肺性心とは、肺の血管または肺のガス交換を障害するような肺の病気により、肺での血液の流れが悪くなり、肺に血液を送り出す右心室に負担がかかった状態をいいます。

疲れやすい、体を動かしたらすぐに息が切れてしまう、動悸がするといった症状がみられます。

喫煙者、以前に結核を患ったことがある方、膠原病をもっている方は肺性心になりやすいことがわかっています。

治療の第一歩は心臓の負担を減らすことです。塩分や水分の摂取を制限し、状態のよくないときには安静を保つことが大切です。

肺性心が疑われた場合は、入院のうえ、肺動脈にカテーテルを挿入して、肺動脈圧や肺の血管の硬さ(肺血管抵抗)を測定する検査を受ける必要があります。

治療には通常、数種類の内服薬が用いられます。

重症の肺動脈性高血圧症の場合は、入院して点滴での治療が必要になることがあります。

体内の酸素が不足している方は、在宅酸素療法を行います。高所に行ったり飛行機に乗ったりする場合には、必ず事前に医師に相談してください。

慢性肺血栓塞栓症性の肺高血圧の場合は、血液をさらさらにする抗凝固薬を服用します。時には、手術やカテーテルでの治療が必要になることがあります。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 塩分は6g/日までに抑えましょう。
  • 水分のとり過ぎに注意しましょう。
  • 禁煙しましょう。
  • 薬の副作用が出た場合は、自己判断で中断せずに、医師と相談しましょう。
  • 血管を広げる薬(ワーファリンなど)を服用している間は、納豆を食べないようにしましょう。