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リブテンシティ錠200mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 臓器移植(造血幹細胞移植も含む)における既存の抗サイトメガロウイルス療法に難治性のサイトメガロウイルス感染症

用法・用量

  • 通常、成人にはマリバビルとして1回400mgを1日2回経口投与する。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 ガンシクロビル又はバルガンシクロビルを投与中の患者[10.1、18.2.1参照]
  • 2.3 リファンピシン又はセイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品を投与中の患者[10.1、16.7.2参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.3 肝機能障害患者
重度の肝機能障害患者(Child-Pugh分類C)を対象とした臨床試験は実施していない。本剤は主に肝臓で代謝されるため、重度の肝機能障害患者では本剤の血漿中濃度が増加するおそれがある。[16.4.1、16.6.2参照]
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。ラットを用いた受胎能及び胚・胎児発生試験において、本剤の臨床用量における曝露量未満の曝露量で、生存胎児数の減少、早期吸収胚数の増加及び着床後胚死亡の増加が認められている。
9.6 授乳婦
授乳しないことが望ましい。マリバビル又はその代謝物のヒトでの乳汁移行性は不明である。ラットを用いた出生前及び出生後の発生毒性試験において、本剤の臨床用量における曝露量未満と推定される曝露量で、母動物の一般毒性発現に伴う出生児の生存率の低下及び身体的発達遅延を伴う体重増加抑制が認められている。
9.7 小児等
小児等を対象とした臨床試験成績は得られていない。

8.重要な基本的注意

本剤による治療中及び治療後に薬剤耐性によるウイルス学的失敗が認められる可能性があるため、サイトメガロウイルスDNA量又はサイトメガロウイルス抗原陽性細胞数等をモニタリングすること。治療に反応しない場合は本剤に対する耐性発現の可能性を考慮し、投与継続の可否を検討すること。本剤に対する耐性を示すウイルス由来のプロテインキナーゼ(UL97)変異がガンシクロビル及びバルガンシクロビルに対する交差耐性をもたらす可能性がある。[18.2.3参照]

7.用法及び用量に関連する注意

強い又は中程度のCYP3A4誘導剤(リファンピシン及びセイヨウオトギリソウ含有食品を除く)と本剤との併用は避け、代替薬への変更を考慮すること。併用が避けられない場合は、マリバビルとして1回1,200mgまでの増量(1日2回経口投与)を考慮すること。[10.2参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 既存の抗サイトメガロウイルス療法の治療効果が不十分と考えられる患者に投与すること。[17.1.1、17.1.2参照]
5.2 中枢神経系のサイトメガロウイルス感染症及びサイトメガロウイルス網膜炎に対する有効性及び安全性は検討していない。非臨床試験の結果から、本剤は血液脳関門を透過し得るが、中枢神経系への通過量は低いと考えられる。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人(12例)にマリバビルとして400mgを空腹時に単回経口投与したときの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
薬物動態パラメータ
投与量Cmax(μg/mL)AUClast(hμg/mL)Tmax(h)t1/2z(h)
400mg17.4(27.4)92.3(35.3)1.25[0.500,4.00]5.48(32.91)
Cmax、AUClastは幾何平均値(幾何%CV)、Tmaxは中央値[最小値,最大値]、t1/2zは平均値(%CV)
16.1.2 反復投与
日本人の造血幹細胞移植又は固形臓器移植患者[サイトメガロウイルス(CMV)感染/感染症]にマリバビルとして400mgを1日2回反復経口投与したときの定常状態における薬物動態パラメータを母集団薬物動態モデルを用いて推定した。
薬物動態パラメータ
投与量Cmax,ss(μg/mL)Ctrough,ss(μg/mL)AUCτ,ss(hμg/mL)t1/2(h)
400mg
BID
29.1(40.6)9.89(97.8)221(57.1)8.72(55.4)
BID:1日2回投与日本人患者41例(国内第III相試験)に基づく推定値、Cmax,ss、Ctrough,ss、AUCτ,ss、t1/2は幾何平均値(幾何%CV)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(30例)にマリバビル400mgを単回経口投与したとき、高脂肪食後投与の空腹時投与に対するCmax、AUC及びAUClastの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.716、0.878及び0.874であった。また、低脂肪/低カロリー食後投与の空腹時投与に対するCmax、AUC及びAUClastの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.766、0.847及び0.841であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
健康成人(12例)にマリバビル400mg単回経口投与したときのノンコンパートメント解析に基づく見かけの分布容積は33.3L(平均値)であった。
16.3.2 蛋白結合率
マリバビルのヒト血漿蛋白質への結合率(平均値)は0.05~200μg/mLの濃度範囲で98.0%であった(in vitro)。
マリバビルのヒト血漿蛋白結合率はex vivoにおいて、98.4%~98.9%であった。
16.4 代謝
16.4.1 薬物代謝
マリバビルは主にCYP3A4を介した肝代謝により消失し、副次的にCYP1A2が寄与する。主要代謝物はイソプロピル部分のN-脱アルキル化により生成され、薬理学的には活性がないと考えられる。ヒトにおけるマリバビルのグルクロン酸抱合には、複数のUGT(UGT1A1、UGT1A3、UGT2B7、及びUGT1A9)が関与すると考えられる。また、マリバビルの消失全体に対するグルクロン酸抱合の寄与は小さいと考えられる(in vitro)。[9.3参照]
16.5 排泄
健康成人(12例)にマリバビル400mgを単回経口投与したとき、クリアランスは4.39L/hであった。
健康成人(6例)に14C標識したマリバビルを単回経口投与したとき、試験期間中に回収された総放射能約75%のうち、尿中は61%、糞便中は14%であった。尿中放射能のうち未変化体の占める割合は1.8%であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
マリバビル400mgを単回投与したとき、腎機能正常者(12例)、軽度/中等度腎機能障害者(軽度:クレアチニンクリアランス50mL/min以上80mL/min以下/中等度:クレアチニンクリアランス30mL/min以上50mL/min未満)(10例)及び高度腎機能障害者(高度:クレアチニンクリアランス30mL/min未満)(8例)において、薬物動態パラメータの比較では、軽度/中等度腎機能障害者の腎機能正常群に対するAUC及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.084、及び0.959であった。また、高度腎機能障害者の腎機能正常群に対するAUC及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ0.961及び0.930であった(外国人データ)。
16.6.2 肝機能障害患者
マリバビル200mgを単回投与したとき、中等度肝機能障害者〔Child-Pugh分類B(スコア7~9)〕(10例)の正常肝機能者(10例)に対する総血漿中濃度に基づくマリバビルのAUC及びCmaxの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.261及び1.346であった(外国人データ)。[9.3参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 In vitro試験
(1)トランスポーター
マリバビルはP-gp及びBCRPの基質であり、P-gp(IC50=33.8μM)、BCRP(IC50=7.05μM)及びMATE1(IC50=20.4μM)に対して阻害作用を示した。
(2)CYP及びUGT阻害作用
マリバビルは、CYP1A2(IC50=40μM)、CYP2C9(IC50=18μM)、CYP2C19(IC50=35μM)及びUGT1A1(IC50=32.3μM)の阻害作用を示し、CYP3A4に対して時間依存的阻害作用を示した。代謝物VP44469はCYP3A4に対して阻害作用を示した(IC50=30μM)。
(3)CYP誘導作用
マリバビルはCYP1A2及びCYP3A4に対して誘導作用を示した。
16.7.2 臨床薬物相互作用試験
臨床薬物相互作用試験により、併用薬投与時のマリバビルの薬物動態に及ぼす影響及びマリバビル投与による併用薬の薬物動態に及ぼす影響を示した(外国人データ)。[2.3、10.1、10.2参照]
併用薬投与時のマリバビルの薬物動態に及ぼす影響
併用薬併用薬 投与方法マリバビル 投与方法注1)例数マリバビルの薬物動態パラメータの最小二乗幾何平均値の比(併用時/非併用時)
(90%信頼区間)
AUCCmax
抗真菌薬(CYP3A4/5/P-gp阻害剤)
ケトコナゾール400mg SD400mg SD191.533
(1.444,1.628)
1.097
(1.013,1.188)
抗酸菌症薬(CYP誘導剤)
リファンピシン600mg QD400mg BID140.398
(0.361,0.440)
0.612
(0.523,0.717)
制酸剤
水酸化アルミニウム/水酸化マグネシウム20mL SD100mg SD150.891
(0.828,0.958)
0.837
(0.747,0.939)
SD:単回投与、QD:1日1回投与、BID:1日2回投与AUC:ケトコナゾール、水酸化アルミニウム/水酸化マグネシウムはAUC、リファンピシンはAUClast注1)マリバビルの用法及び用量は、1回400mgを1日2回経口投与である。
マリバビル(400mg BID)が併用薬の薬物動態に及ぼす影響
併用薬併用薬 投与方法例数併用薬の薬物動態パラメータの最小二乗幾何平均値の比(マリバビル併用時/非併用時)
(90%信頼区間)
AUCCmax
抗真菌薬(CYP2C19基質)
ボリコナゾール200mg BID19ボリコナゾール
0.93
(0.83,1.05)
ボリコナゾール
1.00
(0.87,1.15)
ボリコナゾール-N-オキシド
1.04
(0.99,1.10)
ボリコナゾール-N-オキシド
1.01
(0.93,1.08)
感冒薬(CYP2D6基質)
デキストロメトルファン注2,3)30mg SD18デキストロルファン
0.97
(0.95,1.00)
デキストロルファン
0.94
(0.88,1.01)
デキストロメトルファン
0.88
(0.70,1.12)
デキストロメトルファン
0.94
(0.78,1.14)
ジギタリス配糖体製剤(P-gp基質)
ジゴキシン注3)0.5mg SD181.21
(1.10,1.32)
1.25
(1.13,1.38)
免疫抑制薬(CYP3A4/P-gp基質)
タクロリムス安定用量201.51
(1.39,1.65)
1.38
(1.20,1.57)
SD:単回投与、BID:1日2回投与AUC:ボリコナゾール、ボリコナゾール-N-オキシド、デキストロルファン及びデキストロメトルファンはAUClast、ジゴキシンはAUC、タクロリムスはAUCτ。注2)CYP2D6活性に対する評価は、代謝物デキストロルファンの薬物動態パラメータに基づいて行った。注3)ジゴキシン及びデキストロメトルファンは同時投与した。
マリバビル(400mg BID)がCYP基質の薬物代謝に及ぼす影響
併用薬併用薬 投与方法例数薬物動態パラメータの最小二乗幾何平均値の比(マリバビル併用時/非併用時)
(90%信頼区間)
CYP2C9基質
ワルファリン注4)10mg SD16S-ワルファリン
AUC比1.01(0.95,1.07)
Cmax比1.04(0.96,1.12)
CYP3A4基質
ミダゾラム注4)0.075mg/kg SD16ミダゾラム
AUC比0.89(0.79,1.00)
Cmax比0.82(0.70,0.96)
1-ヒドロキシミダゾラム
AUC比1.06(0.91,1.21)
Cmax比0.98(0.71,1.26)
CYP1A2基質
カフェイン注4)2mg/kg SD15尿中カフェイン代謝物注5)
(投与後12時間までの尿中濃度の比)
0.86(0.80,0.92)
SD:単回投与注4)ミダゾラムはマリバビル投与後1時間までに投与した。カフェイン及びワルファリンはオメプラゾール40mg及びデキストロメトルファン30mgとともにミダゾラム投与後3時間までに同時投与した。
注5)カフェイン代謝物の尿中濃度比の算出式
(1-メチルキサンチン+1-メチル尿酸+5-アセチルアミノ-6-ホルミルアミノ-3-メチルウラシル)/1,7-ジメチル尿酸

併用禁忌 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ガンシクロビル(デノシン)
バルガンシクロビル(バリキサ)
[2.2、18.2.1参照]
併用により、これらの薬剤の抗ウイルス作用が阻害されるおそれがある。本剤は、これらの薬剤の活性化又はリン酸化に必要なウイルス由来のUL97を阻害する。
リファンピシン(リファジン)
セイヨウオトギリソウ(St.John's Wort、セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
[2.3、16.7.2参照]
本剤とリファンピシンを併用投与したとき、本剤の単独投与時と比較して、本剤のAUCは40%、Cmaxは61%に減少した。
これらの薬剤又は食品との併用により、本剤の血漿中濃度が大きく減少し、本剤の有効性が減弱するおそれがある。
これらの薬剤又は食品は、本剤の代謝酵素であるCYP3A4を誘導する。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
タクロリムス
シクロスポリン
エベロリムス
シロリムス
[16.7.2参照]
本剤とタクロリムスを併用投与したとき、タクロリムスの単独投与時と比較して、タクロリムスのAUCは151%、Cmaxは138%に増加した。
これらの薬剤との併用により、これらの薬剤の血漿中濃度が増加するおそれがあるため、これらの薬剤の血漿中濃度を頻回に(特に本剤投与開始後及び本剤投与中止後に)モニタリングし、必要に応じてこれらの薬剤の用量を調節すること。
本剤は、これらの薬剤の代謝及び排泄に必要なCYP3A4及びP-gpを阻害する。
強い又は中程度のCYP3A4誘導剤
フェニトイン
フェノバルビタール
カルバマゼピン
エファビレンツ
リファブチン等
[7.参照]
これらの薬剤との併用により、本剤の血漿中濃度が減少し、本剤の有効性が減弱するおそれがあるため、併用は避け、代替薬への変更を考慮すること。併用が避けられない場合は、本剤の増量を考慮すること。これらの薬剤は、本剤の代謝酵素であるCYP3A4を誘導する。
ロスバスタチン併用により、ロスバスタチンの血漿中濃度が増加するおそれがあるため、ロスバスタチン関連事象(特にミオパチー及び横紋筋融解症)の発現を注意深く観察すること。本剤は、ロスバスタチンの排泄に必要なBCRPを阻害する。
ジゴキシン
[16.7.2参照]
本剤とジゴキシンを併用投与したとき、ジゴキシンの単独投与時と比較して、ジゴキシンのAUCは121%、Cmaxは125%に増加した。
併用により、ジゴキシンの血漿中濃度が増加するおそれがあるため、ジゴキシンの血漿中濃度をモニタリングし、必要に応じてジゴキシンの用量を減量すること。
本剤は、ジゴキシンの排泄に必要なP-gpを阻害する。
サラゾスルファピリジン併用により、サラゾスルファピリジンの血漿中濃度が増加するおそれがある。本剤は、サラゾスルファピリジンの排泄に必要なBCRPを阻害する。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

10%以上1%以上10%未満
神経系障害味覚障害頭痛
胃腸障害悪心、嘔吐、下痢上腹部痛
全身障害疲労食欲不振
臨床検査免疫抑制剤濃度増加、体重増加
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