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カビゲイル注射液300mg

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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • SARS-CoV-2による感染症の発症抑制

用法・用量

  • 通常、成人及び12歳以上かつ体重40kg以上の小児には、シパビバルト(遺伝子組換え)300mgを大腿前外側部に筋肉内注射する。なお、筋肉内注射が困難又は適切ではない場合、静脈内注射すること。

禁忌 

【警告】

  • SARS-CoV-2による感染症の予防の基本はワクチンによる予防であり、本剤はワクチンに置き換わるものではない。
【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある者

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 血小板減少症、凝固障害のある者
これらの患者では出血リスクが高いため、本剤を筋肉内注射する際には臨床的に重大な出血に留意すること。
9.1.2 心血管疾患のリスクを有する者又は心血管疾患の既往歴のある者
治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、投与後に心血管疾患に関連する徴候又は症状が認められた場合は、速やかに受診するよう患者を指導すること。海外第I/III相試験(D7000C00001試験・メインコホート)において治験薬投与後に急性心筋梗塞や深部静脈血栓症等の心血管系及び血栓塞栓性の有害事象(治験薬との因果関係が否定された事象を含む)が本剤群の62例(3.7%)、チキサゲビマブ/シルガビマブ群の33例(3.0%)、プラセボ群の16例(2.9%)に認められ、これらの患者はいずれも心血管疾患のリスクを有する者又は心血管疾患の既往歴のある者であった。本剤投与との関連性は1例(深部静脈血栓症)を除いてすべて否定され、各群の間で臨床的に意味のある差異は認められず、本剤との因果関係は確立していない。なお、類薬であるチキサゲビマブ/シルガビマブの臨床試験において、重篤な心血管系事象の発現割合がプラセボ群に比べて高い傾向が認められている。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。一般にヒトIgGは胎盤を通過することが知られている。
9.6 授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行性については不明であるが、一般にヒトIgGは乳汁中へ移行することが知られている。
9.7 小児等
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

8.重要な基本的注意

8.1 アナフィラキシーを含む重篤な過敏症が他のIgGモノクローナル抗体でまれに報告されている。本剤投与時には、アナフィラキシーショック、アナフィラキシーに対する適切な薬物治療(アドレナリン、副腎皮質ステロイド薬、抗ヒスタミン薬等)や緊急処置を直ちに実施できるようにしておくこと。また、投与終了後も症状のないことを確認すること。[11.1.1参照]
8.2 本剤の静脈内投与において、Infusion reaction(悪心、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、消化不良、疼痛、低血圧、顔面潮紅、咳嗽、胸部不快感、浮動性めまい、息切れ)が報告されている。異常が認められた場合には投与速度の減速、投与中断又は投与中止し、適切な薬物治療や対症療法を行うこと。

14.適用上の注意

14.1 薬剤調製時の注意
<用法共通>
14.1.1 冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。
14.1.2 使用前に不溶性異物や変色がないことを目視により確認すること。濁り、変色又は不溶性異物が認められる場合は使用しないこと。
14.1.3 本剤は、無菌的に調製を行うこと。
14.1.4 シリンジで本剤2mLをバイアルから抜き取り、速やかに投与すること。
14.1.5 本剤は保存剤を含まないため、シリンジ採取後又は点滴バッグに調製後は速やかに投与すること。すぐに使用せず保存する場合、2~8℃で保存し、24時間以内に使用すること、又は室温(25℃まで)で保存し、4時間以内に使用すること。なお、2~8℃で保存した場合は室温に戻してから投与すること。
14.1.6 バイアル中の残液は廃棄すること。
<静脈内注射>
14.1.7 本剤を希釈して点滴静脈内投与する場合、本剤2mLを生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液の50mL又は100mLの点滴バッグに注入し、ゆっくり反転させて混和する。希釈液を凍結又は振盪させないこと。
14.1.8 本剤を希釈せずシリンジポンプを用いる場合、シリンジで本剤2mLをバイアルから抜き取る。
14.2 薬剤投与時の注意
<筋肉内注射>
14.2.1 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位(傷、発疹、発赤、硬結等)には注射しないこと。
<静脈内注射>
14.2.2 希釈液は、無菌の蛋白結合性の低い0.2又は0.22μmインラインフィルターを使用して約20分間以上かけて点滴静脈内注射すること。
14.2.3 他の薬剤と同一の点滴ラインを使用した同時投与は行わないこと。
14.2.4 投与終了時には、点滴ラインを生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液でフラッシュすること。
14.2.5 本剤を希釈せずにシリンジポンプを用いて投与する場合は、6分以上かけて静脈内注射すること。

7.用法及び用量に関連する注意

本剤反復投与時の有効性、安全性に関する検討結果は限られているが、本剤の薬物動態に関する情報も踏まえ、本剤を2回目以降繰り返し使用する場合は6カ月程度の間隔を空けることとし、患者の状態を十分に観察すること。[16.1.2、17.1.1参照]

5.効能又は効果に関連する注意

5.1 本剤の投与対象については臨床試験の投与対象者等を参考に、SARS-CoV-2による感染症に対するワクチン接種が推奨されない者又は免疫機能低下等によりSARS-CoV-2による感染症に対するワクチン接種で十分な免疫応答が得られない可能性がある者に投与すること。[17.1.1参照]
5.2 SARS-CoV-2による感染症患者の同居家族又は共同生活者等の濃厚接触者ではない者に投与すること。SARS-CoV-2による感染症患者の同居家族又は共同生活者等の濃厚接触者における有効性は示されていない。[17.1.1参照]
5.3 本剤は、SARS-CoV-2 Sタンパク質のF456L変異を含むSARS-CoV-2に対しては中和活性の著しい低下が認められるため、有効性が期待できない。また、F456L以外の変異でも、中和活性の低下が認められた場合は、本剤の有効性が期待できない可能性がある。SARS-CoV-2の最新の流行株の情報を踏まえ、本剤投与の適切性を検討すること。[18.2、18.3参照]
5.4 既に発症したSARS-CoV-2による感染症に対する本剤の治療効果は確立されていない。

16.薬物動態

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤300mgを単回静脈内投与又はシルガビマブ(遺伝子組換え)300mgとの併用で大腿部の左右反対側の部位に計2回の注射として逐次的に単回筋肉内投与した際のシパビバルトの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった(外国人データ)。
図16-1 健康成人における本剤300mgを単回静脈内投与又は大腿前外側部に単回筋肉内投与時のシパビバルトの血清中濃度推移(外国人データ)
表16-1 健康成人における本剤300mgを単回静脈内投与又は大腿前外側部に単回筋肉内投与時のシパビバルトの薬物動態パラメータ(外国人データ)
投与経路例数Tmax(day)Cmax(μg/mL)AUC0-90d(μg・day/mL)AUC0-∞(μg・day/mL)T1/2(day)
筋肉内投与a)207.47[3.9,53]47.97(25.23)2878(25.58)c)5618(43.05)d)87.31(26.5)d)
静脈内投与b)100.032[0.032,0.171]e)129.18(13.16)e)4036(10.97)e)
幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmax:中央値[範囲]、T1/2:算術平均値(標準偏差)、-:算出せずa):投与181日目までのデータに基づく。外国人健康成人では本剤300mgとシルガビマブ(遺伝子組換え)300mgを併用投与。b):投与91日目までのデータに基づく。追跡期間が不十分であるため、AUC0-∞及びT1/2は算出せず。c):18例、d):17例、e):3例
日本人健康成人に本剤300mgを大腿前外側部に単回筋肉内投与した際のシパビバルトの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。
表16-2 健康成人における本剤300mgを大腿前外側部に単回筋肉内投与時のシパビバルトの薬物動態パラメータ
例数Tmax(day)Cmax(μg/mL)AUC0-90d(μg・day/mL)
610.54[4.04,28.05]49.90(18.24)3418(21.94)
幾何平均値(幾何変動係数%)、Tmax:中央値[範囲]投与91日目までのデータに基づく。追跡期間が不十分であるため、AUC0-∞及びT1/2は算出せず。
16.1.2 反復投与
免疫抑制状態の成人に本剤300mgを大腿前外側部へ6カ月間隔で2回筋肉内投与したとき、1回目投与29日目及び2回目投与30日目におけるシパビバルトの血清中濃度[幾何平均値(幾何変動係数%)]はそれぞれ29.8(36.2)μg/mL及び30.8(54.3)μg/mLであった(外国人データ)。[7参照]
16.2 吸収
母集団薬物動態解析で推定した、本剤300mgを大腿前外側部に筋肉内投与した際の絶対バイオアベイラビリティは80.7%であった(外国人データ)。

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 重篤な過敏症(頻度不明)
アナフィラキシーを含む重篤な過敏症があらわれるおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、薬物治療等の適切な処置を行うこと。[8.1参照]

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<筋肉内注射>

1%以上1%未満
局所症状注射部位反応(疼痛、内出血、紅斑、出血、腫脹、血腫、そう痒感、知覚異常、発疹、変色、熱感)
その他過敏症(そう痒症、紅斑、蕁麻疹、アレルギー性皮膚炎、薬疹)

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
<静脈内注射>

頻度不明
局所症状注入部位反応(内出血、疼痛、そう痒感、紅斑、血管外漏出、腫脹)
その他注入に伴う反応(悪心、関節痛、頭痛、発熱、悪寒、消化不良、疼痛、低血圧、顔面潮紅、咳嗽、胸部不快感、浮動性めまい、息切れ)
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