全身を巡って心臓へ戻ってきた血液は、右心房から右心室へ流れたあと肺動脈へ進み、酸素と二酸化炭素を交換し左心房、左心室を経て、全身へと送り出されます。心房粗動は、心房が規則正しいものの異常に速く拍動する不整脈の一つです。

半数に高血圧や弁膜症が認められ、多くの人が心房細動という別の不整脈を発症しています。

無症状の人もいますが、多くの場合は長時間の動悸がみられ、時には心臓からの血液が十分に送れなくなる心不全を起こすことがあります。

心房の中に血栓ができやすく、脳梗塞を合併することもあります。

診断のためには、心房粗動が出ているときに心電図をとる必要があります。心電図による診断をやりやすいように、脈を遅くする薬を使用することもあります。

X線検査や採血などの一般検査のほか、心臓の動きを正確に測り、心臓の中の弁の病気(心臓弁膜症など)を捉える心エコーなどの検査も行われます。

心房粗動によって血栓ができるのを防ぐために、抗凝固薬を長期間服用します。

心房粗動に伴う動悸が生じたとき、動悸を軽減するための薬剤を点滴し、その後、内服薬で調整します。

動悸が長時間にわたって止まらないときは、それを止めるために電気ショック治療を行い、再発を薬で予防します。

十分な効果が得られない場合は、カテーテルを使った高周波カテーテル・アブレーション治療を行います。合併症が少ないのでカテーテル治療は第一選択の治療となります。

高周波カテーテル・アブレーションは、心臓にカテーテルを挿入し、その先端から高周波の熱エネルギーを送って不整脈を治療する方法です。