心電図の鋭い波のはじめから最後のなだらかな波の終わりまでの時間をQT時間といい、このQT時間が長い病気をQT延長症候群といいます。

症状としては、突然、脈が乱れ、目の前が真っ暗になったり、失神発作が起きたりします。まれに突然死を起こすこともあります。普段は、発作以外に自覚症状はありません。

原因としては、多くの場合、遺伝子に異常が見られます。この場合は、遺伝子診断の結果によって発作や突然死を予防する適切な治療方針が決定されます。

遺伝子に問題がないときでも、薬物などの副作用として発作が現れることがあります。また、運動や精神的ストレスが誘因になることもあります。

治療方法としては、発作や突然死を予防するための、生活指導、薬物療法、非薬物療法があります。

心電図の異常はあっても、自覚症状がない場合は、運動制限などの生活指導だけで経過を観察します。

失神などの症状がある場合は、β遮断薬などを使用した薬物療法を行い、発作を予防します。

心停止の既往症がある場合は、植え込み式の除細動器を用いるなどの非薬物療法を行います。

薬を自己判断で減らしたり中断したりすると心室頻拍発作が出ることがあります。薬は医師の指示のもとに服用しましょう。

失神などの症状が再発したときはすぐに担当医に連絡を取りましょう。

下痢や嘔吐は血中のカリウム濃度が低下する低カリウム血症になり、心室頻拍発作が出やすくなり、注意が必要です。