胸部大動脈瘤とは、心臓から送り出された血液を全身に運ぶ胸部大動脈にこぶ(瘤)ができる病気です。初期は無症状ですが、進行するとこぶが大きくなり破裂して、突然死することがあります。
こぶが55mm以上になれば、破裂の可能性が高まるので、こぶの位置や範囲によって、手術か、人工血管を足の付け根から挿入するステントグラフト治療が必要になります。
診断をつけるためには、造影CT、MRI検査などで、胸部動脈瘤の形や大きさ、範囲を調べます。治療に必要となる他の臓器の疾患の有無も検査します。
こぶが破裂してからの緊急手術は非常に難しく成績も不良なので、破裂する前に手術をします。
こぶのあたりに痛みを感じたときは、破裂や切迫破裂の可能性があるので、緊急に担当医に連絡し、受診しましょう。
高血圧や喫煙、慢性閉塞性肺疾患が、こぶの拡大や破裂につながるので、降圧、禁煙が必要です。