| 薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
中程度のCYP3A阻害剤 エリスロマイシン ベラパミル フルコナゾール等 [16.7.1参照] | 本薬の血中濃度が上昇するおそれがあるので、特に本剤投与開始時及び用量調節時は副作用の発現に注意すること。 | これらの薬剤のCYP3A阻害作用により、本薬の代謝が阻害される可能性がある。 |
| グレープフルーツ含有食品 | 本薬の血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤投与中の摂取は避けること。 | CYP3Aを阻害することにより本薬の代謝が阻害される。 |
CYP3A誘導剤 リファンピシン フェニトイン フェノバルビタール エファビレンツ ミトタン モダフィニル セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品等 [16.7.1参照] | 本薬の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがあるので、CYP3A誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること。 | これらの薬剤のCYP3A誘導作用により、本薬の代謝が促進される可能性がある。 |
| ボセンタン水和物 | 本薬の血中濃度が減少し、作用が減弱するおそれがある。また、ボセンタン水和物の血中濃度が上昇し、副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | ボセンタン水和物のCYP3A誘導作用により、本薬の代謝が促進されるおそれがある。また、本薬のCYP3A阻害作用により、ボセンタン水和物の代謝が阻害される。 |
副腎皮質ステロイド剤 ブデソニド シクレソニド デキサメタゾン メチルプレドニゾロン | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
オピオイド系鎮痛剤 フェンタニル フェンタニルクエン酸塩 オキシコドン塩酸塩水和物 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
免疫抑制剤 シクロスポリン タクロリムス水和物 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
抗悪性腫瘍剤 ドセタキセル エベロリムス テムシロリムス ゲフィチニブ ダサチニブ水和物 エルロチニブ塩酸塩 ラパチニブトシル酸塩水和物 ボルテゾミブ イマチニブメシル酸塩 スニチニブリンゴ酸塩 ボスチニブ水和物 カバジタキセル クリゾチニブ シロリムス パノビノスタット乳酸塩 ポナチニブ塩酸塩 ルキソリチニブリン酸塩 アキシチニブ ニロチニブ塩酸塩水和物 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
マラビロク アプレピタント サルメテロールキシナホ酸塩 シナカルセト塩酸塩 アルプラゾラム ゾピクロン トルテロジン酒石酸塩 オキシブチニン塩酸塩 グアンファシン塩酸塩 ジエノゲスト | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の副作用が発現しやすくなるおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
ブプレノルフィン塩酸塩 エレトリプタン臭化水素酸塩 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
カルシウム拮抗剤 ニフェジピン フェロジピン ベラパミル塩酸塩 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
抗精神病剤 ハロペリドール アリピプラゾール クエチアピンフマル酸塩 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
抗凝固薬 ワルファリンカリウム アピキサバン | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
ジソピラミド シロスタゾール | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、これらの薬剤の作用を増強するおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤 ビンクリスチン硫酸塩 ビンブラスチン硫酸塩 | これらの薬剤の血中濃度を上昇させ、筋神経系の副作用を増強するおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
| ベネトクラクス〔再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病〕 | ベネトクラクスの副作用が増強されるおそれがあるので、ベネトクラクスを減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分に注意すること。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
PDE5阻害剤 シルデナフィルクエン酸塩 タダラフィル(ザルティア、シアリス) | これらの薬剤の血中濃度を上昇させるおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
コルヒチン [2.4、9.2.1、9.3.1参照] | コルヒチンの血中濃度上昇により、作用が増強されるおそれがある。 | 本薬のCYP3Aに対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される。 |
| イリノテカン塩酸塩水和物 | イリノテカンの活性代謝物の血中濃度を上昇させるおそれがある。 | 本薬のCYP3A阻害作用により、イリノテカンの活性代謝物の無毒化が阻害されると考えられる。 |
CYP2C19の基質となる薬剤 オメプラゾール ジアゼパム ランソプラゾール等 [16.7.2参照] | これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本薬のCYP2C19阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される可能性がある。 |
P-gpの基質となる薬剤 ジゴキシン フェキソフェナジン ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩等 [16.5、16.7.2参照] | これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。 | 本薬がP-gpを阻害することにより、P-gpを介したこれらの薬剤の輸送が阻害される可能性がある。 |
P-gp阻害剤 カルベジロール アミオダロン等 [16.5参照] | 本薬の血中濃度が上昇するおそれがあるので、副作用の発現に注意すること。 | これらの薬剤がP-gpを阻害することにより、P-gpを介した本薬の輸送が阻害される可能性がある。 |
メトホルミン [16.5参照] | 副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること。 | 本薬がMATE1を阻害することにより、メトホルミンの排出が阻害される可能性がある。 |
ロペラミド [16.4、16.5、16.7.2参照] | ロペラミドの副作用が増強されるおそれがあるので、必要に応じてロペラミドの用量を調整すること。本剤の併用により、ロペラミドのCmax及びAUCがそれぞれ3.14倍及び3.99倍に増加したとの報告がある。 | 本薬がCYP3A及びP-gpを阻害することにより、ロペラミドのクリアランスが低下することが考えられる。 |
QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤 イミプラミン メサドン等 [8.7、9.1.1、11.1.3参照] | QT間隔延長を起こす又は悪化させるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察すること。 | 共にQT間隔延長に関連する副作用を有するため。 |