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ゼンフォザイム点滴静注用20mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症

用法・用量

  • 通常、オリプダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として、以下の用量漸増法に従い、本剤の開始用量及びその後の用量を隔週点滴静脈内投与する。維持用量は、通常、1回体重1kgあたり3mgとする。

    成人患者における用量漸増法

    初回投与(初日)0.1mg/kg
    2回目投与(2週目)0.3mg/kg
    3回目投与(4週目)0.3mg/kg
    4回目投与(6週目)0.6mg/kg
    5回目投与(8週目)0.6mg/kg
    6回目投与(10週目)1mg/kg
    7回目投与(12週目)2mg/kg
    8回目以降の投与(14週目以降)3mg/kg

    小児患者における用量漸増法

    初回投与(初日)0.03mg/kg
    2回目投与(2週目)0.1mg/kg
    3回目投与(4週目)0.3mg/kg
    4回目投与(6週目)0.3mg/kg
    5回目投与(8週目)0.6mg/kg
    6回目投与(10週目)0.6mg/kg
    7回目投与(12週目)1mg/kg
    8回目投与(14週目)2mg/kg
    9回目以降の投与(16週目以降)3mg/kg

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与によりinfusion reaction、アナフィラキシーがあらわれる可能性がある。緊急時に十分な対応のできる準備をした上で投与を開始し、投与終了後も十分な観察を行うこと。重篤なinfusion reaction、アナフィラキシーが発現した場合には、速やかに本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。[2.、8.1、8.2、9.1.1、11.1.1参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対しアナフィラキシーショックの既往歴のある患者[1.、8.1、11.1.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者[1.、8.1、11.1.1参照]
9.1.2 Infusion reactionの既往のある患者[8.2、11.1.1参照]
9.3 肝機能障害患者
ALT又はASTが上昇する可能性がある。[7.2、8.3参照]
9.4 生殖能を有する者
妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後14日間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい。本薬を投与した動物試験(マウス)において胎児に外脳症が認められている。また、スフィンゴミエリンの異化代謝産物の一つであるセラミドが、ニワトリ胚の神経管の発生に影響を及ぼしたとの報告がある。[9.4参照]
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。ヒトで哺乳中の児における影響は不明であるが、本薬を投与した動物実験(マウス)において乳汁中に移行することが認められている。
9.7 小児等
1歳未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤はタンパク質製剤であり、重度の過敏症又はアナフィラキシーが起こる可能性が否定できない。用量漸増期においては特に観察を十分に行い、異常が認められた場合には速やかに投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、このような症状の発現に備え、緊急処置を取れる準備をしておくこと。重度の過敏症又はアナフィラキシーが発現した後の本剤の再投与については、有益性と危険性を考慮して決定すること。再投与が必要な場合は、低用量で投与速度を下げた上で、忍容性を確認しながら投与すること。[1.、2.、9.1.1、11.1.1参照]
8.2 本剤投与中又は投与後24時間以内にinfusion reactionが発現することがあるので、本剤投与中及び投与終了後も患者の状態を観察すること。infusion reactionが発現した場合は、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(解熱鎮痛剤、副腎皮質ホルモン剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。[1.、7.3、9.1.2、11.1.1参照]
8.3 本剤の投与によりALT又はASTの上昇が認められることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。[7.2、9.3参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 患者の体重に基づいて本剤の投与量を算出し、投与に必要なバイアル数を決定すること。
14.1.2 冷蔵庫より投与に必要な数のバイアルを取り出し、室温になるまで放置すること。
14.1.3 1バイアルに日局注射用水5.1mLをバイアルの内壁に沿ってゆっくり注入し、静かに溶解すること(オリプダーゼ アルファ(遺伝子組換え)濃度4mg/mL)。バイアルの振とう等は避けること。[7.3参照]
14.1.4 溶解後に目視にてバイアル内を確認し、異物や変色が認められる場合は使用しないこと。溶解後、直ちに使用できない場合は、2~8℃で最長24時間又は25℃以下で最長12時間保存できる。
14.1.5 投与量に基づいて必要な量の溶解液をバイアルから抜き取り、下表の容量(mL)となるよう、シリンジ又は輸液バッグを用いて日局生理食塩液で希釈すること。実体重に基づく容量(mL)については、最終濃度が0.1mg/mLになるよう決定すること。また、シリンジ又は輸液バッグを静かに混和し、振とうしないこと。[7.3参照]
体重3kg以上10kg未満体重10kg以上20kg未満体重20kg以上(18歳未満の小児)成人(18歳以上)
投与量(mg/kg)容量(mL)容量(mL)容量(mL)容量(mL)
0.03実体重に基づく実体重に基づく5
0.1実体重に基づく51020
0.351020100
0.6102050100
12050100100
25075200100
350100250100
14.1.6 希釈後は速やかに使用すること。なお、希釈後、直ちに使用できない場合は、2~8℃で最長24時間保存できるが、その後25℃以下で12時間以内に使用すること。
14.1.7 他剤との混合を行わないこと。
14.1.8 各バイアルは一回限りの使用とすること。未使用の溶解した薬液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 タンパク質を吸着しにくい0.2μmのインラインフィルターを用いて投与すること。
14.2.2 他剤との混注を行わないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 Body mass index(BMI)30を超える患者では、以下の計算式で示す、BMI 30に相当する体重を用いて投与量を決定すること。
投与量の算出に用いる体重(kg)=30×[身長(m)]2
7.2 初回投与時には投与前1ヵ月以内、用量漸増期間中及び休薬後の投与再開時には次回の投与前72時間以内に肝機能検査を行うこと。また、ALT又はASTが基準範囲上限の2倍超の場合は投与終了後72時間以内にも肝機能検査を行うこと。投与前及び投与後のALT又はASTが初回投与前の値を超え、かつ基準範囲上限を超えた場合は、次回投与時の減量又は休薬を検討すること。[7.4、8.3、9.3参照]
7.3 日局注射用水で溶解し、日局生理食塩液を用いて希釈した後に投与すること。本剤の投与速度は、下表を参考に、infusion reactionが発現していないことを確認しながら投与すること。[8.2、14.1.3、14.1.5参照]
成人患者における投与速度
投与量(mg/kg)投与時間(おおよその時間(分))投与速度(mL/hr)
0.135ステップ1:20mL/hr 15~25分間
ステップ2:60mL/hr 10~20分間
0.3~3220ステップ1:3.33mL/hr 15~25分間
ステップ2:10mL/hr 15~25分間
ステップ3:20mL/hr 15~25分間
ステップ4:33.33mL/hr 155~165分間
小児患者における投与速度
投与量(mg/kg)投与時間(おおよその時間(分))投与速度(mg/kg/hr)
0.03180.1mg/kg/hr
0.135ステップ1:0.1mg/kg/hr 15~25分間
ステップ2:残りの投与は0.3mg/kg/hr
0.360ステップ1:0.1mg/kg/hr 15~25分間
ステップ2:0.3mg/kg/hr 15~25分間
ステップ3:残りの投与は0.6mg/kg/hr
0.680ステップ1:0.1mg/kg/hr 15~25分間
ステップ2:0.3mg/kg/hr 15~25分間
ステップ3:0.6mg/kg/hr 15~25分間
ステップ4:残りの投与は1mg/kg/hr
1100
2160
3220
7.4 本剤の投与予定日から3日を超えた時点で休薬とみなし、休薬後に本剤の投与を再開する場合は、下表を参考に投与すること。投与再開後は、再開後の投与日から隔週投与とすること。[7.2参照]
用量漸増期に休薬した場合の次回の投与量
休薬回数次回の投与量
1回休薬した場合忍容性が認められた最後の投与量
2回連続して休薬し、かつ0.3mg/kgの投与をこれまでに受けている場合忍容性が認められた最後の投与量から1段階減量した投与量(ただし、最小用量は0.3mg/kgとする)
2回以上連続して休薬し、かつ、これまでに0.3mg/kgの投与を受けていない場合初回投与量
3回以上連続して休薬し、かつ0.3mg/kgの投与をこれまでに受けている場合0.3mg/kg
いずれの場合でも投与再開以降は用量漸増法に従って投与すること。また、投与量が0.3mg/kg又は0.6mg/kgである場合は、用量漸増法に従って当該用量を2回投与すること。
維持期に休薬した場合の次回の投与量
休薬回数次回の投与量
1回休薬した場合維持用量(3mg/kg)
2回連続して休薬した場合2mg/kgで投与を再開し、その後は維持用量(3mg/kg)を投与する。
3回以上連続して休薬した場合0.3mg/kgで投与を再開し、投与再開以降は用量漸増法に従って投与する(0.3mg/kg及び0.6mg/kgについては当該用量を2回投与する)。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 乳児内臓神経型患者に対する本剤の有効性及び安全性は検討されていない。
5.2 中枢神経系症状に対する有効性は認められていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症患者に維持用量として本剤3mg/kgを隔週で反復静脈内投与したときの本薬の薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
表1:本剤を隔週で反復静脈内投与したときの本薬の血漿中薬物動態パラメータ
年齢18歳以上12歳以上18歳未満6歳以上12歳未満6歳未満
測定時点投与66ヵ月時投与210週時投与158週時投与104週時
例数5453
Cmax(μg/mL)35.6±9.4933.5±3.8231.7±5.4828.1±6.76
AUC0-τ(μg・h/mL)763±119721±78.3716±41.8623±93.2
tmax(h)4.12[3.82,4.97]3.88[3.67,4.02]4.17[3.75,7.63]4.02[3.80,4.75]
t1/2z(h)26.2±2.5925.6±4.1025.3±1.1726.9±3.96
Vss(mL/kg)127±26.2128±27.8116±15.4136±34.8
CL(mL/h/kg)4.02±0.684.20±0.464.20±0.254.88±0.67
平均値±標準偏差、tmaxは中央値[範囲]
16.3 分布
酸性スフィンゴミエリナーゼノックアウトマウスに本薬を投与したところ、肝臓、脾臓、腎臓及び肺に分布した。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
定型抗精神病薬
クロルプロマジン等
本剤の作用が減弱する可能性がある。酸性スフィンゴミエリナーゼの活性を阻害する可能性がある。
三環系抗うつ薬
イミプラミン等
本剤の作用が減弱する可能性がある。酸性スフィンゴミエリナーゼの活性を阻害する可能性がある。
カチオン性両親媒性抗ヒスタミン薬
ロラタジン
デスロラタジン
エバスチン
クレマスチン等
本剤の作用が減弱する可能性がある。酸性スフィンゴミエリナーゼの活性を阻害する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 Infusion reaction(55.9%)、アナフィラキシー(1.7%)
本剤投与中又は投与終了後24時間以内に、頭痛、蕁麻疹、発熱、悪心、嘔吐等のinfusion reaction及びアナフィラキシーがあらわれることがある。これらの症状が発現した場合、投与速度の減速又は投与の一時中止、適切な薬剤治療(副腎皮質ホルモン剤、解熱鎮痛剤、抗炎症剤等)、もしくは緊急処置を行うこと。[1.、2.、8.1、8.2、9.1.1、9.1.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上2%以上10%未満
血液及びリンパ系リンパ節痛
免疫系過敏症
神経系頭痛浮動性めまい、嗜眠、片頭痛
心臓動悸
血管潮紅、低血圧
呼吸器呼吸困難、咳嗽
消化器悪心、嘔吐、腹痛上腹部痛、下痢、腹部不快感、下腹部痛、アフタ性潰瘍、消化不良、鼓腸
肝胆道系肝臓痛
皮膚蕁麻疹、そう痒症発疹、紅斑、斑状皮疹、斑、丘疹
骨格筋系筋肉痛関節痛、筋骨格系胸痛、背部痛、関節腫脹、頸部痛、四肢痛、骨痛、筋痙縮、筋骨格不快感
腎及び尿路腎臓痛
全身及び局所反応発熱疲労、悪寒、無力症、非心臓性胸痛、疼痛
臨床検査C-反応性蛋白増加ALT増加、AST増加、血中ビリルビン増加、血清フェリチン増加、体温上昇、プロトロンビン時間延長、体重増加
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