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ピアスカイ注340mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 発作性夜間ヘモグロビン尿症

用法・用量

  • 通常、クロバリマブ(遺伝子組換え)として、患者の体重を考慮し、1日目に1回1,000又は1,500mgを点滴静注し、2、8、15及び22日目に1回340mg、29日目以降は4週ごとに1回680又は1,020mgを皮下投与する。

禁忌 

【警告】

  • 1.1 本剤の投与により髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡に至るおそれもあるため、以下の点に十分注意すること。[5.1、9.1.1、9.1.2、11.1.1参照]
    • 1.1.1 本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
    • 1.1.2 原則として本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。また、必要に応じて追加接種を考慮すること。
    • 1.1.3 髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
    • 1.1.4 髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、当該感染症に関連する症状が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
  • 1.2 本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその介助者に十分説明し、同意を得てから投与すること。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある。]
  • 2.2 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 髄膜炎菌感染症の既往のある患者
髄膜炎菌を保菌する場合等に、髄膜炎菌感染症を発症するおそれがある。[1.1、5.1、11.1.1参照]
9.1.2 感染症の患者又は感染症が疑われる患者
特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。[1.1、5.1、11.1.1、11.1.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。カニクイザルを用いた拡張型出生前及び出生後の発生試験(10、100mg/kg/週)において、本薬の胎盤通過が認められ、100mg/kg/週群においては出生児における補体活性の低下が認められた。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本薬のヒト乳汁中への移行及び哺乳中の児における影響は不明であるが、一般的にヒトIgGはヒト乳汁中に移行することが知られている。
9.7 小児等
体重40kg未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 他の抗C5抗体製剤使用患者が本剤の投与を開始する際、あるいは本剤使用患者が他の抗C5抗体製剤の投与を開始する際に、本剤と他の抗C5抗体製剤が補体C5の異なるエピトープに結合することにより複合体が一過性に形成され、III型過敏症反応である免疫複合体反応を引き起こすおそれがある。使用する抗C5抗体製剤を切り替えた患者では、切替え後30日程度は皮膚、関節、腎機能等を注意深く観察すること。[5.4、11.1.3参照]
8.2 本剤に対する抗体が産生され、曝露量及び有効性の低下に至るおそれがある。本剤投与中は重篤な血管内溶血及びそれに付随する臨床症状の変化等を注意深く観察すること。[15.1参照]
8.3 本剤の投与を中止した後に他の補体阻害剤による治療を開始しない患者では、重篤な血管内溶血及びそれに付随する臨床症状の変化を注意深く観察すること。[5.3参照]
8.4 在宅自己注射にあたっては、以下の点に留意すること。
8.4.1 本剤の在宅自己注射の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者又はその介助者が理解し、確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。
8.4.2 Infusion reaction、注射に伴う全身反応等の重大な副作用があらわれることがあるため、患者又はその介助者に対し、在宅自己注射後に何らかの異常が認められた場合は、速やかに医療機関へ連絡するよう指導を行うこと。[11.1.1-11.1.4参照]
8.4.3 在宅自己注射の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに在宅自己注射を中止させ、医師の管理のもとで慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。
8.4.4 使用済みの注射器等を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うと同時に、使用済みの注射器等を廃棄する容器を提供すること。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
14.1.1 混濁、変色又は微粒子がある場合は使用しないこと。
14.1.2 1日目の点滴静注を行う際には、本剤を100又は250mLの日局生理食塩液に加え、希釈すること。
14.1.3 投与2日目以降の皮下投与は、本剤を希釈せずに使用すること。
14.2 薬剤投与時の注意
14.2.1 点滴静注
(1)目安として、本剤1,000mgを投与する患者には60分、1,500mgを投与する患者には90分かけて点滴静注する。他の補体(C5)阻害剤から本剤に切り替える場合、他の補体(C5)阻害剤の投与が予定されていた日に本剤の投与を開始すること。[7.参照]
(2)投与には、0.2μmインラインフィルターを使用すること。
14.2.2 皮下投与
(1)注射部位は原則として腹部とし、1箇所あたり1バイアルを投与する。注射箇所は毎回変更し、同一箇所への反復投与は避けること。
(2)皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発疹、発赤、硬結等)には注射しないこと。
14.3 薬剤交付時の注意
患者が家庭で保管する場合、本剤は外箱に入れた状態で、凍結を避け、冷蔵庫内で保管すること。やむを得ず室温(30℃以下)で保管した場合、可能な限り速やかに冷蔵庫に入れ、再び室温で保管することは避けること。また、室温(30℃以下)での保管が7日を超えた場合には使用しないこと。

7.用法及び用量に関連する注意

1回あたりの本剤の投与量及び投与方法は、下表を参考にすること。[14.2.1参照]
体重1日目2、8、15及び22日目29日目以降、4週に1回
40kg以上100kg未満1,000mg点滴静注340mg皮下投与680mg皮下投与
100kg以上1,500mg点滴静注340mg皮下投与1,020mg皮下投与
予定日に投与量の全量又は一部を投与できなかった場合は、可能な限り速やかに直近の投与回における不足分のみを投与し、以降の投与は規定通りに行うこと。

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤は、補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に使用すること。原則として本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。[1.1、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2、18.1参照]
5.2 本剤は、フローサイトメトリー法等により、発作性夜間ヘモグロビン尿症と確定診断された患者に使用すること。
5.3 本剤投与によりPNH赤血球クローンが蓄積するため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがあることも含め、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与が適切と考えられる患者に使用すること。[8.3参照]
5.4 他の抗C5抗体製剤から本剤へ切り替える場合、免疫複合体反応を引き起こすおそれがあることから、本剤への切替えの必要性を慎重に判断すること。[8.1、11.1.3参照]

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤75mg、125mgを単回静脈内投与注)、100mgを単回皮下投与注)した際の血清中クロバリマブ濃度は、下図のように推移した。薬物動態パラメータは下表のとおりであった(外国人データ)。
注)承認された用法及び用量は、「患者の体重を考慮し、1日目に1回1,000又は1,500mgを点滴静注し、2、8、15及び22日目に1回340mg、29日目以降は4週ごとに1回680又は1,020mgを皮下投与する」である。
単回投与時の血清中濃度推移(平均値±95%信頼区間)
単回投与時の薬物動態パラメータ(各群N=3)
投与群Cmax(μg/mL)Tmax(day)AUClast(μg・day/mL)
75mg
静脈内投与
28.5±1.950.0424(0.0417~0.500)844±183
125mg
静脈内投与
47.3±17.80.0840(0.0424~2.00)962±236
100mg
皮下投与
15.6±3.3018.1(4.00~19.1)672±160
Cmax、AUClast:平均値±標準偏差、Tmax:中央値(最小値~最大値)
16.1.2 反復投与
補体阻害剤未治療の発作性夜間ヘモグロビン尿症患者135例(日本人2例)を対象とした国際共同第III相試験において、患者の体重を考慮し、1日目に1回1,000又は1,500mgを点滴静注し、2、8、15、22日目に1回340mg、29日目以降は4週ごとに1回680又は1,020mg皮下投与した際の血清中クロバリマブ濃度は、下図のように推移した。本剤投与開始後13週及び25週時点における血清中クロバリマブのトラフ濃度の平均値±標準偏差は、それぞれ262±88.1μg/mL及び241±83.5μg/mLであった。
反復投与時の血清中クロバリマブ濃度推移(平均値±95%信頼区間)
16.2 吸収
健康成人9例(日本人0例)及び発作性夜間ヘモグロビン尿症患者421例(日本人29例)を含む第I/II相試験並びに第III相試験のデータ(計6115ポイント)を用いた母集団薬物動態解析の結果、皮下投与時のバイオアベイラビリティの母集団平均値(90%信頼区間)は83.0%(69.6~92.0)と推定された。
16.7 薬物相互作用
他の抗C5抗体製剤の共存下で血清中クロバリマブ濃度が一過性に低下することがある。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 髄膜炎菌感染症(頻度不明)
髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化することがあり、死亡に至るおそれもある。また、髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症等を予防できない場合もあることから、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、嘔吐、傾眠、精神症状、筋肉痛、斑・点状出血、発疹、羞明、痙攣等)の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。[1.1、5.1、8.4.2、9.1.1、9.1.2参照]
11.1.2 感染症(2.1%)
播種性淋菌感染症、肺炎球菌感染、インフルエンザ菌感染等の重篤な感染症又は敗血症があらわれることがある。[5.1、8.4.2、9.1.2参照]
11.1.3 免疫複合体反応(17.8%注)
他の抗C5抗体製剤使用患者が本剤の投与を開始する際、あるいは本剤使用患者が他の抗C5抗体製剤の投与を開始する際に、一過性に形成される免疫複合体による反応(関節痛等の筋骨格系および結合組織障害、発疹等の皮膚および皮下組織障害、発熱、無力症、疲労、腹部不快感、頭痛等)があらわれることがある。腎機能に影響を及ぼすおそれもあることから、観察を十分に行うこと。[5.4、8.1、8.4.2参照]
注)発作性夜間ヘモグロビン尿症患者を対象とした国際共同第III相試験(BO42162試験及びBO42161試験)において、使用する抗C5抗体製剤を切り替えた185例における発現頻度を記載した。
11.1.4 Infusion reaction、注射に伴う全身反応(16.0%)
静脈内又は皮下への投与中もしくは投与後にアレルギー反応又は過敏症反応(アナフィラキシーを含む)、頭痛、筋肉痛等の様々な程度の症状があらわれることがある。重篤なアレルギー反応が認められた場合には、適切な処置を行うこと。[8.4.2参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

5%以上5%未満
神経頭痛、浮動性めまい
胃腸悪心、下痢、腹痛
血液・リンパ白血球数減少、好中球数減少血小板数減少、血管外溶血
筋骨格関節痛、筋肉痛
皮膚発疹
その他疲労、浮腫、注射部位反応、無力症、発熱
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