心臓の筋肉(心筋)に栄養分や酸素を含んだ血液が流れている血管を冠動脈といいます。ST上昇型心筋梗塞(急性心筋梗塞)は、この冠動脈が血の塊(血栓)で詰まってしまい心筋への血流が途絶えた状態が続いて心筋が死んでしまう病気です。
心筋梗塞になると心臓のポンプ機能が低下したり、心臓がポンプとして働かなくなる不整脈により命が危険にさらされます。
最近では治療が進歩し、早く治療を受ければ心筋のダメージを最小限に食い止めることができ、命が助かる可能性が高くなっています。発症前と同じ生活に戻ったり、仕事に復帰している患者さんも多くいます。そのためには、一刻も早く専門病院で治療を受けることが重要です。
一刻も早く診断をつけるため、緊急で心臓カテーテル検査を行うことが多いです。カテーテルという細長い管を手首、肘、または足の付け根から冠動脈や心臓の中まで入れて、造影剤を使って冠動脈の状態を見たり、心臓の働きを調べます。
急性心筋梗塞では、急いで血流を再開させる必要があります。そのため、血栓を薬で溶かしたり、詰まっている冠動脈をバルーン(風船)で広げたり、広げたあとに再び狭くならないようにステントという網状の金属を入れるのが一般的です。どの治療法を選ぶかは、患者さんや冠動脈の状態を見て判断されます。
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