大動脈炎症候群は高安動脈炎ともいい、大動脈およびその主要な分枝、肺動脈、冠動脈に血管の閉塞や拡張性病変を引き起こす疾患です。

症状は病変の部位や広がりによって、脳や心臓、腎臓などに障害を与えたり、手足が疲れやすくなったり、多彩な様相を示します。上肢血管が障害を受けると脈が触れなくなり脈なし病とも呼ばれます。

原因は不明ですが、前駆症状として感冒様症状がみられることが多いため、ウイルス感染が引き金になっているのではないかと考えられています。

発症は1対9で女性に多く、とくに若い女性に多くみられ、女性ホルモンと何らかの関連があるとされます。

検査には、MRI、CT、PETが用いられ、早期発見・早期治療により、予後は著しく改善し、QOL(生活の質)が向上し、長期の生存が可能になりました。

症状である腎動脈狭窄や大動脈縮窄症による高血圧、大動脈弁閉鎖不全によるうっ血性心不全、虚血性心疾患、心筋梗塞、動脈瘤破裂などは予後に重大な影響を及ぼすので、早期からステロイドによる適切な内科治療と、重症例の場合は適切な外科治療が必要とされます。

若い女性の妊娠や出産は問題になることがあります。炎症所見がなく、重篤な臓器障害を認めず、心機能に異常がなければ問題はないのですが、まれに、一部の症例では出産を契機に炎症が再燃することがあります。

微熱、倦怠感が続くようなら、定期検査を待たずに、受診しましょう。

ステロイド薬は自己判断で減量したり、中止したりしないようにしましょう。

普段の生活で気をつけてほしいこと
  • 普段から血圧を測りましょう。