量調節
慢性期慢性骨髄性白血病(CML)
(初回用量1日1回100mg)
好中球数<1,000/mm3
又は
血小板数<50,000/mm3
[1]好中球数1,000/mm3以上及び血小板数50,000/mm3以上に回復するまで休薬する。
[2]1日1回100mgで治療を再開する。
[3]血小板数が25,000/mm3を下回るか、再び好中球数が7日間を超えて1,000/mm3を下回った場合は、[1]へ戻り、2回目の発現時は1日1回80mgで治療を再開する。3回目の発現時は,初発の慢性期CML患者では1日1回50mgで治療を再開し、イマチニブに効果不十分又は忍容性のない慢性期CML患者では投与を中止する。
移行期CML、急性期CML又はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)
(初回用量1回70mgを1日2回)
注1)好中球数<500/mm3
又は
血小板数<10,000/mm3
[1]血球減少が白血病に関連しているかを確認(骨髄穿刺又は生検)する。
[2]白血病に関連しない場合は、好中球数1,000/mm3以上及び血小板数20,000/mm3以上に回復するまで休薬する。
[3]1回70mgを1日2回で治療を再開する。
[4]再度発現した場合には、[1]へ戻り、2回目の発現時は1回50mgを1日2回、3回目の発現時は1回40mgを1日2回で治療を再開する。
[5]白血病に関連する場合は、1回90mgを1日2回までの増量を考慮する。
注1:原則として、患者の全身状態に十分注意し、少なくとも投与開始(第1日)から第14日までは治療を継続した後の検査値
7.3.2 非血液系の副作用と投与量調節の基準
疾患及び病期副作用の重症度投与量調節
慢性期慢性骨髄性白血病(CML)
(初回用量1日1回100mg)
グレード3又は4[1]グレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。
[2]1日1回80mgで治療を再開する。
[3]再び同じ副作用(グレード3又は4)が発現した場合には、初発の慢性期CML患者では[1]へ戻り、1日1回50mgで治療を再開し、イマチニブに効果不十分又は忍容性のない慢性期CML患者では原則として投与を中止する。
移行期CML、急性期CML又はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)
(初回用量1回70mgを1日2回)
グレード3又は4[1]グレード1以下又はベースラインに回復するまで休薬する。
[2]1回50mgを1日2回で治療を再開する。
[3]再び同じ副作用(グレード3又は4)が発現した場合には、原則として投与を中止する。
グレードはNCI-CTCに準じる。
7.4 患者の安全性と忍容性を考慮して下記に該当する場合は、「6.用法及び用量」に従って、慢性期慢性骨髄性白血病では1回140mgまで、移行期慢性骨髄性白血病、急性期慢性骨髄性白血病又はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病では1回90mgまで増量することができる。
・病状が進行した場合
・少なくとも1ヵ月以上投与しても、十分な血液学的効果がみられない場合

5.効能又は効果に関連する注意

<効能共通>
5.1 「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
<慢性骨髄性白血病>
5.2 染色体検査又は遺伝子検査により慢性骨髄性白血病と診断された患者に使用すること。
5.3 イマチニブ抵抗性の慢性骨髄性白血病患者に本剤を使用する際には、イマチニブに効果不十分又は忍容性のない患者を選択すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
慢性期慢性骨髄性白血病の日本人患者にダサチニブ50mg、70mg又は90mgを1日2回反復経口投与後、ダサチニブは速やかに吸収され、血漿中濃度は投与後1時間付近で最高血漿中濃度(Cmax)に到達した。Cmax到達後、血漿中濃度はおおむね4~5時間の消失半減期(t1/2)で比較的速やかに低下した。Cmax及び投与間隔当たりの血漿中濃度時間曲線下面積(AUC0-12h)は投与量に依存して増加した。
:慢性期慢性骨髄性白血病の承認用法用量は1日1回100mgである。
表1 慢性期慢性骨髄性白血病の日本人患者にダサチニブ50mg、70mg又は90mgを1日2回反復経口投与した時の薬物動態パラメータ
1回投与量(mg)投与日nCmaxa(ng/mL)AUC0-12ha(ng・h/mL)t1/2b(h)Tmaxc(h)
501794.10(37)283.17(28)4.90(1.86)0.97(0.50,1.05)
285117.83(50)342.87(41)4.53(1.30)0.93(0.50,1.07)
7017113.89(53)304.78(53)3.85(0.36)0.95(0.50,1.97)
287129.14(72)398.80(55)3.99(1.17)0.98(0.50,1.97)
9014150.55(57)384.75(30)3.51(0.65)0.75(0.48,1.00)
28265.90285.9511.700.52(0.50,0.53)
a 幾何平均値(変動係数%)b 算術平均値(標準偏差)c 中央値(最小,最大)
固形癌の日本人患者にダサチニブ100mg、150mg又は200mgを1日1回反復経口投与後、ダサチニブは速やかに吸収され、血漿中濃度は投与後0.5~3.3時間で最高血漿中濃度(Cmax)に到達した。
:承認1日最大用量は180mgである。
表2 固形癌の日本人患者にダサチニブ100mg、150mg又は200mgを1日1回反復経口投与した時の薬物動態パラメータ
1回投与量(mg)投与日nCmaxa(ng/mL)AUCa(ng・h/mL)t1/2b(h)Tmaxc(h)
10019139.83(54)537.98(33)4.77(0.61)1.0(0.5,4.0)
145137.03(55)499.69(36)5.75(1.67)1.0(0.5,3.0)
15013127.10(83)544.36(54)4.68(0.84)1.0(1.0,1.0)
144166.43(109)694.90(77)5.04(1.19)1.0(1.0,1.0)
20014124.48(69)595.62(56)7.62(4.11)1.3(0.5,3.0)
142102.61(127)716.27(114)7.95(5.62)2.3(1.5,3.0)
a 幾何平均値(変動係数%)b 算術平均値(標準偏差)c 中央値(最小,最大)AUC:投与1日目はAUC(INF)及び投与14日目はAUC(TAU)を示す。
16.1.2 母集団薬物動態解析
慢性骨髄性白血病患者及びフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病患者1216例を対象とした母集団薬物動態解析の結果、初発の慢性期慢性骨髄性白血病の日本人患者26例に対する100mg1日1回経口投与時の定常状態におけるCmax、AUC0-24h及びトラフ濃度(Cmin)の推定値は、それぞれ91.0ng/mL、456ng・h/mL及び2.21ng/mLであった。
表3 初発の慢性期慢性骨髄性白血病の日本人患者に100mgを1日1回経口投与した時の定常状態における薬物動態パラメータ推定値
例数平均値(変動係数%)
Cmin(ng/mL)Cmax(ng/mL)AUC0-24h(ng・h/mL)
262.21(46%)91.0(64%)456(49%)
母集団薬物動態解析により推定された個別値から算出
16.1.3 生物学的同等性試験
ダサチニブ錠50mg「JG」とスプリセル錠50mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(ダサチニブとして50mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-36(ng・hr/mL)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)T1/2(hr)
ダサチニブ錠50mg「JG」292.59±94.55116.24±53.590.99±0.755.22±1.37
スプリセル錠50mg272.95±101.21108.46±42.930.88±0.495.13±1.18
(Mean±S.D.,n=69)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人54例を対象に薬物動態に及ぼす食事の影響を検討した結果、絶食時投与と比較して高脂肪食を摂取30分後に100mgを単回経口投与した時のAUCの平均値は、14%増加した(海外データ)。
16.3 分布
白血病患者における見かけの分布容積は大きく、ダサチニブは血管外に広く分布することが示唆された。In vitro試験において、ヒト血漿に対するダサチニブ及び活性代謝物の蛋白結合率は、100~500ng/mLの濃度範囲でそれぞれ約96%及び93%であり、濃度に依存しなかった。
16.4 代謝
ダサチニブは主にCYP3A4により代謝され、活性代謝物は主にこのCYP3A4を介して生成される。その他にも、ダサチニブはフラビン含有モノオキシゲナーゼ酵素3(FMO-3)及びUDP-グルクロニルトランスフェラーゼ(UGT)により代謝される。ヒト肝ミクロソームを用いた試験では、ダサチニブは時間依存的な弱い阻害作用を示した。
ダサチニブと同程度の薬理活性を示す代謝物のAUCはダサチニブの約5%である。したがって、この活性代謝物はダサチニブを服用することにより観察される薬理作用にあまり寄与しないと考えられる。また、この他にも薬理活性を有していない代謝物が数種類存在する。
16.5 排泄
主要な消失経路は糞便中への排泄である。[14C]ダサチニブを単回経口投与後、10日以内に投与放射能の約4%が尿中に、約85%が糞便中に排泄された。尿中及び糞便中に排泄された未変化体は、投与放射能のそれぞれ0.1%及び19%であり、尿中及び糞便中に排泄された放射能の大部分が代謝物であった(海外データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
ダサチニブの薬物動態に対する年齢及び性別の影響は認められていない(海外データ)。
16.8 その他
ダサチニブ錠20mg「JG」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号 別紙2)」に基づき、ダサチニブ錠50mg「JG」を標準製剤とした溶出試験の結果、溶出挙動は同等と判定され、生物学的に同等とみなされた。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4阻害剤
アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール、ケトコナゾール等)
マクロライド系抗生剤(エリスロマイシン、クラリスロマイシン、テリスロマイシン等)
HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、アタザナビル硫酸塩、ネルフィナビルメシル酸塩等)
エンシトレルビル フマル酸
グレープフルーツジュース
本剤とケトコナゾールの併用により、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ4倍及び5倍増加した。CYP3A4阻害作用のない又は低い代替薬の使用が推奨される。CYP3A4阻害作用の強い薬剤との併用が避けられない場合は、有害事象の発現に十分注意して観察を行い、本剤を減量して投与することを考慮すること。これらの薬剤等がCYP3A4活性を阻害し、本剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
CYP3A4誘導剤
デキサメタゾン、フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシン、フェノバルビタール等
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
本剤の血中濃度が低下する可能性がある。リファンピシン8日間投与後に本剤を投与した場合、本剤のCmax及びAUCはそれぞれ81%及び82%低下した。CYP3A4誘導作用の強い薬剤との併用は推奨されない。CYP3A4誘導剤を処方する場合、誘導作用のない又は低い代替薬を考慮すること。これらの薬剤等がCYP3A4を誘導し、本剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
制酸剤(水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム含有製剤)本剤と制酸剤の同時投与は避けること。
制酸剤の投与が必要な場合には、本剤投与の少なくとも2時間前又は2時間後に投与すること。
本剤の吸収が抑制され、血中濃度が低下する可能性がある。
H2受容体拮抗剤
ファモチジン等
プロトンポンプ阻害剤
オメプラゾール等
H2受容体拮抗剤又はプロトンポンプ阻害剤との併用は推奨されない。ファモチジン投与10時間後に本剤を投与したときの本剤のCmax及びAUCはそれぞれ63%及び61%低下し、オメプラゾールを4日間投与し、最終投与22時間後に本剤を投与したときの本剤のCmax及びAUCはそれぞれ42%及び43%低下した。本剤投与中は、これらの薬剤に替えて制酸剤の投与を考慮すること。本剤の吸収が抑制され、血中濃度が低下する可能性がある。
CYP3A4の基質となる薬剤
シンバスタチン
シクロスポリン
ピモジド
キニジン硫酸塩水和物
タクロリムス水和物
エルゴタミン酒石酸塩
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩等
CYP3A4の基質となる薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。本剤とシンバスタチンの併用により、シンバスタチンのCmax及びAUCはそれぞれ37%及び20%上昇した。本剤を治療係数が低いCYP3A4の基質となる薬剤と併用する場合には注意すること。本剤のCYP3A4阻害作用によりこれら薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤
イミプラミン塩酸塩
ピモジド等
QT間隔延長作用を増強する可能性がある。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強する可能性がある。
抗不整脈薬
キニジン硫酸塩水和物
プロカインアミド塩酸塩
ジソピラミド
ソタロール塩酸塩等
QT間隔延長作用を増強する可能性がある。本剤及びこれらの薬剤はいずれもQT間隔を延長させるおそれがあるため、併用により作用が増強する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
汎血球減少(0.9%)、白血球減少(21.5%)、好中球減少(34.3%)、血小板減少(34.0%)、貧血(16.4%)があらわれることがある。重篤な好中球減少又は血小板減少があらわれた場合には減量又は休薬すること。[7.3.1、8.1参照]
11.1.2 出血(脳出血・硬膜下出血(頻度不明)、消化管出血(3.3%)
重篤な出血が生じた場合には減量又は休薬とともに適切な支持療法を行うこと。[8.2、9.1.4参照]
11.1.3 体液貯留(胸水(17.3%)、肺水腫(0.6%)、心嚢液貯留(3.0%)、腹水(0.3%)、全身性浮腫(頻度不明)等)
呼吸困難、乾性咳嗽等の胸水を示唆する症状が認められた場合には胸部X線の検査を実施すること。重篤な胸水は、必要に応じて胸腔穿刺、酸素吸入を行うこと。本剤投与中は患者の状態を十分に観察し、体液貯留が認められた場合には、利尿剤又は短期間の副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な支持療法を行うこと。
11.1.4 感染症
肺炎(1.8%)、敗血症(0.3%)等の感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある。[8.3、8.5、9.1.6参照]
11.1.5 間質性肺疾患(0.9%)
発熱、咳嗽、呼吸困難及び胸部X線検査異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
11.1.6 腫瘍崩壊症候群(0.9%)
異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること。[8.6参照]
11.1.7 心電図QT延長(2.7%)
QT間隔延長が認められた場合には減量又は休薬とともに電解質異常(低カリウム血症、低マグネシウム血症等)の補正を行うこと。[8.4、9.1.3参照]
11.1.8 心不全(0.6%)、心筋梗塞(頻度不明)[8.7参照]
11.1.9 急性腎障害
急性腎障害(0.3%)、ネフローゼ症候群(頻度不明)等があらわれることがある。
11.1.10 肺動脈性肺高血圧症(頻度不明)
本剤を長期にわたり投与した際に発現した例も報告されている。観察を十分に行い、呼吸困難、胸痛等の症状があらわれた場合には投与を中止するとともに、他の病因(胸水、肺水腫等)との鑑別診断を実施した上で、適切な処置を行うこと。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満頻度不明
感染症感染、鼻咽頭炎、気管支炎、膀胱炎、サイトメガロウイルス感染、毛包炎、胃腸炎、ヘルペスウイルス感染、眼感染、インフルエンザ、膣カンジダ症、尿路感染、気管支肺炎、蜂巣炎、帯状疱疹、爪白癬、外耳炎、足部白癬、上気道感染、歯肉感染、感染性腸炎、副鼻腔炎感染性小腸結腸炎
血液リンパ球数減少網状赤血球数減少、発熱性好中球減少症、播種性血管内凝固、CD4リンパ球数増加、プロトロンビン時間延長、網状赤血球数増加、APTT延長、白血球数増加、好中球数増加、血小板数増加、リンパ球数増加、好酸球数増加、INR増加、単球数減少、プロトロンビン時間短縮、CD4リンパ球数減少、リンパ節症、鉄欠乏性貧血、血中フィブリノゲン増加、フィブリン分解産物増加赤芽球癆
免疫系移植片対宿主病、過敏症結節性紅斑
代謝電解質異常(リン、カリウム、カルシウム注)、マグネシウム、ナトリウム、クロール)甲状腺機能低下症、血中甲状腺刺激ホルモン増加、BNP増加、CRP増加、脱水、総蛋白増加、食欲不振、血中尿酸増加、血中アルブミン減少、総蛋白減少、糖尿病高コレステロール血症
精神不眠症、抑うつ気分、無感情不安、感情不安定、錯乱状態、リビドー減退
神経系頭痛味覚異常、浮動性めまい、意識消失、傾眠、肋間神経痛、感覚鈍麻、振戦、手根管症候群、体位性めまい、頚椎症性神経炎、頚腕症候群、片頭痛、脳腫瘤、大脳石灰化失神、健忘、痙攣、脳血管発作、一過性脳虚血発作、末梢性ニューロパチー、視神経炎
霧視、角膜炎、眼球乾燥、結膜充血、羞明、アレルギー性結膜炎、結膜炎、白内障、眼脂、後嚢部混濁、網膜症、飛蚊症、眼圧上昇流涙増加
耳不快感、耳管閉塞、耳鳴、聴力低下回転性めまい
心臓心拡大、動悸、頻脈、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁閉鎖不全症、洞性徐脈、上室性期外収縮、心室性期外収縮、左室肥大、不整脈、第一度房室ブロック、心房頻脈、脚ブロック、心肥大、心筋症、左房拡張、心電図ST部分下降心機能障害、狭心症、心膜炎、心室性不整脈、心室性頻脈、心筋炎、急性冠動脈症候群、肺性心、心房細動、心房粗動、心電図異常T波
血管出血(肺出血、歯肉出血、結膜出血、鼻出血、皮下出血、点状出血、カテーテル留置部位出血)低血圧、高血圧、ほてり、血腫血栓性静脈炎、網状皮斑、血栓症/塞栓症(肺塞栓症、深部静脈血栓症)
呼吸器咳嗽呼吸困難、低酸素症、発声障害、咽喉頭疼痛、上気道の炎症、咽頭紅斑、咽喉頭不快感、湿性咳嗽、鼻漏、痰貯留、鼻炎、胸膜炎、鼻痛肺浸潤、肺臓炎、肺高血圧症、喘息、気管支痙攣、急性呼吸窮迫症候群
消化器下痢(24.2%)、悪心腹痛、腹部膨満、口唇炎、歯肉炎、胃不快感、異常便、変色便、胃炎、痔核、口唇水疱、心窩部不快感、口内乾燥、歯肉腫脹、口唇乾燥、口の感覚鈍麻、便秘、嘔吐、口内炎、びらん性胃炎、歯痛、裂肛、齲歯、腸炎、腸憩室、消化不良、胃潰瘍、歯肉痛、裂孔ヘルニア、鼡径ヘルニア、歯周炎、肛門周囲痛、逆流性食道炎、唾液腺痛、胃異形成、痔出血、口の錯感覚、腹壁障害、口腔粘膜びらん、腹部不快感、食道炎、歯根嚢胞粘膜炎、大腸炎、嚥下障害、上部消化管潰瘍、膵炎、タンパク漏出性胃腸症
肝臓AST上昇、ALT上昇、LDH上昇胆嚢炎、ビリルビン上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、脂肪肝胆汁うっ滞、肝炎
皮膚発疹紅斑、ざ瘡、脱毛症、湿疹、そう痒症、紫斑、皮膚乾燥、多汗症、爪の障害、丘疹、皮膚剥脱、皮膚肥厚、全身性そう痒症、蕁麻疹、皮膚色素脱失、皮膚嚢腫、皮膚炎、皮脂欠乏性湿疹、結節性紅斑、毛髪変色、脂漏性皮膚炎、皮膚潰瘍、皮下結節、手掌・足底発赤知覚不全症候群水疱形成、色素沈着障害、光線過敏性反応、急性熱性好中球性皮膚症、脂肪織炎、手足症候群
筋・骨格系筋痛、CK上昇関節痛、四肢痛、背部痛、筋力低下、筋骨格硬直、側腹部痛、関節腫脹、骨関節炎、滑液嚢腫、腱痛、CK減少、筋痙縮、頚部痛、筋骨格痛、変形性脊椎炎、滑膜炎、顎関節症候群、腱鞘炎、椎間板突出、骨痛筋肉の炎症、横紋筋融解、腱炎、投与中止に伴う筋骨格系疼痛
腎臓血尿、蛋白尿、夜間頻尿、クレアチニン上昇、血中尿素増加、頻尿、血中クレアチニン減少
生殖器乳房痛、女性化乳房、月経困難症、不正子宮出血、性器潰瘍形成、不規則月経、腟分泌物
全身発熱、表在性浮腫(浮腫、眼瞼浮腫、咽頭浮腫、顔面腫脹、末梢性浮腫、顔面浮腫、腫脹、口腔浮腫)(26.3%)、倦怠感胸痛、悪寒、疲労、熱感、疼痛、胸部不快感、口渇、異常感、末梢冷感、限局性浮腫、インフルエンザ様疾患無力症、温度変化不耐症
その他体重増加腫瘍熱、体重減少、尿沈渣異常、潜血、血中アミラーゼ増加、尿中ウロビリン陽性、尿中ブドウ糖陽性、血中トリグリセリド増加、血中葉酸減少、ビタミンB12減少挫傷

注):グレード3又は4の低カルシウム血症があらわれた場合には、経口のカルシウム剤を投与するなど適切な処置を行うこと。

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