不安定狭心症とは、心筋に栄養と酸素を運ぶ冠動脈にできた動脈硬化性の冠動脈硬化粥腫(かんどうみゃくこうかじゅくしゅ=冠動脈の内壁にコレステロールを主成分とする脂質が付着している状態)の破綻をきっかけに、血栓ができ、冠動脈が閉鎖しかけている状態です。

検査は、問診のほか、心電図、X線検査、採血、心エコーなどを行います。他の病気と鑑別し心筋に血液が不足しているサインを探します。ただし、検査値に異常が出ないことも少なくありません。

完全に閉鎖すると急性心筋梗塞という生命にかかわる事態に発展します。

症状としては、以前に前兆がなかった人が、急に前胸部や背中、肩などに数分~10分程度の持続する痛みや締めつけられるような感じを繰り返し自覚するのが特徴です。

喫煙者、糖尿病者、高血圧、脂質異常症、家族に同様の病気が多いなど、危険因子の多い人ほどリスクが高くなります。

確定診断が難しい病気ですが、念のため入院して、検査データの経過を追います。同時に、冠動脈の狭窄や心筋の虚血の有無について、心臓カテーテル、冠動脈CT、シンチグラムなどの画像診断で確定する必要があります。

急性心筋梗塞や重篤な不整脈など、最悪のシナリオを描いて、検査し診断します。

治療は、血栓を増長させないために、抗血小板剤や抗凝固剤の投与を行います。

体を動かすと心臓の虚血を悪化させるので、安静を保ちます。