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レボカルニチンFF内用液10%「アメル」、他

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • カルニチン欠乏症

用法・用量

  • 通常、成人には、レボカルニチンとして、1日1.5~3g(15~30mL)を3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。
  • 通常、小児には、レボカルニチンとして、1日体重1kgあたり25~100mg(0.25~1mL)を3回に分割経口投与する。なお、患者の状態に応じて適宜増減する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.2 腎機能障害患者
9.2.1 重篤な腎機能障害のある患者又は透析下の末期腎疾患患者
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与し、漫然と投与を継続しないこと。本剤の高用量の長期投与により、トリメチルアミン等の有害な代謝物が蓄積するおそれがある。重篤な腎機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.2.2 血液透析患者
本剤投与により期待する効果が得られない場合には、漫然と投与を継続しないこと。[7.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で胎児への移行が報告されている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。レボカルニチン塩化物を投与した動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。
9.8 高齢者
患者の状態を観察し、減量するなど十分に注意しながら本剤を投与すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

本剤投与中は、定期的にバイタルサイン、臨床検査(血液検査、肝・腎機能検査、尿検査)、カルニチンの欠乏状態のモニタリングを行うことが望ましい。[7.1参照]

14.適用上の注意

14.1 薬剤交付時の注意
14.1.1 分包品は、1回使い切りである。開封後は全量を速やかに服用すること。
14.1.2 小児の手の届かない所に保管すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1 本剤の投与に際しては、低用量から投与を開始し、臨床症状の改善の程度と副作用の発現の程度及び定期的な臨床検査、バイタルサイン、カルニチンの欠乏状態等から投与量を総合的に判断すること。また、増量する場合には慎重に判断し、漫然と投与を継続しないこと。[8.参照]
7.2 血液透析患者への本剤の投与に際しては、高用量を長期間投与することは避けること。また、血液透析日には透析終了後に投与すること。[9.2.2参照]
7.3 小児への投与に際しては、原則として、成人用量を超えないことが望ましい。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は、臨床症状・検査所見からカルニチン欠乏症と診断された場合あるいはカルニチン欠乏症が発症する可能性が極めて高い状態である場合にのみ投与すること。
5.2 本剤の投与に際しては、原則として、カルニチンの欠乏状態の検査に加え、カルニチン欠乏の原因となる原疾患を特定すること。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に、レボカルニチン内用液30~90mg/kgを空腹時単回経口投与した時の遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-1に示す。
遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの血漿中薬物動態パラメータ(Cmax、AUC24h)は用量依存的に増加したが、用量比例的な増加ではなかった。
表16-1 レボカルニチン単回投与時の薬物動態パラメータ(遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチン)
投与量Cmax(μmol/L)AUC24h(μmol・h/L)tmax(h)t1/2(h)
遊離カルニチン30mg/kg31.59(8.87)334.91(98.74)5.000(4.00-6.00)41.57(47.38)
60mg/kg43.89(14.47)432.32(130.56)5.000(3.00-5.00)34.45(21.26)
90mg/kg51.06(19.80)466.09(188.10)3.500(2.00-5.00)24.71(13.33)
総カルニチン30mg/kg37.89(12.56)391.18(120.71)5.000(3.00-5.00)45.73(76.93)
60mg/kg53.71(18.34)501.14(160.86)5.000(4.00-5.00)22.94(14.03)
90mg/kg67.43(26.12)565.24(227.38)5.000(2.00-5.00)24.83(25.13)
アシルカルニチン30mg/kg7.54(3.92)56.84(28.80)5.000(2.00-24.00)40.61(46.51)a
60mg/kg11.84(4.69)70.81(34.77)4.500(2.00-8.00)8.73(7.48)b
90mg/kg18.36(7.98)102.23(81.23)4.500(2.00-8.00)112.14(290.52)c
平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値-最大値)10例(a:7例、b:9例、c:8例)
投与後の血漿中濃度は、レボカルニチン内用液を投与していない状態で測定した内因性の血漿中濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」-「ベースラインでの測定値」)として示した。
16.1.2 レボカルニチン塩化物錠との薬物動態比較試験
健康成人に、レボカルニチン内用液1,000mg及びレボカルニチン塩化物錠1,200mgを空腹時単回経口投与した時の遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチンの薬物動態パラメータを表16-2に示す。
レボカルニチン内用液及びレボカルニチン塩化物錠のいずれにおいても、投与後5時間にピークに達し、以降緩徐に減少した。遊離カルニチンの血漿中薬物動態パラメータ(Cmax、AUC24h、tmax)は、両製剤でほぼ類似していた。
表16-2 単回投与時の薬物動態パラメータ(遊離カルニチン、総カルニチン及びアシルカルニチン)
投与量Cmax(μmol/L)AUC24h(μmol・h/L)tmax(h)t1/2(h)
遊離カルニチンレボカルニチン内用液
(1,000mg)
23.06(8.02)228.34(107.30)5.000(2.00-6.00)46.08(77.86)
レボカルニチン塩化物錠
(1,200mg)
24.74(9.98)265.49(123.68)5.000(0.50-8.00)64.93(119.83)
総カルニチンレボカルニチン内用液
(1,000mg)
27.06(9.94)260.55(137.94)5.000(2.00-6.00)48.72(146.13)
レボカルニチン塩化物錠
(1,200mg)
29.82(12.63)298.71(147.67)5.000(0.50-5.00)22.74(25.01)a
アシルカルニチンレボカルニチン内用液
(1,000mg)
5.61(3.67)41.43(40.49)5.000(1.00-12.00)39.09(43.58)b
レボカルニチン塩化物錠
(1,200mg)
6.69(3.50)38.62(30.46)5.000(4.00-24.00)15.98(28.92)c
平均値、( )内は標準偏差、ただしtmaxのみ中央値(最小値-最大値)20例(a:19例、b:10例、c:13例)
投与後の血漿中濃度は、薬剤を投与していない状態で測定した内因性の血漿中濃度をベースラインとし、ベースラインで補正した濃度(「投与後の測定値」-「ベースラインでの測定値」)として示した。
レボカルニチン塩化物錠1,200mgは、分子量よりレボカルニチンとして978.7mgに換算され、レボカルニチン内用液1,000mgにほぼ相当する。
16.1.3 生物学的同等性試験
レボカルニチンFF内用液10%「アメル」とエルカルチンFF内用液10%を、クロスオーバー法によりそれぞれ10mL(レボカルニチンとして1000mg)健康成人男子に絶食時単回経口投与して血漿中遊離カルニチン濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
表16-3 薬物動態パラメータ(生物学的同等性、絶食)
判定パラメータ参考パラメータ
AUC0-36hr(μmol・hr/L)Cmax(μmol/L)tmax(hr)t1/2(hr)
レボカルニチンFF内用液10%「アメル」365.63±109.4923.74±4.955.0±1.915.32±13.89
エルカルチンFF内用液10%410.90±108.3226.42±6.585.0±1.414.05±6.10
(Mean±S.D.,n=25)
図16-1 血漿中遊離カルニチン濃度(生物学的同等性、絶食)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.5 排泄
16.5.1 尿中排泄率
健康成人に、レボカルニチン内用液30、60及び90mg/kgを空腹時単回経口投与した時の24時間までのベースラインで補正した遊離カルニチンの累積尿中排泄率(fe,24h)は、それぞれ6.92%、5.92%及び5.59%と用量の増加に伴い低下した。
16.5.2 トランスポーター
レボカルニチンは、有機カチオン/カルニチントランスポーター(OCTN2)の基質である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
糖尿病用薬
経口糖尿病治療薬
インスリン製剤等
低血糖症状があらわれるおそれがある。機序は不明である。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1%未満注)頻度不明
消化器食欲不振、下痢、軟便、腹部膨満感悪心・嘔吐、腹痛
過敏症発疹、そう痒感
その他顔面浮腫、血尿、貧血体臭

注)エルカルチン錠(レボカルニチン塩化物錠)の使用成績調査における発現頻度

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