心室で異常な電気刺激が生じ、突然脈拍が速くなるのが心室頻拍です。発作が30秒以内で治まる場合を非持続性心室頻拍といいます。
非持続性心室頻拍は重症度によって予後や治療法は、大きく異なります。心電図のQRS波形の現れ方によって危険性が高いかどうかが診断されます。
QRS波形で危険性が低くても、心筋梗塞後や心筋症などで心機能が低下している場合は生命に危険が及ぶことがあります。
QRS波形により重症度は低いと判断された場合でも、心筋梗塞や心筋症など器質的心疾患にかかっている患者さんは、病態の進行によって徐々に重症度が高くなることがあります。6カ月に1度くらいの割合で受診し、ホルター心電図と心エコー検査を受け、波形と心機能の変化をチェックしたほうがよいでしょう。
危険性が高いと判断された場合は、突然死を起こすことがあるため、ICD(植込型除細動器)などの治療が必要か専門医と相談しましょう。
ストレスなどで交感神経が緊張し過ぎると、非持続性心室頻拍が発症しやすくなります。仕事や生活環境を整えるようにしましょう。
経過中にめまいや失神などの症状が現れたら、危険性が高い持続性心室頻拍や心室細動が起きた可能性があるので、すぐに受診してください。