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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 寒冷凝集素症

用法・用量

  • 通常、成人にはスチムリマブ(遺伝子組換え)として、1回6.5g又は7.5gを点滴静注する。初回投与後は、1週後に投与し、以後2週間の間隔で投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤は古典的補体経路を阻害するため、髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等の莢膜形成細菌による重篤な感染症を発症することがあり、特に髄膜炎菌感染症は急激に重症化し、死亡に至るおそれもあるため、以下の点に十分注意すること。[5.、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2参照]
    • 1.1.1 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌等による感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌等の感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
    • 1.1.2 原則、本剤投与前に髄膜炎菌及び肺炎球菌に対するワクチンを接種すること。必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること。
    • 1.1.3 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
    • 1.1.4 髄膜炎菌等の感染症のリスクについて患者に説明し、感染症の初期徴候を確実に理解させ、感染症に関連する症状が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
  • 1.2 本剤は、寒冷凝集素症に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。[5.参照]
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 髄膜炎菌感染症の既往のある患者
髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなるおそれがある。[1.1、5.、11.1.2参照]
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症が悪化するおそれがある。[1.1、5.、11.1.1、11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。IgGモノクローナル抗体は胎盤関門を通過することが知られている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は検討されていないが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 本剤は無菌的に調製を行うこと。
14.1.2 薬液の入ったバイアルを振とうしないこと。
14.1.3 薬液に微粒子及び変色がないか、目視検査を行い、変色あるいは異物を認めた場合は使用しないこと。
14.1.4 本剤は希釈しない方法又は希釈する方法のいずれかにより調製する。希釈しない場合は、必要量をバイアルから抜き取り、空の点滴バッグに加える。希釈する場合は、必要量をバイアルから抜き取り、日局生理食塩液を加えて、総量として500mLになるように希釈する。
14.1.5 調製後は調製した溶液を室温に戻し、速やかに使用すること。調製した溶液を直ちに使用しない場合は、2~8℃での保存では48時間以内に、常温保存では16時間以内に使用すること。ただし、投与前に室温に戻すこと。
14.1.6 バイアル中の残液は廃棄すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 0.2又は0.22μmのフィルターを使用すること。
14.2.2 同一の点滴ラインを使用して他剤を併用同時投与しないこと。
14.2.3 本剤の最大投与速度は以下を目安にし、急速投与は行わないこと。
希釈しない場合
体重75kg未満:130mL/時、体重75kg以上:150mL/時
希釈する場合
体重70kg未満:250mL/時、体重70kg以上:500mL/時

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与量は、体重75kg未満の場合は6.5g、体重75kg以上の場合は7.5gを目安にすること。
7.2 規定の投与間隔を超えた場合は、可能な限り早期に投与し、その後は用法及び用量の投与間隔を遵守すること。最終投与からの期間が17日を超える場合は、本剤の血中濃度の低下によりブレイクスルー溶血をきたすおそれがあり、初回投与に準じた用法及び用量の投与スケジュールで治療を再開すること。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤は、古典的補体経路を阻害するため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症が発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。また、本剤投与に際しては、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌及び肺炎球菌に対するワクチンを接種すること。[1.1、1.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与(第I相)
健康日本人被験者にスチムリマブ30mg/kg、60mg/kg又は100mg/kgを単回静脈内投与した注1)。血漿中スチムリマブ濃度推移及び薬物動態パラメータを以下に示した。
注1)本剤の承認用量は、1回6.5gあるいは7.5gである。
図:健康日本人被験者にスチムリマブ30mg/kg、60mg/kg又は100mg/kgを単回静脈内投与したときの血漿中濃度推移(平均値±SE)
表1:健康日本人被験者にスチムリマブ30mg/kg、60mg/kg又は100mg/kgを単回静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
投与量(mg/kg)例数Cmax(μg/mL)tmax注2)(h)t1/2(h)AUC(μg・h/mL)CL(mL/h)Vss(mL)
306804.13±1664.0084.5±51.793400±3642521.47±5.162287.86±795
6061783.47±3511.1874.9±15.8212607±3905120.24±3.432258.63±301
10062590.75±4501.17172.5±52.9583164±18414313.27±3.063021.63±275
平均値±SD、注2)中央値
16.1.2 反復投与(第I相)
健康日本人被験者を体重で層別化し、1日目、8日目及び22日目にスチムリマブ6.5g(体重75kg未満の被験者)又は7.5g(体重75kg以上の被験者)を静脈内投与した。薬物動態パラメータを以下に示した。
表2:日本人健康被験者に6.5g又は7.5gを反復静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
投与量(g)Cmax(μg/mL)t1/2(h)AUC(μg・h/mL)CL(mL/h)Vss(mL)
6.51日目2383137.3740820716.233137
22日目3823234.8011468646.461931
7.51日目254098.6832267924.83267
22日目3378162.3669330211.32645
平均値
16.1.3 患者における血中濃度(国際共同第III相)
寒冷凝集素症患者にスチムリマブ6.5g(体重75kg未満の被験者)又は7.5g(体重75kg以上の被験者)を初回、1週後、以降2週間の間隔で26週間静脈内投与した。2つの国際共同第III相試験(BIVV009-03[CARDINAL]及びBIVV009-04[CADENZA])における定常状態の総暴露量を以下に示した。
表3:寒冷凝集素症患者に6.5g又は7.5gを反復投与したときの定常状態における薬物動態パラメータ
投与量(g)Cmin(μg/mL)AUCss(μg・h/mL)
6.5(51例)1397±721697449±256234
7.5(15例)1107±661576017±253776
平均値±SD、Cmin:定常状態におけるトラフ濃度(次回投与の1時間前時点と定義)、AUCss:定常状態に達した後の投与間の曲線下面積
スチムリマブ投与開始後7週目で定常状態に達し、蓄積比は2未満であった。
16.3 分布
母集団薬物動態解析により本剤の寒冷凝集素症患者での定常状態における分布容積は約5.8Lであった。
16.4 代謝
本剤は抗体であるため、タンパク質分解によって小さなペプチド及び各アミノ酸に分解される。
16.5 排泄
スチムリマブの半減期は血漿中濃度に依存する。総クリアランス(線形クリアランス及び非線形クリアランス)に基づく定常状態におけるスチムリマブの消失半減期は16日であった。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 感染症(頻度不明)
肺炎球菌、インフルエンザ菌等による重篤な感染症があらわれることがある。[1.1、5.、9.1.2参照]
11.1.2 髄膜炎菌感染症(頻度不明)
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化し、死亡に至るおそれもあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。[1.1、5.、9.1.1、9.1.2参照]
11.1.3 Infusion reaction(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

10%以上10%未満
血管障害高血圧、先端チアノーゼ、レイノー現象
全身及び投与局所注入に伴う反応
胃腸障害腹痛、悪心腹部膨満
感染症尿路感染、気道感染、上咽頭炎、胃腸炎、ヘルペス感染、鼻炎
筋骨格腱炎
呼吸器鼻漏
神経系障害頭痛
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