WPW症候群とは、電気的刺激を伝える伝導路が本来と違う心房と心室の間にあるために、頻脈発作を起こす先天的な病気です。

頻脈発作以外に自覚症状はなく、健康と思っていると、心電図検査などから病気が発見されることがあります。

発作は、急に脈が速くなり、急に停止するという特徴があり、頻脈の種類によっては突然死を起こす危険性があります。

頻脈の診断には、頻脈時の心電図検査が必要です。頻脈の発作が起きたときはすぐに近くの医療機関に駆け込んで、心電図をとってもらいます。あるいは24時間の心電図を記録するイベントモニター、ホルター心電図検査などを行います。入院して電気生理学的検査を行えば、重症度がわかります。

頻脈発作で受診した場合は発作停止の治療を行い、状態が安定していれば、外来受診とします。症状によっては、発作停止と発作予防の薬剤治療や、高周波で心筋を焼灼するカテーテルアブレーションによる根治術を行います。

心電図の診断だけで、自覚症状がない場合は、心電図や、24時間持続的に心電図を記録するホルター心電図、運動などの負荷を加えて心電図を記録する負荷心電図検査などでリスクを評価したうえで、経過をみます。

心房細動を反映して心室頻拍が不規則になる偽性心室頻拍や、興奮波が逆行して心房から心室へと伝わる逆方向性房室回帰性頻拍などは危険な頻脈です。これらの場合は、すぐに入院し、薬物で発作を停止した後、早期に、カテーテルアブレーションを行います。