wideQRS頻拍とは、突然、頻脈になり、一定の時間持続し、突然、もとの脈のリズムに戻る不整脈です。

これは本来の心臓の中での電気の流れと異なるために、心臓全体に興奮が伝わるのが遅れることから、心電図のQRS波の幅が大きくなるのが特徴です。

症状は頻脈のほか、胸苦しさ、めまい、手足の冷え、顔面蒼白などが見られます。十分に心臓から血液が拍出されないために血圧が低下する危険性があり、不整脈専門医による緊急の対応が必要です。

wideQRS頻拍はいったん認められると再発する可能性が極めて高いため、専門医の診察が必要となります。頻拍の種類により、抗不整脈薬やカテーテル治療が選択されます。

基礎疾患に合併して起きるwideQRS頻拍の場合は、再発の可能性が高く、突然死にもなり得る心室頻拍の可能性も高いので、植え込み型の除細動器が必要になることがあります。

運転中に、突然頻拍の発作が起きたときは、車を寄せて横になります。立っているときは場所を探して横になります。同時に周囲の人に救急車を手配してもらいましょう。

基礎疾患がある場合は、不整脈の発作を少しでも防ぐため、風邪や過労によって心臓への負担が増加しないように、生活面に注意しましょう。

血圧を目標値に維持するように生活をコントロールし(減塩、禁煙)、過度の心身のストレスを避けるようにします。

再発予防のために、抗不整脈薬や降圧薬、利尿薬などを内服します。薬は指示通りに服用し、自己判断で薬を減量したり中止したりしないようにしましょう。

抗不整脈薬では副作用が出ることがあります。心配なときは担当医に相談しましょう。