心臓には刺激伝達系と呼ばれる電線のようなものが存在します。心室に刺激を送る電線には右脚と左脚があり、右脚の電線に電流が流れなくなる状態を右脚ブロックといいます。

右脚ブロックは、心筋梗塞や心筋症など心臓の筋肉が損傷される病気に伴って生じることもありますが、心疾患を有することが多い左脚ブロックに比べると、加齢などにより、心疾患がなくても生じることが多い症状です。

左脚の伝導に問題がなければ通常は無症状です。ただし、中には、完全房室ブロックといって心室にまったく電流が流れない状態になり、ペースメーカー植え込み術が必要になるものもあります。

右脚ブロックと診断されたときは、専門病院を受診して、心疾患の有無、心機能検査、ブロックの進行の有無などをチェックする必要があります。

無症状で、かつ、この症状単独の場合は治療の必要はありません。外来で定期的に心電図検査、年に1~2回の24時間心電図検査、心臓超音波検査を受け、経過をみます。

併発する心疾患がある場合は、心機能に応じて治療が必要になります。主治医の判断に従いましょう。