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ジェセリ錠40mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • がん化学療法後に増悪した消化管間質腫瘍

用法・用量

  • 通常、成人にはピミテスピブとして1日1回160mgを空腹時に投与する。5日間連続経口投与したのち2日間休薬し、これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある。なお、中等度(総ビリルビンが基準値上限1.5倍より高い)の肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 生殖可能な患者に投与する必要がある場合には、生殖機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。動物実験(ラット)で膣上皮のアポトーシス小体増加、卵巣の多巣性嚢胞、白斑、黄体減少及び間質腺増生が報告されている。動物実験(ラット及びイヌ)で精細管変性及び副生殖腺の萎縮性変化、精巣上体での精子減少を伴う胚上皮の変性/壊死が報告されている。
9.4.2 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後7カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。[9.5、15.2参照]
9.4.3 男性には、本剤投与中及び最終投与後4カ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。[15.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。ラットの胚・胎児発生試験において、臨床曝露量(AUC)以下の曝露量で胚・胎児に対して発育抑制、催奇形性及び胎生致死が認められている。[9.4.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。本剤が乳汁に移行する可能性があり、乳児が乳汁を介して本剤を摂取した場合、乳児に重篤な副作用が発現するおそれがある。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 重度の下痢があらわれることがあるので、定期的に症状を確認するなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.1参照]
8.2 眼障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与期間中は定期的に眼の異常の有無を確認し、必要に応じて検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。[11.1.2参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが上昇する。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。[16.2.1参照]
7.3 副作用がみられた場合は、症状、重症度に応じて以下の基準を考慮して、本剤を休薬・減量すること。
減量する場合の投与量
減量レベル投与量
通常投与量160mg/日
1段階減量120mg/日
2段階減量80mg/日
3段階減量40mg/日
副作用発現時の休薬・減量基準
副作用程度注)処置
下痢グレード2管理困難で忍容不能な場合は、グレード1以下に回復するまで休薬する。回復後、同一用量で投与を再開できる。
グレード3以上グレード1以下に回復するまで休薬する。回復後、1段階減量した用量又は同一用量で投与を再開できる。
眼障害グレード2以上グレード1以下に回復するまで休薬する。回復後、1段階減量した用量又は同一用量で投与を再開できる。
上記以外の副作用グレード3以上グレード2又はグレード1以下に回復するまで休薬する。グレード2に回復後、1段階減量した用量又はグレード1以下に回復後、同一用量で投与を再開できる。
注)グレードはNCI-CTCAE ver.4.03に準じる

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 イマチニブ、スニチニブ及びレゴラフェニブによる治療後の患者を対象とすること。
5.2 本剤の手術の補助療法としての有効性及び安全性は確立していない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
日本人進行固形癌患者22例に、本剤160mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときのピミテスピブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
本剤160mgを1日1回反復経口投与したときの血漿中濃度推移(平均値+標準偏差、n=22)
本剤160mgを1日1回反復経口投与したときの薬物動態パラメータ
PK parameter(unit)Day1(n=22)Day5(n=22)
Tmax(hr)3.87(1.00~8.00)2.98(1.00~7.98)
Cmax(ng/mL)2263±7582600±942
AUClast(ng・hr/mL)28394±735135277±12003
AUCinf(ng・hr/mL)38570±9686a)NC
T1/2(hr)11.22±3.48a)10.40±2.32a)
平均値±標準偏差、Tmaxのみ中央値(最小値~最大値)、NC:算出せず、a)n=18
本剤160mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときの投与5日目におけるピミテスピブの蓄積率は1.27であった。
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
日本人進行固形癌患者16例に本剤160mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるピミテスピブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ1.92及び1.64であった。[7.2参照]
16.3 分布
ピミテスピブのヒト血漿蛋白結合率は93.1~93.6%であり、主にヒト血清アルブミンと結合していた(in vitro)。ピミテスピブのヒト血液/血漿中濃度比は0.525~0.630であった(in vitro)。
16.4 代謝
ピミテスピブは主にCES1によって代謝される(in vitro)。進行固形癌患者3例に本剤150.5mg/m2注)を反復経口投与したとき、投与24時間後までの尿中に未変化体、アミド加水分解体、N-脱メチル体等が検出された。
16.5 排泄
日本人進行固形癌患者6例に本剤107.5mg/m2注)を経口投与したとき、投与24時間後までに投与量の2.2%が尿中に未変化体として排泄された。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 ミダゾラム及びメトホルミン
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、ミダゾラム(CYP3Aの基質)及びメトホルミン(MATE1及びMATE2-Kの基質)単独投与時と比較して本剤併用時にミダゾラム及びメトホルミンの曝露量が上昇する可能性が示唆された。[10.2参照]
16.7.2 その他
(1)ピミテスピブはP-gp及びBCRPの基質である(in vitro)。
(2)ピミテスピブはP-gp、BCRP及びOATP1B1を阻害する(in vitro)。
注)本剤の承認された用法・用量は下記のとおりである。
通常、成人にはピミテスピブとして1日1回160mgを空腹時に投与する。5日間連続経口投与したのち2日間休薬し、これを繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3Aの基質となる薬剤
ミダゾラム、アルプラゾラム、アトルバスタチン等
[16.7.1参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がCYP3Aを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
MATE1及びMATE2-Kの基質となる薬剤
メトホルミン、ピルシカイニド、プロカインアミド等
[16.7.1参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。本剤がMATE1及びMATE2-Kを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重度の下痢
重度の下痢(16.0%)により脱水をきたし、重篤な腎障害があらわれることがある。[8.1参照]
11.1.2 眼障害
夜盲(12.0%)、霧視(5.3%)、視力障害(5.3%)、網膜静脈閉塞(1.3%)、網膜症(1.3%)、後天性色覚異常(1.3%)等があらわれることがある。[8.2参照]
11.1.3 出血
腹腔内出血(1.3%)、出血性十二指腸潰瘍(1.3%)等があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上5~10%未満5%未満
精神神経系発声障害
血液貧血血小板数減少
感覚器味覚障害
肝臓ALT上昇、AST上昇、肝障害血中ビリルビン増加、ALP増加
呼吸器肺炎
腎臓・泌尿器腎機能障害、血中クレアチニン増加(28.0%)膀胱炎、排尿困難、蛋白尿
消化器下痢(72.0%)、食欲減退(29.3%)、悪心(25.3%)嘔吐腹部不快感、腹痛、口内乾燥、消化不良、腸炎、口内炎
皮膚発疹脱毛症、ざ瘡様皮膚炎、湿疹、そう痒症、斑状丘疹状皮疹
その他倦怠感(26.7%)甲状腺機能低下症、浮腫、発熱、LDH増加、体重減少、脱水、低カリウム血症、血中リン減少
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