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ヒフデュラ配合皮下注

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • ○全身型重症筋無力症(ステロイド剤又はステロイド剤以外の免疫抑制剤が十分に奏効しない場合に限る)
  • ○慢性炎症性脱髄性多発根神経炎

用法・用量

  • <全身型重症筋無力症>

    • 通常、成人には本剤1回5.6mL(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,008mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として11,200単位)を1週間間隔で4回皮下投与する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。
  • <慢性炎症性脱髄性多発根神経炎>

    • 通常、成人には本剤1回5.6mL(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,008mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として11,200単位)を週1回皮下投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 感染症のある患者
感染症を合併している場合は、感染症の治療を優先すること。感染症が増悪するおそれがある。[8.1、11.1.1参照]
9.1.2 肝炎ウイルスキャリアの患者
肝炎ウイルスキャリアの患者に本剤を投与する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化やC型肝炎の悪化の徴候や症状の発現に注意すること。
9.2 腎機能障害患者
エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)の血中濃度が上昇するおそれがある。[16.6.1参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。IgG抗体は胎盤通過性があることが知られている。本剤の投与を受けた患者からの出生児においては、母体から移行するIgG抗体が減少し、感染のリスクが高まる可能性がある。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁中への移行は不明であるが、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 本剤の投与により、血中IgG濃度が低下し、感染症が生じる又は悪化するおそれがある。本剤の治療期間中及び治療終了後は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。また、感染症の自他覚症状に注意し、異常が認められた場合には、速やかに医療機関に相談するよう患者に指導すること。[9.1.1、11.1.1、16.8.1参照]
8.2 本剤の自己投与に際しては、以下の点に注意すること。
・自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。
・使用済みの注射針及び注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤投与前の注意
14.1.1 バイアル中が帯黄色の澄明又は僅かに乳濁した液であることを目視により確認すること。異物が認められる場合は使用しないこと。バイアルは振盪しないこと。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 注射部位は腹部又は大腿部とし、同一箇所へ繰り返し投与することは避けること。皮膚に異常のある部位(発赤、傷、硬結、瘢痕等)は避けること。
14.2.2 本剤5.6mLを通常、30~90秒かけて投与すること。
14.2.3 他の薬剤と混合しないこと。
14.2.4 本剤は1回で全量使用する製剤であり、再使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

<全身型重症筋無力症>
7.1 次サイクル投与の必要性は、臨床症状等に基づき、判断すること。[17.1.1、17.1.2参照]
7.2 本剤を投与する場合に、何らかの理由により投与が遅れた際には、あらかじめ定めた投与日から3日以内であればその時点で投与を行い、その後はあらかじめ定めた日に投与すること。あらかじめ定めた投与日から3日を超えていれば投与せず、次のあらかじめ定めた日に投与すること。
<慢性炎症性脱髄性多発根神経炎>
7.3 本剤を一定期間投与後、臨床症状の改善が認められない場合には、本剤の投与中止を検討すること。[17.1.3参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
<健康被験者>
外国人健康被験者54例に本剤(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,006.5mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として12,200単位)又はエフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)点滴静注製剤10mg/kgを1週間間隔で計4回皮下又は静脈内投与するサイクルを1回行った。4回目の投与後の薬物動態パラメータを下表に、血清中濃度推移を下図に示す(外国人データ)。
パラメータ本剤群点滴静注製剤群
N平均(SD)N平均(SD)
Ctrough(μg/mL)2519.3(5.56)2616.2(6.74)
Cmax(μg/mL)2550.1(21.2)26226(66.1)
tmax(h)2548.00(8.00-96.02)261.01(1.00-4.00)
AUC0-168h(μg・h/mL)255841(1506)266918(1388)
t1/2(h)2480.7(14.3)26112(134)
CL(/F)(L/h)250.182(0.0434)260.115(0.0250)
Vz(/F)(L)2420.9(5.67)2618.6(25.6)
SD:標準偏差tmaxは中央値(最小値-最大値)を示す。
図 4回目の投与後の血清中濃度推移(平均値±標準偏差)
<全身型重症筋無力症>
全身型重症筋無力症患者55例(日本人患者を4例含む)に本剤(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,008mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として11,200単位)を1週間間隔で計4回皮下投与するサイクルを1回行ったとき、外国人及び日本人患者の初回及び4回目投与時の薬物動態パラメータを下表に示す。
パラメータ集団1回目4回目
N平均(SD)N平均(SD)
Ctrough(μg/mL)日本人319.6(8.47)422.9(9.18)
外国人4018.2(8.13)4521.9(8.13)
SD:標準偏差
<慢性炎症性脱髄性多発根神経炎>
慢性炎症性脱髄性多発根神経炎に本剤(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,008mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として11,200単位注1))を週1回皮下投与したとき、外国人及び日本人患者の初回及び4回目投与時のCtroughを下表に示す。
パラメータ集団1回目4回目
N平均(SD)N平均(SD)
Ctrough(μg/mL)日本人2416.1(6.57)2219.6(9.30)
外国人27414.8(6.95)22818.8(10.0)
SD:標準偏差
16.3 分布
エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)点滴静注投与時の分布容積は15~20Lであった(外国人データ)。
16.4 代謝
エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)は、一般的なタンパク異化経路によってアミノ酸に分解されると推定される。
16.5 排泄
健康成人にエフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)点滴静注製剤10mg/kg単回投与後の尿中排泄率は投与量の0.1%未満であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害
腎機能障害患者を対象とした薬物動態試験は実施していないが、母集団薬物動態解析の結果から、本剤(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,008mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として11,200単位)を1週間間隔で皮下投与したとき、軽度腎機能障害患者(eGFR:60mL/min/1.73m2以上90mL/min/1.73m2未満)は、腎機能正常患者(eGFR:90mL/min/1.73m2以上)と比較して、4回目投与後のAUC0-168hが11%高くなると推定された。なお、中等度(eGFR:30mL/min/1.73m2以上60mL/min/1.73m2未満)及び重度(eGFR:30mL/min/1.73m2未満)の腎機能障害患者における有効性及び安全性を評価する十分な臨床試験データはない。[9.2参照]
16.8 その他
16.8.1 薬力学
<全身型重症筋無力症>
国際共同第III相試験(ARGX-113-2001)において、本剤(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,008mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として11,200単位)又はエフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)点滴静注製剤10mg/kgを1週間間隔で計4回投与したときの総IgG濃度の推移は、以下のとおりであった。
図 ベースラインからの総IgG濃度の変化率(全患者、平均値±標準誤差)
矢印(↓)は投与時点、数値上段は本剤群、下段は点滴静注製剤群の例数を示す。
国際共同第III相試験(ARGX-113-2001)における本剤投与後の総IgG濃度の最低値の分布は、中央値[25パーセンタイル値,75パーセンタイル値]は2.38[1.87,3.20]、[最小値,最大値]は[1.04,8.01]g/Lであった。[8.1参照]
なお、点滴静注製剤の臨床試験では投与によるIgG以外の免疫グロブリン濃度(IgA、IgD、IgE及びIgM)への影響はなく、アルブミン濃度の減少は認められなかった。
<慢性炎症性脱髄性多発根神経炎>
国際共同第II相試験(ARGX-113-1802)において、本剤(エフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,008mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として11,200単位注1))又はプラセボを週1回皮下投与したときの総IgG濃度の推移は、非盲検期及び二重盲検治療中止期でそれぞれ以下のとおりであった。
図 非盲検期のベースラインからの総IgG濃度の変化率、非盲検期(平均値±標準誤差)
グラフ中の数値は例数を示す。
図 非盲検期のベースラインからの総IgG濃度の変化率、二重盲検治療中止期(平均値±標準誤差)
数値上段はプラセボ群、下段は本剤群の例数を示す。
注1)一部の被験者ではエフガルチギモド アルファ(遺伝子組換え)として1,006.5mg及びボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)として12,200単位が投与された。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
人免疫グロブリン製剤(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等)これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性がある。
これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤の最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。
本剤がこれらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤(エクリズマブ(遺伝子組換え)、ラブリズマブ(遺伝子組換え))これらの薬剤の治療効果が減弱する可能性がある。
これらの薬剤による治療を開始する場合、本剤の最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。
本剤がこれらの薬剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
抗FcRnモノクローナル抗体製剤(ロザノリキシズマブ(遺伝子組換え))本剤又は抗FcRnモノクローナル抗体製剤の治療効果が減弱する可能性がある。
抗FcRnモノクローナル抗体製剤による治療を開始する場合、本剤の最終投与から2週間後以降に投与することが望ましい。
本剤を含むFcRnに結合する薬剤の血中濃度が低下する可能性がある。
血液浄化療法本剤の治療効果が減弱する可能性があるため、併用を避けることが望ましい。本剤による治療中に施行することにより本剤の血中濃度を低下させる可能性がある。
生ワクチン及び弱毒生ワクチン本剤による治療中の接種を避けることが望ましい。
接種が必要な場合は本剤投与開始の少なくとも4週間前までに接種することが望ましい。
本剤による治療中の場合、最終投与から2週間以降にワクチンを接種することが望ましい。
生ワクチン又は弱毒生ワクチンによる感染症発現のリスクが増大するおそれがある。
生ワクチン及び弱毒生ワクチン以外のワクチンワクチンの効果が減弱する可能性がある。本剤の作用機序により、ワクチンに対する免疫応答が得られない可能性がある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 感染症(4.8%)[8.1、9.1.1、11.2参照]
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5~15%未満5%未満
一般・全身障害および投与部位の状態注射部位紅斑、注射部位疼痛、注射部位そう痒感、注射部位発疹疲労
神経系障害頭痛浮動性めまい
胃腸障害悪心、嘔吐
臨床検査リンパ球数減少、好中球数増加
感染症および寄生虫症帯状疱疹、尿路感染、上咽頭炎、上気道感染
皮膚および皮下組織障害発疹
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