ICD埋め込みは、生命維持のためには優れた治療法です。心臓の脈を監視し、不整脈の発作に対して、速やかに電気ショックを発生させ、不整脈を改善します。

このICDのショック作動は苦痛を伴いますが、ICDの作動がなければもっと重大な事態に陥るでしょう。

ICDの作動状況については自覚症状からだけでは把握できません。3~6カ月に1度の定期的な外来受診が必要です。

外来では、胸部X線写真によってICDのリード移動、気胸、心不全の有無などをチェックします。心電図により不整脈の有無やICD作業状態のチェックを行い、採血によってICDの感染などを調べます。

プログラマーを用いて、ICDの状況や過去のデータなどを観察し、患者さんにより適した設定に変更していきます。

ICD埋め込み手術後は手術前と同じ生活が可能です。

車の運転も状況によっては許可されます。

運転許可を取得するには資格者資格(日本不整脈学会や日本心不全学会が主催する埋め込み型除細動器・ペーシングによる心不全治療合同研修セミナーを受講し、研修修了書を有する者)によって作成された診断書を交通公安課に提出する必要があります。そして、運転中に作動があったときは車の運転を中止し、カルテにはその内容を記します。

家庭や職場では強い電磁波に曝露されないようにしましょう。とくにIH調理機器には注意が必要です。

整形外科や接骨院で電気を直接流す高周波治療などを受けるときは、ICDを埋め込んでいることを伝えます。

24時間以内に3回以上のショックがみられたときは早期に入院管理します。