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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫

用法・用量

  • 通常、成人にはバレメトスタットとして200mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

禁忌 

【警告】

  • 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
9.3.1 重度の肝機能障害のある患者
本剤は重度の肝機能障害を合併する患者注)を対象とした臨床試験は実施していない。本剤の主たる消失経路は肝臓である。[16.4、16.6.1参照]
注)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類
9.4 生殖能を有する者
9.4.1 妊娠可能な女性
本剤投与中及び最終投与後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること。[9.5参照]
9.4.2 パートナーが妊娠している又は妊娠する可能性のある男性
本剤投与中及び最終投与後一定期間はバリア法(コンドーム)による避妊を指導すること。精液を介して胎児に悪影響を及ぼす可能性がある。[9.5参照]
9.4.3 生殖可能な男性
造精機能の低下があらわれる可能性があることを考慮すること。動物実験(イヌ、ラット)において、精巣への影響が報告されている。[15.2.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)において、臨床曝露量の約0.05倍の曝露に相当する用量で胚・胎児毒性(着床後胚損失率の高値)及び催奇形性が報告されている。[9.4.1、9.4.2参照]
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。ヒトにおける乳汁中への移行に関するデータはないが、動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること。[7.3、11.1.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
14.1.2 本剤は吸湿性を有するため、服用直前にPTPシートから取り出すよう指導すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2 食後に本剤を投与した場合、Cmax及びAUCが低下するとの報告がある。食事の影響を避けるため、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けること。[16.2.1参照]
7.3 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること。なお、同一副作用による減量は2段階までとすること。[8.、11.1.1参照]
本剤の減量段階
段階投与量
通常投与量200mg
1段階減量150mg
2段階減量100mg
3段階減量50mg
4段階減量投与中止
本剤の用量調節基準
副作用程度処置
好中球減少好中球数500/mm3未満が7日間を超えて継続好中球数が1,000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する。再開した後に再び発現した場合、好中球数が1,000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する。
血小板減少血小板数25,000/mm3未満血小板数が50,000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する。再開した後に再び発現した場合、血小板数が50,000/mm3以上又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する。
貧血ヘモグロビン値8.0g/dL未満で赤血球輸血を要するヘモグロビン値が8.0g/dL以上又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する。再開した後に再び発現した場合、ヘモグロビン値が8.0g/dL以上又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する。
非血液毒性Grade3注)以上Grade1注)以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後に再開する場合は、休薬前の用量で投与する。再開した後に再び発現した場合、Grade1注)以下又はベースラインに回復するまで休薬する。回復後に再開する場合は、休薬前の用量から1段階減量する。
注)GradeはNCI-CTCAEに準じる。
7.4 強いCYP3A阻害剤又はP糖蛋白(P-gp)阻害剤と併用する場合には、本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるため、次の基準を参考に、本剤の投与を検討すること。[10.2、16.7.1、16.7.4参照]
CYP3A阻害剤又はP-gp阻害剤との併用時の用量調節基準
併用薬剤本剤の投与量
200mg150mg又は100mg50mg
強いCYP3A阻害剤100mgに減量すること50mgに減量すること本剤を併用しないこと
P-gp阻害剤
強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤50mgに減量すること本剤を併用しないこと

5.効能又は効果に関連する注意

臨床試験に組み入れられた患者の病型及び予後不良因子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。[17.1.1参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤50mg、100mg又は200mg(各投与量6例)を空腹時に単回経口投与したときのバレメトスタットの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
単回経口投与時のバレメトスタットの血漿中濃度推移(健康成人)
単回経口投与時のバレメトスタットの薬物動態パラメータ(健康成人)
投与量
(例数)
Cmax(ng/mL)AUCinf(ng・hr/mL)Tmax(hr)t1/2(hr)CL/F(L/hr)Vz/F(L)
50mg
(N=6)
386
(236)
1,900
(968)
3.50
(1.50,5.00)
23.1
(10.1)
35.8
(25.4)
1,410
(1,760)
100mg
(N=6)
873
(486)
5,870
(3,220)
4.00
(2.50,5.00)
20.8
(3.56)
45.7
(74.5)
1,110
(1,520)
200mg
(N=6)
1,500
(615)
10,800
(3,740)
4.50
(2.50,5.00)
20.4
(2.23)
20.5
(7.41)
592
(172)
算術平均値(標準偏差)、Tmax:中央値(最小値,最大値)
16.1.2 反復投与
再発又は難治性成人T細胞白血病リンパ腫患者25例に本剤200mg注1)を空腹時に1日1回反復経口投与したときのバレメトスタットの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。本剤200mgを空腹時に1日1回反復経口投与したときの投与15日目におけるバレメトスタットの累積係数は1.19であった。
反復経口投与時のバレメトスタットの血漿中濃度推移
反復経口投与時のバレメトスタットの薬物動態パラメータ
投与(例数)Cmax(ng/mL)Tmax(hr)AUC0-24hr(ng・hr/mL)
1日目(N=25)2,230(1,880)2.00(0.92,6.07)18,100(17,500)a)
15日目(N=22)2,300(2,180)3.79(0.50,6.02)20,800(20,600)b)
算術平均値(標準偏差)、Tmax:中央値(最小値,最大値)a)N=23、b)N=21
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人15例に本剤200mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.487及び0.703であった。また、健康成人28例に本剤200mgを単回経口投与したとき、空腹時投与に対する低脂肪食後投与におけるバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.375及び0.466であった。[7.2参照]
16.3 分布
16.3.1 血漿蛋白結合率
健康成人20例に本剤200mgを単回経口投与したとき、バレメトスタットのヒト血漿蛋白結合率は約94%~95%であった。バレメトスタットは主にヒトα1-酸性糖蛋白に結合した(in vitro)。
16.3.2 血球移行率
ヒト血液/血漿濃度比は、低濃度(300ng/mL)で0.58、中濃度(1,500ng/mL)で0.61、高濃度(5,000ng/mL)で0.74であった(in vitro)。
16.4 代謝
バレメトスタットは主にCYP3Aによって代謝される(in vitro)。健康成人8例に14Cで標識されたバレメトスタット200mgを単回経口投与したとき、血漿中に主として未変化体及び代謝物CALZ-1809a(酸化体)が検出された。血漿中総放射能のAUCinfに対する未変化体の割合は54.6%であった。未変化体に対するCALZ-1809aのAUCinfの割合は83.0%であった(外国人データ)。[9.3.1、10.参照]
16.5 排泄
健康成人8例に14Cで標識されたバレメトスタット200mgを単回経口投与したとき、投与360時間後までに排泄された総放射能は、尿及び糞中でそれぞれ投与量の15.6%及び79.8%であった。また、未変化体は尿中に10.0%、糞中に64.9%が排泄された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
本剤50mg注2)を単回経口投与したとき、肝機能正常者8例に対する軽度及び中等度の肝機能障害患者注3)(各8例)での非結合型バレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.706及び0.813、1.19及び1.25であった(外国人データ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人16例にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤)200mg(投与1日目は1日2回、以降1日1回14日間)を反復経口投与し、本剤25mg注2)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ2.92及び4.19であった。[7.4、10.2参照]
16.7.2 フルコナゾール
健康成人13例にフルコナゾール(中程度のCYP3A阻害剤)200mg(投与1日目は400mgを1回、以降200mgを1日1回12日間)を反復経口投与し、本剤25mg注2)を単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するフルコナゾール併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.61及び1.58であった。[10.2参照]
16.7.3 リファンピシン
健康成人20例にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mgを1日1回15日間反復経口投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.417及び0.286であった。[10.2参照]
16.7.4 生理学的薬物動態モデルによるシミュレーション
(1)本剤200mgの単独投与時に対する強いCYP3A阻害剤併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ2.13及び2.67と予測された。[7.4、10.2参照]
(2)本剤200mgの単独投与時に対するP-gp阻害剤併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUC0-96hの幾何平均値の比は、最大でそれぞれ1.59及び2.58と予測された。[7.4、10.2参照]
(3)エファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)600mgを1日1回12日間反復投与し、本剤200mgを単回経口投与したとき、本剤単独投与時に対するエファビレンツ併用投与時のバレメトスタットのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ0.666及び0.575と予測された。[10.2参照]
16.7.5 ジゴキシン
再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫患者16例に本剤200mgを1日1回反復投与し、ジゴキシン(P-gpの基質)0.25mgを単回経口投与したとき、ジゴキシン単独投与時に対する本剤併用投与時のジゴキシンのCmax及びAUClastの幾何平均値の比は、それぞれ1.30及び1.27であった。[10.2参照]
16.7.6 その他
(1)再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫患者15例に本剤200mgを1日1回反復投与し、ミダゾラム(CYP3Aの基質)2mgを単回経口投与したとき、ミダゾラム単独投与時に対する本剤併用投与時のミダゾラムのCmax及びAUClastの幾何平均値の比は、それぞれ0.926及び0.861であった。
(2)バレメトスタットはMATE1及びMATE2-Kの基質であり、MATE1を阻害した(IC50値は0.548μmol/L)(in vitro)。
注1)投与量を減量した1名を含む。
注2)本剤の承認された用法及び用量は「200mgを1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。」である。
注3)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
強いCYP3A阻害作用及びP-gp阻害作用を有する薬剤
イトラコナゾール
クラリスロマイシン
リトナビル等
[7.4、16.7.1参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。これらの薬剤がCYP3A及びP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
強いCYP3A阻害剤
ポサコナゾール
ボリコナゾール等
[7.4、16.7.4参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
P-gp阻害剤
キニジン
ベラパミル
カルベジロール等
[7.4、16.7.4参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。これらの薬剤がP-gpを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
中程度のCYP3A阻害剤
フルコナゾール
エリスロマイシン
ジルチアゼム等
[16.7.2参照]
本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること。これらの薬剤がCYP3Aを阻害することにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。
強い又は中程度のCYP3A誘導剤
リファンピシン
フェニトイン
エファビレンツ等
[16.7.3、16.7.4参照]
本剤の有効性が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない又はCYP3A誘導作用の弱い薬剤への代替を考慮すること。これらの薬剤がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある。
P-gpの基質となる薬剤
ダビガトランエテキシレート
ジゴキシン
フェキソフェナジン等
[16.7.5参照]
これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがある。本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 骨髄抑制
血小板減少(73.0%)、貧血(40.5%)、好中球減少(27.0%)、白血球減少(21.6%)、リンパ球減少(16.2%)があらわれることがある。[7.3、8.参照]
11.1.2 感染症(24.3%)
上気道感染(5.4%)等があらわれることがある。
注)副作用発現頻度は、再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者を対象とした国内第II相試験並びに再発又は難治性の非ホジキンリンパ腫患者を対象とした国際共同第I相試験において本剤200mgを投与した再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者集団の結果から算出した。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

20%以上10~20%未満10%未満
皮膚脱毛症(40.5%)皮膚乾燥、発疹
精神神経系味覚不全(40.5%)
消化器悪心下痢
肝臓ALT増加AST増加
その他食欲減退疲労
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