薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
テトラサイクリン系抗生物質 (テトラサイクリン、ミノサイクリン等) ニューキノロン系抗菌剤 (シプロフロキサシン、トスフロキサシン等) ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤 (エチドロン酸二ナトリウム、リセドロン酸ナトリウム等) 抗ウイルス剤 (ラルテグラビル、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩等) | これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。 | マグネシウムと難溶性のキレートを形成し、薬剤の吸収が阻害される。 |
セフジニル セフポドキシム プロキセチル ミコフェノール酸 モフェチル ペニシラミン | これらの薬剤の吸収が低下し、効果が減弱するおそれがあるので、同時に服用させないなど注意すること。 | 機序不明 |
アジスロマイシン セレコキシブ ロスバスタチン ラベプラゾール ガバペンチン | これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある。 | 機序不明 |
ジギタリス製剤 (ジゴキシン、ジギトキシン等) 鉄剤 フェキソフェナジン | これらの薬剤の吸収・排泄に影響を与えることがあるので、服用間隔をあけるなど注意すること。 | マグネシウムの吸着作用または消化管内・体液のpH上昇によると考えられる。 |
ポリカルボフィルカルシウム | ポリカルボフィルカルシウムの作用が減弱するおそれがある。 | ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが、本剤の胃内pH上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される。 |
高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤 (ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム) | これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある。 また、併用によりアルカローシスがあらわれたとの報告がある。 | マグネシウムがこれらの薬剤の陽イオンと交換するためと考えられる。 |
活性型ビタミンD3製剤 (アルファカルシドール、カルシトリオール等) | 高マグネシウム血症を起こすおそれがある。 | マグネシウムの消化管吸収及び腎尿細管からの再吸収が促進するためと考えられる。 |
活性型ビタミンD3製剤 (アルファカルシドール、カルシトリオール等) | milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止すること。 | 機序:代謝性アルカローシスが持続することにより、尿細管でのカルシウム再吸収が増大する。 危険因子:高カルシウム血症、代謝性アルカローシス、腎機能障害のある患者。 |
大量の牛乳、カルシウム製剤 | milk-alkali syndrome(高カルシウム血症、高窒素血症、アルカローシス等)があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止すること。 | 機序:代謝性アルカローシスが持続することにより、尿細管でのカルシウム再吸収が増大する。 危険因子:高カルシウム血症、代謝性アルカローシス、腎機能障害のある患者。 |
リオシグアト | 本剤との併用によりリオシグアトの血中濃度が低下するおそれがある。 本剤はリオシグアト投与後1時間以上経過してから服用させること。 | 消化管内pHの上昇によりリオシグアトのバイオアベイラビリティが低下する。 |
ロキサデュスタット バダデュスタット | これらの薬剤と併用した場合、これらの薬剤の作用が減弱するおそれがある。 | 機序不明 |
炭酸リチウム | 高マグネシウム血症を起こすおそれがある。 | 機序不明 |
H2受容体拮抗薬 (ファモチジン、ラニチジン、ラフチジン等) プロトンポンプインヒビター (オメプラゾール、ランソプラゾール、エソメプラゾール等) | 本剤の緩下作用が減弱するおそれがある。 | 胃内のpH上昇により本剤の溶解度が低下するためと考えられる。 |
ミソプロストール | 下痢が発現しやすくなる。 | ミソプロストールは小腸の蠕動運動を亢進させ、小腸からの水・Naの吸収を阻害し、下痢を生じさせる。本剤には緩下作用があるので、両者の併用で下痢が発現しやすくなる。 |