心臓の活動は洞結節から命令が出ることで始まります。命令は心房を経由して房室結節に進み、さらに心室へ伝わって、心臓全体が動きます。この命令を伝達するシステムを刺激伝導系と呼びます。
刺激伝導系内の房室結節での命令の受け渡しに時間がかかる状態を「第1度房室ブロック」、一部の命令が伝わらなかった状態を「第2度房室ブロック」といいます。第2度房室ブロックはさらにI型とII型に分けられますが、どちらと決められない場合もあります。
第1度房室ブロックおよびI型第2度房室ブロックは一般に、治療は不要です。ただし、基礎疾患や心臓機能の程度、ブロックが生じた部位によっては治療が必要になることがあります。
II型第2度房室ブロックは、重症の完全房室ブロックへ進行することが多いため、症状の有無にかかわらず、治療が必要です。
基礎疾患がある場合は、その疾患に応じた対応が必要となります。
原因となる疾患の有無を調べるために、心電図、胸部X線、心超音波検査、運度負荷試験などが行われます。
より重症の型の房室ブロックが疑われる場合や、房室ブロックの出現パターンをみる必要がある場合は、24時間心電図をとり続ける検査などが行われます。
必要に応じて、冠動脈造影検査やカテーテルを心臓の中に入れて電気刺激を与える電気生理学検査などが行われます。
治療が必要な場合には、原則としてペースメーカーの植え込みが行われます。
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