洞不全症候群とは、脈拍数を決定する洞結節の機能が低下している状態をいいます。

洞不全症候群は年齢を経るにつれて発症頻度が増してくるといわれ、患者さんの平均年齢は70歳程度とされています。

洞房結節自体に問題があって起こる場合だけでなく、その周囲の心房筋や自律神経による影響などで起こることもあります。

主な症状は、心拍数が少なくなる、運動をしても適切に心拍数が増えない、一時的に脈がなくなることによる失神やめまい、ふらつき、倦怠感などです。

治療は、ペースメーカーを移植し、心拍を安定させることが唯一確立された方法です。

頻脈、特に心房細動および心房粗動*を合併することが多く、頻脈性不整脈に対して抗凝固療法が行われることがあります。
*心房の各部分が一定の順序で素早く次々に興奮し不整脈を起こすこと

ふらつきやめまい、倦怠感などが何度も現れたり、長く続く場合は早急に受診してください。

薬物の中には、徐脈を誘発したり助長する可能性のあるものがあります。自分の病状を理解し、安易に薬物を使用することは避けましょう。

たびたび動悸を自覚する場合は、動悸の原因となる不整脈への対処が必要となることがあるので、必ず受診してください。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 失神やめまいに襲われたときには、様子を見ないで早めに受診しましょう。
  • できれば、症状がどのようなときに出やすいかを記録しましょう。
  • 徐脈を助長する可能性のあるものも存在するので、安易に薬を服用しないようにしましょう。